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肺がんに対する放射線の照射頻度
肺小細胞がんの治療に入って今日で3日目。
抗がん剤1クール目の投与は今日で終わりで、当面は休薬して回復を待ちつつ、今回のメインの放射線治療に専念する。
俺の場合、進行の早い小細胞がんでありつつも限局型と呼ばれるⅡbのステージで治療に入れているのが不幸中の幸いと言える。欲を言えばリンパに転移する前に手術できていればかなり予後に違いはでたのであろうが、こればかりは仕方ない。昔、タバコ吸うんじゃなかった、とか、バイク乗るんじゃなかった、みたいなWhat Ifを言っても仕方ないし、それよりは去年末にふとCTを撮ってみてみようかと思った自分を褒めてあげよう。あとやっぱりメス入れるの怖いしね。
放射線治療に入る前により正確な照射範囲を確認するために、もう一度造影剤CTを撮った結果、ちょっと好材料があった。最初のCT/PETの結果を見る中でカンファレンスでちょっと意見が分かれたのが、左下葉の原発部分から左肺門のリンパ節の浮腫は間違いないとして、右の鎖骨部になにか怪しいものがあるような、ないような、という意見があった模様。それにより放射線の照射範囲が変わり、食道、喉への影響度が変わることになる。その為の改めての造影剤CTを撮る事にした訳である。
結果、右側に見えたものは前回よりも小さく映っているという事で、今回のがんの病変ではない、という結論になってくれた模様。良かった。
さて、この放射線治療に期待出来る効果としては下記の論文が一番近そうかな。最近は進展型小細胞がんの新薬に関する論文もいくつか増えているようだけど、限局に関しては進展型の薬の適用が出来そうとか、白血病に使ってるBiTe抗体の薬とかが使えそうとかあるけど、いずれにしても一次標準治療の効果が見られない場合の選択肢という位置づけなので、今のところは他に浮気せずにまじめに放射線君にバチバチに働いて貰うのがよさそう。
これまで小細胞がんの総論的なデータを見ると、1-2年で人生終わるのはちょっと早くて嫌かもな、と思ってたんだけど、この論文だと一日二回照射の場合で、2年生存率は47%、5年生存率で26%という事なので、肺がんにしてはまずまずと言っていいのかな?とは言え、中央値は23か月という事はもっと早い人もいる訳で、こればかりは何とも言えんね。あと放射線治療をしたけど結局は進展型に移行して、その他、諸々の抗がん剤を重ねての生存率なら、ちょっとイメージ違うかも。QOL低いままで生存期間を延ばすのは本意ではないので、セカンドラインの取り組み方は慎重に考えよう。
化学療法の 1 サイクル目から開始した 1 日 2 回照射の放射線療法は,1 日 1 回照射の放射線療法と比較して生存を有意に改善させた(log-rank 検定で p=0.04).追跡期間中央値約 8 年の時点で,生存期間の中央値は,1 日 1 回照射群で 19 ヵ月,1 日 2 回照射群で 23 ヵ月であった.1 日 1 回照射の放射線療法を受けた患者の 2 年生存率は 41%,5 年生存率は 16%であった.1 日 2 回照射の放射線療法を受けた患者の 2 年生存率は 47%,5 年生存率は 26%であった.1 日 2 回照射の胸部放射線療法では,グレード 3 の食道炎の頻度が有意に高く,患者の 27%に発現したのに対して,1 日 1 回照射群では 11%のみであった(p<0.001).
ゴジラも放射線浴びて強くなった?んだし、昔ではありえなかった精度での放射線治療なので、なんとか奏功してくれるといいな。
明日から休薬なので、吐き気止めもいったんお休み。副作用が軽く済みますように。