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海外で孤独にあいみょんファン

友だちに頼んで持ってきてもらった「CUT 2024年11月号」

 今や大人気の歌手、あいみょん。先日も全国ライブ・ツアー「ドルフィンアパート」を終えたばかりですね。
 私はちょうど20代後半にさしかかり、老化がちらつく男性ですが、あいみょんが大好きです。初めて聴いたのがデビューから5年以上経った2022年という時流への乗り遅れようだったのですが、それまでJ-POPに興味がなかったのがウソのようにドハマリしました。
 ドイツに来てからも聴きつづけています。

 あいみょんの魅力は、唯一無二の歌声もさながら、その曲のバリエーションの豊かさだと思うのです。
 一般に女性の歌手なら、女性目線の歌詞のほうが書きやすいだろうし、逆もまた然りかと思いますが、あいみょんはこのへん器用で、どちらの表現にも長けています。男から見た女、という視点の歌詞もあり、それを女性であるあいみょんの歌声で聴くのがとても新鮮な感覚だったりします。恋愛系の歌も、感情をストレートに表現するというより、言語化しにくいもどかしさを表現するのが面白いところ。
 創作のバリエーションが広いから、似たりよったりになることもないし、聞いていても飽きない。
 あと初期のアルバムに多いですが、そのまっすぐすぎるくらいの歌詞。本音のかたまりを全力投球で投げつける思い切りの良さ。モラルや理想に対するアンチテーゼとして立ちはだかる気魄に、息を呑んでしまいます。

 ちょっと自分語りになりますが、私は外国語を専門に大学で勉強したので、ドイツ語に堪能です。これは唯一無二の趣味だと自負しているのですが、そのドイツ語力であいみょんの曲をドイツ語に翻訳するのが好きなのです。いままでに訳したのは、「ハルノヒ」「貴方解剖純愛歌」「君はロックを聴かない」。
 私は間違いなく、史上初めてあいみょんの曲をドイツ語に翻訳した人間でしょう。
 翻訳するにあたっては解釈が一筋縄にはいかない文言も多いので(「思い出話と想い出ふかし」「雑なサプライズ」「寒さにこらえた木々と猫」などなど)、けっこう訳をあてるのに頭を抱えるのですが、それを考えるのも醍醐味だったりします。

 もうひとつのあいみょんの魅力を挙げるとしたら、そのビジュアルの自由度の高さかと思う。インスタグラムや音楽雑誌でよく写真が上がっていますが、とても独特でオシャレ。髪型も黒のショートから赤のロングまで変幻自在。雰囲気を自在に操る自由奔放さには惹かれるものがあります。
 あいみょんが表紙を飾る雑誌が出るとき(Xの公式スタッフアカウントで予告される)には、直近で日本に一時帰国する友人や、日本に旅行するドイツの友人に頼んで買ってきてもらうようにしています。そんなことを1年半くらいしていたので、今手元にはあいみょんが表紙の雑誌が7冊ほどあります。どれも、私の宝物。

 私はドイツ在住で、そう頻繁に帰国できない身なのですが、今後も数少なきヨーロッパのあいみょんファンとして活動を続けていくでしょう。
 いつかヨーロッパに来てくれないかなー、と淡い希望を抱きつつ、明日も頑張っていこうと思います。

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