見出し画像

『高専の学位問題』を巡る議論 ー 賛成派と慎重派の視点を深掘り分析

下記リンクの記事で取り上げた話題に対して、ソーシャルメディア上でみなさまから寄せられた声を分類してみました。

✅ 学位付与に賛成派

「高専が育成する学生の技術力や研究力を正当に評価したい」「時代の変化に対応するために必要」など、高専の地位向上や国際化を後押しする意見が目立ちました。

賛成ポイント
ー 国際的な通用性向上 (国際学術基準のAssociate Degreeなど)
ー 高専の教育レベル・内容に見合った評価
ー グローバル人材育成

  • 高専生・卒業生: 「海外留学したい」「グローバルに活躍したい」という思いから学位取得によるメリットに期待する声がありました。

  • 教職員・関係者: 学生が自信を持って国際的に学びの証明ができるようになることを希望するという声。高等教育機関である高専の内部で学位授与ができるようにしたいという意見も。

🚧 学位付与に慎重派

慎重ポイント
ー 現状の準学士称号で十分
ー 事務負担の増加
ー 費用対効果への疑問

  • 高専生・卒業生: 日本国内の高専卒の評価は高く、学位の有無で採用基準や待遇が大きく変わることはないと考える声がありました。

  • 教職員・関係者: 「学位付与のための事務手続きが増える」「制度設計が複雑」「費用対効果が見合わない」など、現実的な課題を指摘する声があります。

⚖️ その他

「準学士が学位じゃなかったことに驚いた」「卒業生だけど今まで知らなかった」と言う意見も、意外と多く見られました。

論点の分類

① 国際的な通用性: 留学や就職での国際的基準に基づく学位の必要性
② 高専の教育内容: 高専の教育レベルや内容の社会的評価
③ 制度設計・運用: 学位付与のための具体的な制度設計(法改正など)
④ 費用対効果: 学位付与に伴う費用と効果のバランス


ここからは、ソーシャルメディアXにてみなさまから頂いた反響をご紹介します。

✅ 賛成派の声

高専生たちが更に羽ばたけることを望んでいます。

今最もグローバル化が求められ、実際に進んでいるのが高専。にもかかわらず、卒業しても国際標準化された学位がもらえず、海外就職や留学の妨げになっているのは国家的な損失。

準学士をそのまま学位に昇格して、英語表記は短期大学士とおなじくAssociate Degreeでいいのでは。

本当に短期大学士と同等でいいの?それ以上では?

補足:四大卒の学士号取得には高専本科卒業後の積み上げ62単位取得要件がハードル

→「短大と同等の学位を授与しては?」 ホントこれですね。高校相当3年をやった後の残り2年間の意義をちゃんと与えて欲しいと思います。

学位がないと留学の障害にもなる。早期に整備されることを願う。

学位授与機構ではなく高専(専攻科)から学位が授与できるようになるなら良いと思います。

以前高専で働いていた者です。学位がないため就職したら高卒とお給料が同じになるという問題もありました。

🚧 慎重派の声

高専の目的は社会で通用する高度人材を育てることで、高専は学術的な機関ではないと思います。

高専卒への学位付与、別にいらないんじゃないでしょうか。

就職する場合、短大卒と高専卒での待遇に差はありません。国内においては学位が必要な場面はないと言って差し支えないです。

組織として学位を出すための審査・認定作業を考えると大変そうです。

⚖️ その他の声

本科卒に与えられるのは学位でなく称号になることは、意外と知られていません。

高専卒の準学士って学位じゃなかったの?!?!

「高専を5年間で卒業すると「準学士」が付与されますが、これは“称号“で、国際基準の正式な “学位“ではありません。」 知らなかった。

そもそも "Associate Degree"って海外で役に立つんですか? 海外は最低マスターがないと駄目なのではないでしょうか。

外国で高専卒業生のDegreeを聞かれる度に複雑な気持ちになる。毎回「Equivalent」という単語をつけて説明している。

高専卒は少なくとも短大卒と同じだと思っていた。我が子は高専へと思っていたが、卒業後に国を変えてとか色々したい時に不便だと困る。

高専卒が称号から学位に格上げされる日が来るのでしょうか。これから取る人に関係あるけど既卒の人には影響ない可能性も。

注釈: 個人のプライバシー保護のため、意味改変のない範囲でXでの投稿の表現を調整しています。

参考

NIAD-QE. (2017). 高等専門学校における学位制度の説明資料. 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構.

https://www.niad.ac.jp/n_gakui/dekigoto/no7_11_20170204_setumei.pdf


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?