国を超えた「人間の理解」を読書が深める ALL REVIEWSメルマガ巻頭言特別編 vol.3
多くの皆様にご愛読いただいております、ALL REVIEWSメールマガジン。とうとうこの5月に、100号を発行することができました。これもひとえに毎週購読いただいている皆様のおかげです。改めて心より御礼申し上げます。
さて、このメールマガジンの巻頭には、必ず本にまつわる巻頭言が記されています。この巻頭言を執筆しているのは、ALL REVIEWSのファンクラブ「ALL REVIEWS友の会」の有志メンバー。執筆メンバーのことを知れば、よりメールマガジンも楽しんでいただけるのではないかと思い、100号発行を記念して巻頭言執筆メンバーのご紹介インタビューをお送りします。
第3回は、Fabioさんです。
聞き手:やすだともこ(ALL REVIEWS友の会)
8か国在住経験ありのサウナーです
ーーFabioさん、今日はよろしくお願いします! まずはお差し支えない範囲で、自己紹介をお願いします。
Fabio:過去8か国に暮らしてきた読書好きです。Fabioは本名でブラジル・サンパウロで生まれたので、ラテンの名前がついています。
ーー以前、友の会の定例会(※)で、海外のニュースサイトの書評や、英語のポッドキャストで本の情報を集められていると聞いて、ただただすごいなー、日本語以外が操れると本の世界も広がるなぁと、超尊敬しておりました。
Fabio:そんなそんな!どうもありがとうございます(笑) 仕事は海外ビジネス、イノベーション推進に携わっています。40代、サウナ―です。
※友の会の定例会
友の会の有志メンバーでお題(推し、ネコ 等なんでもあり)を決めて、オンラインで語り合う会。通常、月に1回開催されています。
ーーサウナー! 今ほんとにサウナ熱いですね。ぜひ定例会で語ってみていただきたいです。ところで、なぜ巻頭言を書いてみよう、と思われたんですか?
Fabio:文章を書くのはこれまでもずっと好きでしたので、「巻頭言チームに入ればもっとALL REVIEWSの運営に関わりを持てる!」と思いました。また巻頭言を書くことで、毎週のALL REVIEWSをしっかりと読む習慣がつきました。
ーー確かに私も巻頭言チームに参加させてもらうことで、よりALL REVIEWSを読み込んだり、本の魅力を伝えることをさらに真剣に考えるようになりました。
取り上げるジャンルは多彩。イチオシは回顧録
ーーFabioさんは、担当の週にとりあげる本の候補はいつごろ、どうやって決めていますか?
Fabio:毎回、巻頭言執筆担当の週に取り上げられている本の書評を一つずつ読んでいき、ピンときたものを選ぶようにしています。
ーーどんなテーマ・ジャンルを取り上げる事が多いですか?
Fabio:海外文学、世界史、政治史、回顧録を含むエッセイなどが好物です。仕事に関わりもあるので、イノベーションに関するビジネス書もよく読んでいます。
※Fabioさんが巻頭言でこれまで取り上げた本
ーー個人的には、Vol.102で取り上げられていたオバマ元大統領の回顧録の記事は、とても印象的だったんですよね。あ、回顧録面白そうって、とても惹かれました。
Fabio:回顧録、大好きでこれまでもたくさんの作品に触れてきました。複雑な政治劇や魑魅魍魎が跋扈するストーリー、面白いですよ!
※Vol.102のFabioさんの巻頭言はこちら
目指すは忙しい読者にもすぐ読んでもらえる巻頭言
ーー巻頭言はどんな読者を想定して書いていますか?
Fabio:本好きな方なら誰でも。あとはビジネスパーソンの皆さんにも読んでいただけるとうれしいです。
ーービジネス関連を取り上げることもありますし、“教養”のひとつとしてぜひ読んでもらえると嬉しいですよね。巻頭言の締め切りは月曜日ですが、いつも何曜日から書き始めますか?
Fabio:担当の週はできるだけ毎日書評を読んで、週末にババっと書き上げることが多いです。
ーー原稿作成時に、心がけていることはありますか?
