よだきんぼイズムとともに本の世界へより深く ALL REVIEWSメルマガ巻頭言特別編 vol.2
多くの皆様にご愛読いただいております、メールマガジン「週刊ALL REVIEWS」。とうとうこの5月に、100号を発行することができました。これもひとえに毎週購読いただいている皆様のおかげです。改めて心より御礼申し上げます。
さて、このメールマガジンの巻頭には、必ず本にまつわる巻頭言が記されています。この巻頭言を執筆しているのは、ALL REVIEWSのファンクラブ「ALL REVIEWS友の会」の有志メンバー。執筆メンバーのことを知れば、よりメールマガジンも楽しんでいただけるのではないかと思い、100号発行を記念して巻頭言執筆メンバーのご紹介インタビューをお送りします。
第2回は、本職のライターさんでもある山本陽子さんです。
聞き手:やすだともこ(ALL REVIEWS友の会)
巻頭言執筆は本の世界を深めてくれた
ーー山本さん、実は私、山本さんの優しい語り口のファンなんです! ……いきなり告白ですみません。今日はよろしくお願いします!
山本:よろしくお願いします!
ーーまずはお差し支えない範囲で、自己紹介をお願いします。
山本:宮崎県出身で、福岡住まいが大変長いライターです。読書以外の趣味は映画と呑むこと。体力には自信があります。ちなみに今の住まいは図書館に近いという理由で決めました。
ーー呑むこと! 以前、仕事で福岡出張のときは、仕事よりも夜どこで食べて焼酎呑むか、がとにかく楽しみでした。早く気兼ねなく都道府県境を越せるようになって、ALL REVIEWS福岡で集うオフ会ができる日がきてほしい……。ところで、「山本陽子」さんは、実名ですか?
山本:ペンネームはもったことがなく、憧れています。小学生のころのあだなは『やまも』でした。
ーー実名で勝負、ですね。巻頭言執筆に手を上げたきっかけは何だったんでしょう?
山本:hiroさんの書き込みを拝見したのがきっかけです。みなさん、楽しんで書いてらっしゃるのがいいなと思って、仲間に入れてもらいたいと思い切って挙手してみました。より積極的に本の世界に関わりたかったのもあります。実際、そうなっております!
ーー確かに、巻頭言執筆は本の世界に関わる、ひとつの新しいカタチですよね。
よだきんぼ、だけれど、担当週の記事はまめにチェック
ーー巻頭言の締め切りは4〜5週間に1回やってくるわけですが、本の候補はいつごろ、どうやって決めていますか?
山本:早くて締切6日~2日前ですが、だいたいギリギリです。早め早めの行動ができないタイプです。ここは宮崎県民ならではの “よだきんぼ” イズムが根付いているような。
ーーよだきんぼ?
山本:宮崎の方言で「面倒くさがりや」という意味ですね。先に「よだきい」という面倒だという言葉があり、面倒がってばかりの人のことを指します。
(母)「お風呂洗って」
(子)「えー、よだきぃ」
(母)「もうぃ、あんたはほんと、よだきんぼっちゃから」
みたいに使います。
ーーそういう意味なんですね。それなら私も “よだきんぼ” です(笑) 巻頭言では、どんなテーマやジャンルを取り上げることが多いですか?
山本:特に決めてはいません。担当週のAR(ALL REVIEWS)を毎日チェックして自分が読みたいもの、私でもお伝えできそうなものをチェックして絞り込みます。
ーー毎日チェック! 私も見習ってやってみよう……。書く時は誰か読者像を想定して書かれていますか?
山本:本が大好きなみなさん!という感じです。
ーー締め切り直前くらいに本が決まるという “よだきんぼ” イズムな山本さんですが(笑)ということは、書き始めは遅いと金曜日とか土曜日とか?
山本:あまり大きな声では言えませんが、金曜日ぐらいです。
ーー書くのが速くていらっしゃるんですね。さすが!
