【コラム】国際栄養士の給料
本当に多くの方から質問をされてきた国際栄養士のお給料について、
今回初公開いたします!!
恐らく、国際栄養士を目指すオンラインアカデミー「オルスタディ」でお話したことがあるくらいで、ここまでご紹介するのは初めてかと思います。
【JICAさんの給与テーブルを取り上げて】
※2022年度現在
国際協力といえばのJICAさんをご存じですか。JICA(ジャイカ)とは、独立行政法人国際協力機構の略称です。英語ではJapan International Cooperation Agencyの頭文字から来ていて、ODA(政府開発援助)の一環として、2003年10月に設立された独立行政法人、外務省の所管となっています。
今回は、JICAさん規定の「外部人材コンサルタント単価の一例」を基準に説明したいと思います。※本給与テーブルは適宜変更されていますし、案件によっても変わりますので、単に一例として引用したとご理解くださいませ。
■ 業務格付・標準経験年数・基準月額票 (円)■
特号(その都度決定)【1,498,000円】
1号(大卒23年以上)【1,418,000円】
2号(大卒18年以上23年未満)【1,244,000円】
3号(大卒13年以上18年未満)【1,104,000円】
4号(大卒8年以上13年未満)【906,000円】
5号(大卒5年以上8年未満)【712,000円】
6号(大卒2年以上5年未満)【632,000円】
注1)上の標準経験年数は、大学卒業者を基準とした年数であり、短大卒、高卒等の業務従事者に必要な経験年数については、個別に判断します。
注2)経験年数の起算は大学卒業翌年度の4月1日とし、公示日時点での年数 を経験年数とします。海外の大学等を卒業した場合においても、4月1日から起算する運用とします。
注3)継続契約にて業務従事者の追加や交代がある場合には、次期継続契約にかかる打合簿承認日が属する年度にて経験年数をカウントします。
注4)経験年数については、特定分野の業務経験だけではなく、関連する業務経験を広く認めることとします。また、大学院以上の教育・研究機関等に おける教育・研究経験についても経験年数として認めます。
※個別契約の個別業務分野の格付及び報酬単価は、上述の原則を踏まえ、契約交渉で確定します。なお、同一号の格付は同一単価とします。
【格付は何で変わるのか】
この格付けは、経験年数や業務内容によって、その難易度などで変わってきます。また、案件によって国内業務なのか国外業務なのか、報酬規程も紛争地域での業務なのかそうでないのか、などなどでも変わってきます。
また、同じJICAさんでも海外協力隊プログラムでの派遣(これは全くの別物という扱いになっている)なのか、草の根技術協力プロジェクトでの派遣なのか、技術プロジェクト(前述はこの基準)での派遣なのかでも格付以前に基本基準額がとても大きく変わってくるので注意が必要です。
【太田旭の格付】
現在、日本での栄養士経験は17年、国際栄養の分野での経験は10年です。
案件によってですが、経験年数からいうと3号・4号・5号あたりの格付けになるが、業務内容的には1号・2号も担ってきました。都度、その格付け業務にかかる工数(業務に従事する時間)をそれぞれ計算し、その総額を従事期間月で割った平均が、私の月給となります。
【企業・財団・NGOの場合】
企業・財団との契約(業務委託契約や顧問契約、アドバイザリー契約等)だと、内容は1号や2号のようなものでも、金額は5号から4号程度の場合が多いでしょうか。
ただ、これにもすごい幅があって、例えば同じ「財団法人格」であっても、組織によって週5日間勤務で月収25万円の場合もあれば100万円でご提示いただく場合もあるので、なんとも言えません。
NPOやNGOでも、月収12万円の場合もあれば25万円でご提示いただく場合もありました。
【組み合わせ方で月収は大きく変動】
突然ですが、わたしは価値ってお金だけではない!!と強く思っています。社会にとって必要だと思うこと、それに従事するために使うわたしの時間が、例え賃金になって私に戻ってこなくても、社会の価値となって世の中に廻ればいいとも思いつつ、、、思い切れずに「お金も生きるためには絶対に必要」だとも思っています。
だから、たまたま”社会への価値の創出”と”自分への賃金の創出”が同時にできない案件契約の組み合わせによっては、月給20万円代と低いですし、同時にできる案件契約が組み合わされた際には、月給100万円を超えるということもあります。
【どうしましょうね】
わたしは、自分の健康が守られ、大事な家族・友人の何かの時に力になれるような暮らしを送りたいと思っています。そためには、どれくらいの月収(または年収)が必要なのか考えています。
今のお仕事の組み合わせは、20代は世に捧げる時期、30代は自分への投資と挑戦の時期、40代は社会へのアウトプットの時期だと思って生きてきたことも関係していると思います。
さて、みなさんは?自分の人生をどう生きたいのか考えられますか?自分の時間とお金をどう使いますか??
【”食べていかれない”は嘘】
最後に、慈善事業は無償ボランティアのようなものと捉えられている方々も多いですが、昨今は慈善事業が創出する価値が見直されて、そこにお金を投資する組織や個人が増えてきていると感じています。
また、国際栄養の分野で得た経験やノウハウは、決して慈善事業や国際協力の枠に留まらず、ビジネスの世界でも活かすことができると思います。
「国際栄養士になるには!」なんて雑なことは言えませんが、もしも太田旭のような活動をしたいと思ってらっしゃる方がおられたならば、お金がなくてもなれるし、お金は稼いでいけるし、言っちゃうとお金の有無に関わらず幸せに生きれますこと、勝手ながら一報させてくださいませ。
※写真は火の鳥のモデルにもなったケツァールという鳥が描かれたお札。グアテマラ共和国のもの。なんと通貨名がケツァールという、そのまんまのお札です。この鳥、見ると幸せになれると言われている幻の鳥なんですって!私も何度か探しに行ったけれど、見れずに帰国してしまいました。。。
Posted by 太田 旭