Fabio:何度も読み返して、メッセージがクリアに伝わるかを気にしています。それと読者の皆さんは忙しい人が多いと思いますので、長くならずに一口で読めるような短さを意識しています。
ーー言いたいことを短く、でも読んでもらえるようなリズムと内容でってとても難しいですよね。それを実践できているFabioさん、すごいなーといつも拝読しながら思ってます。さて、なんでも書いていいといわれたら何を書きますか?
Fabio:その時の気分にあわせて、日本語と英語が入り混じった文学作品を書いてみたいです。
ーー巻頭言で連載小説とか、面白いかも! 月1回月刊誌の連載小説みたいに!
読書が人生に及ぼした影響は計り知れない
ーーそもそもFabioさんが本好きになったきっかけは何でしょう?
Fabio:幼いころから海外を転々としたので、いつも新しい環境になじむまで本が友人でした。そこから本を読むことの楽しさを覚え、読書が心の拠り所になりました。
ーー本好きであることが人生に影響を及ぼしたことはありますか?
Fabio:知識やスキルを得るのに止まらず、人間を理解するのに役立ってきました。仕事でも海外でビジネスをするようになると、相手国の作品を読んでいたことで意気投合できましたし、お互いの理解にもつながりました。
ーー他国の方々とのお仕事だと、文化の違いで大変なんてことを聞くこともありますが、行ったことのない国、触れたことのない文化でも、活字であれば簡単に触れられますもんね。なるほど!
Fabio:なにより相手へのリスペクトにつながったと思います。読書の影響は計り知れないと思っています。
誰にも読まれない!? 文章をコツコツ書いています
ーー好きな書評家さんはいますか?
Fabio:たくさんいます。特に鹿島茂さん、豊崎 由美さん、楠木建さん、出口 治明さん、桜庭 一樹さん、成毛 眞さん、トーキョーブックガールさん、鰐部 祥平さん、ミチコ・カクタニさんなどなど。
ーー今年1月には、テーマ本について語る“対談書評”「月刊ALL REVIEWS」の一部が書籍化されました。鹿島茂さんがホストで、楠木建さん、出口治明さん、成毛眞さんと、今名前の上がった書評家の皆さんの対談、とても読み応えがありましたね!
Fabio:今年の2月は、この『この1冊、ここまで読むか! 超深掘り読書のススメ』を、メンバーで巻頭言で連続して取り上げた(Vol.90,91,92)のも良い思い出です。
ーーさて最後に、ご自身でも執筆に取り組まれていたりしますか?
Fabio:文章を書くことが好きなので、エッセイ、小説、書評など誰にも読まれない(笑)ものをコツコツと書いています。
※Fabioさんのブログ
ーー誰にも読まれないって! ぜひここで、どーんと大きくリンクを貼って宣伝したいと思います(笑)今日はありがとうございました!
FabioさんのTwitterはこちら
このインタビューシリーズ、まだまだ続きます。お楽しみに。
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【「ALL REVIEWS 友の会」とは】
書評アーカイブサイトALL REVIEWSのファンクラブ。「進みながら強くなる」を合言葉に、右肩下がりの出版業界を「書評を切り口にしてどう盛り上げていけるか」を考えて行動したり(しなかったり)する、ゆるい集まりです。
入会すると、日本を代表する書評家、鹿島茂さんと豊崎由美さんのお二人がパーソナリティーをつとめる、書評YouTube番組を視聴できます。
友の会会員同士の交流は、FacebookグループやSlackで、また、Twitter / noteで、会員有志が読書好きにうれしい情報を日々発信しています。
友の会会員の立案企画として「書評家と行く書店ツアー」、フランスのコミック<バンド・デシネ>をテーマとしたレアなトークイベントや、関西エリアでの出張イベント等が、続々と実現しています。2020年以降はオンライン配信イベントにより力をいれています。
さらに、Twitter文学賞の志を継承した「みんなのつぶやき文学賞」では、友の会会員有志が運営にボランティアとして協力。若手書評家と一緒に賞を作り上げていく過程を楽しみました。
2021年2月には、鹿島茂さんとの対談6本をまとめた『この1冊、ここまで読むか!超深掘り読書のススメ』が祥伝社より刊行されています。
本が読まれない時代を嘆くだけではダメだと思う方、ぜひご参加ください。
ALL REVIEWS友の会Twitter:https://twitter.com/a_r_tomonokai
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