絵カードを活用した効果的な練習
英語の指導では、絵カードを使うことが多いかと思います。
算数の指導では、おはじきやブロックのような半具体物を用います。絵カードは、外国語の指導における半具体物だと思います。ですので、効果的に活用することで指導の効果を高めることができます。
高学年の指導においては、絵カードだけでなく、学習の目的に応じて、デジタル教材を活用することもありますが、低学年や、中学年の指導においては、発達段階を考慮して、絵カードでの指導を行っています。
今回お伝えしたいことは、ただ絵カードを見て、ALTの発音を聞いて反復し、言葉を暗記するだけでは、言語として使えるようにならないということです。
このことは、学習指導要領外国語科の目標にも示されています。
「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力」の育成を目指す。
このように、自分の気持ちや考えを伝える言語活動を通して、コミュニケーションとして活用できるようにしていきます。
私は、絵カードを活用した練習の場面において、以下の工夫をしています。
・カードの数を検討する。
→語彙は、子どもの実態に応じて、言いたくなるであろう語彙を8-10枚選びます。
・絵カードを提示する順番を吟味する。
→児童にとって理解しやすい、発音しやすい、または、カタカナを頼りに理解しやすい絵カードから順に提示します。分類して提示することもあります。
・文字を指差して、音に合わせて指をスライドさせることで、音と文字の関係を意識させる。
→こつこつ続けると、子どもたちは、英語を読めるようになっていきます。
・児童の知識と結びつける。
→カタカナや、歌や映画、ゲームなどで、児童が見聞きしているであろう英語と結びつけて説明し、記憶に残るようにします。
・その言葉を学ぶことでどのようなやり取りができるようになるのかを理解させる。
→絵カードの言葉だけを指導するのではなく、表現を活用して、自分の気持ちや考えを伝える手段として指導する。会話をイメージしながら練習します。
例)blue、yellow、pink
→ I like blue. Nice! Me, too!
好きな色が同じ友達を見つけられるね。
・自分にとって言えるようにする言葉と聞いてわかれば良い言葉を意識させて練習する。全部一度に覚えさせるのではなく、活動を通して身につけていけるようにする。
→好きな色ははっきりと言えるようになろう。あとの色は聞いてどの色か分かればいいね。
・自分の気持ちや考えを伝える言い方を考えさせる。
→「何と言えば良いのかな」と、自分に置き換えて考える習慣をつけます。黒板に提示していつも意識させています。
・教師とやり取りをして、良さを褒める。
→その表現語彙を使ってやり取りをし、ちゃんと伝わった。という自信につなげます。
・ペアで伝え合いをする。
→相手の気持ちや考えを聞き、理解をしたり、相手意識をもって自分の気持ちや考えを伝えたりすることで、会話に慣れるようにします。
今回は絵カードを活用した練習の場面についてお伝えしました。皆さんの指導実践の参考になれば幸いです。