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女性教員、何着ればいい? #5 母の教え

女性教員のファッションについて書いてきたシリーズも、今回でいったん最終回です。

私が教員になって初めてのボーナスをもらった時のこと。「バッグでも買おうかな!」とはしゃいでいると、母が言いました。「バッグでもアクセサリーでも、ひと目でブランド物とわかるようなものを学校に持っていくもんじゃないよ。どうしでも欲しいならプライベートな時間に使いなさい。」

当時の私はその言葉を「税金もらって働いてるんだから、やっかまれないように気を付けるべきだ」と理解しました。しかし、その後、教員を続ける中で、本当に母が言いたかったことに気付きました。それは、「お金を持っていることをひけらかすような品のない姿を生徒に見せるな」ということです。稼いだお金で好きなものを買って何が悪い、という人もいますが、高級ブランド品を身に付けることは、本人の意図とは無関係に「私はこれが買えるぐらいの金持ちだ」「私は稼ぎをモノにつぎ込んで幸せだ」というメッセージを伝えてしまいます。思春期の、それも様々な背景や家庭環境をもつ生徒に対して教員が発するメッセージとしてはいかがなものか、ということです。

生徒に「稼げばあんな高級なものが買える。」というモチベーションをもって大人になってほしい、という教員はあまりいないと思います。私は生徒に内面を磨き、知性を身につけて幸せに生きていくことを望みます。母の言葉を時々思い出し、清潔・質素な服装で豊かな知性と品格を示していけるように努力していきたいと思います。



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