偏愛ステートメント、クラフトジン編
自分の好きなものを書きまくり、「こういうものが好きだ!!」と宣言する偏愛シリーズ。セルフケアというほどではないが、ポジティブな感情の棚卸しで自分の輪郭を取り戻す時間を兼ねている。第二弾は、ずっと書きたかったクラフトジンにしてみる。
▼第一弾の銭湯はこちら
そもそもクラフトジンとは
今まで色んな人にクラフトジンの話をしてきたが、ほとんどの人はそもそもクラフトジンがどんなものかわからない。コミュニティにもよるが、体感80%くらいの人が該当する。思えば私も好きになるまでは、ジンはほとんど飲んだことなかったし、馴染みも薄かった。
残りの20%くらいのお酒好きな人は大体、ビールのクラフトビールみたいな感じで、ジンはクラフトジンですよね、といったレスポンスをしてくれる。まさにそんな感じである。
クラフトジンは明確には定義がないが、作り手のこだわりをもって作られた、個性の強いジンである。音楽や映画に例えるなら、インディーズ作品のような感じ。
インスタ広告でHOLONに出会う
今となっては身内のコミュニティでは「クラフトジンといえば私」、くらいの認知をとっているが、出会ったのはつい1年半前だった。好きの気持ちに時間は関係ないけどね。
当時、ふとインスタを見ていたら、クラフトジンのHOLONというブランドの広告に出会った。クラフトジン、という響きの美しさに、なんだか頭から離れなくなった。ビールでいうクラフトビールみたいな感じで、個性的なジンなんだろうな、とすぐイメージがついて興味津々だった。
広告コピーがとても素敵だったので、まずHOLONを飲んでみたいと思った。
銭湯・サウナ愛好家としては、ととのう、と言われると気になってしまう。それにハーブやスパイスも好きなので、どんな感じなんだろうとワクワク。1本5,000円ほどでまあまあお値段が張る。2本同時に注文すると送料無料だが、初めて買うのにいきなり1万円ベットするのも怖かったので、インスタで一緒に買ってくれる人がいないか聞いてみた。
ダメ元であんまり期待してなかったのだが、大学時代のサークルの先輩が立候補してくれた。探してみるものだな、とつくづく思う。その後すぐ注文した。先輩にHOLON渡すついでに食事に行ったのだが、そこで割るならトニック、トニックウォーターが好きすぎてそのまま飲んでいる、という話を聞いた。
ジントニックとはよく聞くけど、"トニック"部分のトニックウォーターはよくわかってなかった。炭酸水に砂糖や柑橘の皮、ハーブなどを加えたもの。こちらもHOLONと同じように興味津々だったので、届いたHOLONはぜったいジントニックにしよう、と決めた。
トニックウォーターは、最寄りのスーパーでカナダドライを購入。早速HOLON 3 : トニックウォーター 7、くらいで割って飲んでみた。HOLONは35度あるのでドキドキしていたが、今思うと、割ったら10度台だし大したことはなかった。
想像よりアルコール感は強くない。口いっぱいに広がるハーブやスパイスの柔らかい香り…なにこれ凄く美味しい、こんなに飲みやすくていいんですか、と誇張なく感動した。初めて飲んだのがHOLONで良かったし、今でも大好きなので常時キープ・ストックしている。そして、我が家にきた人にジンを振る舞うとき、初めてのクラフトジンにおすすめ、と太鼓判を押して飲んでもらっている。
クラフトジンの魅力
そんなわけで色々クラフトジンが飲めるお店を回ったり、いくつか買ってみたりで、開拓を続けてきた。気が付いたら大好きになっていた。
思うに私がクラフトジンを好きな理由は、こんなところだ。
香りづけは基本ボタニカルだが、入れようと思えば何でも入る
そのためか、発想がぶっとんでいる銘柄も多くて開拓しがいがある
生産地のボタニカルが多く、地域の特徴を感じられる
※ボタニカル…スパイス・果実・ハーブなど
隕石からお菓子から切干大根まで入る
クラフトジンは香りづけにボタニカルを使うのだが、今まで見てきた感じ、もうなんでも入ると言っても過言ではない。
オーストラリアのクリスマスジンは、クリスマスプディング。北海道の紅櫻蒸溜所9148は、切干大根。佐賀県の想 OGIGINは、羊羹、そして海苔も入っている。また、香りはしないだろうが、ベルギーのムーンジンは月の隕石(NWA 8277 Lunar)を漬け込み、蒸溜している。
