「交通手段を維持する」 福島県沖地震で246便の臨時便を運航
最大で震度6強を観測し、1ヶ月近く新幹線が運転を見合わせるなど公共交通機関に大きな影響が出た今年3月の福島県沖地震で、ANAは被災した人たちの交通手段を維持しようと発生から半日後に福島・仙台と羽田を結ぶ便の運航を始めるなど、246便の臨時便を運航しました。
3月16日の深夜に福島県沖を震源として起きた地震は最大で震度6強を観測し、東北新幹線の一部の区間が1ヶ月近く運転を見合わせるなど公共交通機関にも大きな影響が出ました。
ANAは被災した人たちの生活の足を守ろうと、発生直後から被害の確認や乗員の手配などを行い、およそ半日後の17日午前11時に福島・仙台と羽田を結ぶ臨時便の運航を始めました。
発生直後は高速道路も通行止めとなっていたことから、航空機を利用する人が相次ぎ、特に福島や仙台から羽田に向かう便は、出張帰りの人たちなどで混雑しました。
ANAは東北新幹線の全区間で運転が再開されるまでのおよそ1ヶ月間、あわせて246便の臨時便を運航し、3万4500人あまりのお客様が利用しました。これは東日本大震災以降では最大規模の臨時便の運航となりました。
お客様からは「上司が臨時便のおかげで東京に戻ることができました」とか「相次ぐ地震で心のダメージが大きい中、関東圏への移動を確保してくれたことで安心することができました」といった声が寄せられました。
臨時便の運航にあたっては、ANAのオペレーションマネジメント部が乗員や機材の手配を行ったほか、ネットワーク部が国土交通省や空港との調整を担い、レベニューマネジメント部が航空券販売の諸準備を行うなど、部署を超えて対応を行ったことが、早い臨時便の開設につながりました。
オペレーションマネジメント部 田辺直美さん
「仙台や福島空港では自らも地震に見舞われているにも関わらず、スタッフが出勤して対応してくれました。深夜の地震発生から翌朝未明までの間にも、担当セクション間で綿密な連携や的確な引き継ぎがあり、イレギュラーに対応する力が身についてきていると感じました。臨時便は満席となるなどお客様のニーズに応えることができました」
ネットワーク部 高橋 直紀さん
「これまで地震や豪雨など災害が多く起き、多くの人たちが困っているのを目の当たりにしているので、より迅速な対応が取れたと思います。私たちには公共交通機関としての責務があると思っていますし、これからもお客様のニーズに合わせて、関係各所と密に情報を交換しながら対応していきたいと思います」
レベニューマネジメント部 石毛 宏さん
「定期便が運航していない路線で臨時便の販売を行うには、通常であればシステムの登録に時間がかかってしまいます。このため2021年2月に起きた福島県沖の地震の後から、あらかじめ登録を行なっていました。このことから迅速に航空券の提供を開始することができ過去の経験を活かすことができました」