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この世で2番目に美しい料理方程式の話

外出自粛とエンゲル係数が高すぎるダブルパンチから、4月終わり頃から自炊を始めた。

冗談抜きでエンゲル係数40%くらいある気がして、低所得者の代表みたいになってる。4月は初任給の日割り計算で、本来の初任給の半分以下しかもらってないから当たり前なんだけど。

それで、自炊を始めてみた訳だが、なんと、どうやら、料理の才能があるようだ。小さい頃から舌(腕ではない)には覚えがあり、味付けの加減、調味料のチョイスのセンスは天からのギフトらしい。

以下に書く内容は、自炊をもう何年もやってる人からしたら「何を当たり前なことを」と思うだろうが、自炊を始めて3日ほどで独学で真理に達したことは褒めてほしい。

経緯を説明する。

人生において、今までまともに包丁を使ったことがなかったので、初めは野菜を切るのに苦労した。が、そんなものはすぐに慣れる。元々手先は器用なので、大きさも形もそれっぽくなんとかなる。問題は、調理する順番、フライパンや鍋に具材をブチ込む順番が皆目分からないことであった。

クックパッドやInstagramの料理アカウントを見て、あとはとっくん(自分を大蛇丸と信じて疑わない一般男性)の動画を見てモチベーションを上げて、雰囲気でやってみると、なんとなく法則が見えてきた。まあよく考えたら自明なのだが、野菜は硬くて芯があるものから、調味料は下味用に入れるものから先に入れるのだ!!(もう超絶当たり前すぎて、何をそんな堂々と言っているのかと思うかもしれないが人間は初見の分野に対しては盲目になるものだと実感した)

自炊黎明期はとにかく一度にフライパンに具材をブチ込んでいたが、今考えると正気の沙汰ではない。肉に火はちゃんと通らない、野菜は芯が残ったまま、葉物はビチャビチャ。

しかし、日を追うごとに料理をする上でやるべきことが見えてきた。それは何のためにその工程を行うのか、何でその順序で物事を進めるのか、先に何を用意しておくと後々便利か、ということだ。物事には順序と意義があるというのは万物に当てはまる法則で、これを理解することで急激に自炊が上達した。一度この法則を理解してしまえば、あとはどんな具材だろうと、法則に当てはまれば解決が見えてくる。ナスは食感を残したいから大きく切って、最後に鍋に入れよう、とか、この料理においては味噌が主な味付けなので、最後の方で大目に入れれるように塩分のバッファーを設けておこう、とか。これらの真理に全くの無知から僅か3日足らずで達したという事実は自画自賛だ。5歳児が無人島に漂流し、全くの自力のみで、摩擦熱によって火を起こせるという事実に辿り着く奇跡に等しい。

自炊の何がいいって、自分の好きなように味付け出来ること。私は友達の家で料理を振る舞った時に1度、不味すぎて残してしまって以降、他人の家の料理が苦手になってしまった。それからというもの

母の味=最適の味付け・・・①

という等式が一層揺るぎないものとなった。

母の味付けはいつも自分好みにしてもらっていたので、

母の味=自分の味・・・②

という等式も成り立つ。よって、①②式より

最適な味付け=自分の味

というこの世で2番目に美しい等式が成立するのである(1番はオイラーの等式)。これが自炊の醍醐味であると思っている。

最後に、私の同期の田島慶人氏には、初めての自炊の際、多大なるご支援を賜り、自炊に目覚めることが出来ましたので、この場をお借りして謝辞とかえさせていただきます。


tk


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