山本:毎回必死です(汗)
ーー巻頭言の原稿作成時に心がけていることはありますか?
山本:できるだけ最後まで読んでもらえるように、読んでよかったなと思ってもらえるようにと思っています。
※山本さんの初回執筆は2020年7月20日のVol.59
ーーなんでも書いていい、と言われたら何を書きますか?
山本:“推し”についてひたすら書いてみたいです。往復書簡とかもやってみたい。
ーー往復書簡! おもしろそう! 組み合わせ変えてやってみたいですね。
ママ友と読書会、地域貢献でも読書会。次は友の会で
ーーそもそもなんですが、山本さんが本好きになったきっかけは何でしょう?
山本:母が本が届くサービスを契約してくれていて、それが毎月楽しみでした。日本各地の昔話をピックアップした分厚い絵本は絵も素晴らしく、今も実家に全集のかたちで保管されています。
小学生のときは図書館に入り浸り、世界児童文学全集を1冊ずつ読みました。夜、親に隠れてお布団の中でライトを照らして読んでました。あのとき親のいうことを聞いていたら目は悪くならなかったかなとも思いますが、でもあれが本好きの私を生んだのだから、一概に悪いとは言えませんね。
ーー本はなかったら自分の人生は変わっていたかも。これは、ARに関わるみなさんが思っていることかもしれないですね。で、山本さんは本好きであることが実際に人生に影響を及ぼしたことはありますか?
山本:もちろん、本好きがきっかけでALL REVIEWS友の会にも参加できたのがうれしいです。
また、子どもをもったことでママ友ができたので、より深いおつきあいがしたいと読書会を立ち上げました。次に、住む地域にも貢献したくて公民館でも読書会を作りました。本のお陰でいろいろと語り合えるお友達ができたのは財産です。
また小・中学生の作文教室も主宰しているのですがゆくゆくは子どもたちと読書会をするのが夢です。友の会でもやりたいですね。小さな読書会からゆるゆると、いかがでしょうか。感想を言いあうだけとか、ARで取り上げられる本を読む前に予想するとか……。
ーー本が好きなAR友の会のメンバーでも、なかなか読書会、って実現しないんですよね。ハードルが高いのかな。
気軽な感じでいきましょう! ご賛同いただける方、お気軽にお声かけてください。
読み手として、書き手として
ーー話は変わって、好きな書評家さんはいますか?
山本:鹿島茂さん豊崎由美さんをはじめ、皆さん尊敬しています。余談ですが豊崎由美さんがどうしたらお酒を飲みながら途中で寝落ちすることなく、読書ができるか、そのヒントを話してらっしゃって、なるほどさすが!と感心しました。
ーーその答え、気になります。
山本:答えはゆっくり呑んでゆっくり酔っていくことなのだそうです。
ーーゆっくり、ですね。今度試してみよう。さて最後に、山本さんはライターをご職業にされていますが、今、書き手として取り組んでいるテーマは何かありますか?
山本:現在、気になっているのは子どもの権利に関することです。ほかに沖縄のさまざまな課題や文化、九州全域の人々の暮らしに興味があります。なかなか見えにくい世の中の課題をすくい上げて、読み物にして届けたいと思っています。こう言うと大変偉そうですね、すみません(笑)。
ーーいえいえ、偉そうだなんて(笑) これからも巻頭言はもちろん、お仕事での記事も楽しみにしております。今日はありがとうございました。
このインタビューシリーズ、まだまだ続きます。お楽しみに。
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友の会会員の立案企画として「書評家と行く書店ツアー」、フランスのコミック<バンド・デシネ>をテーマとしたレアなトークイベントや、関西エリアでの出張イベント等が、続々と実現しています。2020年以降はオンライン配信イベントにより力をいれています。
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2021年2月には、鹿島茂さんとの対談6本をまとめた『この1冊、ここまで読むか!超深掘り読書のススメ』が祥伝社より刊行されています。
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