ジンにはまる前は日本酒が好きで色々飲んでいたのだが、基本的には原料は米のみだ。今も好きだし飲むのだが、クラフトジンは入れようと思えば、ボタニカル以外も色々入るだけに発想が刺激的だ。
美味しいジンを飲みたい、とは別の軸で、面白いジンを探したいという思いがある。お店にいくと、珍しい銘柄をリクエストして出してもらったり、発掘したりするのも楽しみの大部分を占める。
生産地のボタニカルに思いを馳せる
銘柄によるが、フィンランドのジンにはエルダーフラワーやリンゴベリー、イギリスのジンには薔薇が入っていたりする。また、国内なら山梨のジンにはブドウの皮、北海道のジンには日高昆布や椎茸が入っていたりする。
香りづけに使うボタニカルや材料で、その土地の特色と香りを感じられるのがこのうえなく楽しい。私は旅先でもよく、この土地でジンを作るならボタニカル何にしよう、など考えて楽しんでいる。
飲める香水。BEL AIRがいちばん好きなジン
さまざまなクラフトジンを飲んできたが、私のなかでいちばん特別な銘柄はBEL AIR。フランスのパリ唯一の蒸留所で作られたジン。中目黒のAntonicという大好きなジン専門店で出会う。お店の人と話していて「飲める香水」とおすすめしてもらったのがきっかけだった。
香水好きな身としては、飲める香水はキャッチコピーだけで何杯か飲めるくらいには胸に刺さってしまい、もちろん注文した。ひとくち、口に含んでみる。甘美で上品な香りと口に広がる奥行の味わいに、メロメロになってしまった。本当に飲める香水だ、と思った。
調べてみると、入ってるボタニカルはこんなところらしい。マンゴーやパッションフルーツでエキゾチックな感じもある。
生産地がフランスであることも、特別であると感じる大きな理由だと思う。大学時代にフランス語をしっかりめに勉強したり、パリも何度か訪れたりもして。フランスというとワインのイメージが強かったので、心動かされるジンに巡り合えたのは何かのご縁だと思った。
余談だが、お酒が好きな後輩の会社で取り扱っている、と聞き、そんなことでもさらに縁を感じている。
クラフトジンが楽しめる、お気に入りのお店(東京)
私は色々な銘柄を開拓したいので、購入するよりもお店に飲みに行くことが多い。東京しかお店に行けていないが、お気に入りのお店を紹介する。
好きなお店はキリがないので、比較的アクセスが良い・入りやすい雰囲気・種類をたくさん置いている、この3要素を満たす4店に絞った。
Antonic(中目黒)
FORRESTER(中目黒)
虎ノ門蒸留所(虎ノ門)
THE DAY FOOD LAB(高円寺)
Antonic(中目黒)
中目黒のAntonicは、お気に入りの銘柄のBEL AIRに出会ったお店。一緒にHOLON買ってくれた先輩に教えてもらった。そして初めて、ひとりでバーに行った記念のお店でもある。
中目黒のバーというと、なんだか敷居が高そうに思えるかもしれないが、カジュアルで入りやすい。世界中のジンを120種類以上揃えている、ジントニック専門店。人にクラフトジンが飲めるお店を紹介するとき、真っ先に名前をあげる。種類が多いし、スタッフさんも優しく教えてくれるので、初めての人にもおすすめ。
スタッフの方もジン好きで詳しいので、ひとりで行っても色々ジンのこと教えてもらったり話したりできて楽しかった。写真は私が期間限定メニューで気になって注文した、ペニンシュラホテルが作ったオリジナルのジン。
吟醸粕取焼酎という、酒粕を蒸留した焼酎をベースに、ホテルで使われたマンゴーのワタや種がボタニカルに入っていると聞いた。日本酒好きな身としては、まさか大好きなマンゴーと組み合わさるという発想がなく、心惹かれて飲んでみた。詳しい風味は忘れてしまったが、とても美味しかった記憶がある。もう一度飲みたい。
また、メニューがインスタになっているのも楽しい。
スクショの上部はストーリーをまとめたハイライトになっていて、「Fruity」「Spicy」「Woody」など風味からジンを探すことができる。下部は銘柄ごとに1行使っていて、視覚的にもとても素敵だ。
投稿にはそれぞれのジンの産地・特徴・ボタニカルが書いてあり、ジンの勉強になる。お店に行かなかったとしても、ジンの銘柄を色々知りたい人には間違いなくおすすめのメニューアカウント。
FORRESTER(中目黒)
中目黒のFORRESTERは、私が職場でクラフトジンが好きなことを熱く語りまくり、興味をもってくれた先輩と一緒に開拓したお店。カレーをメインにスパイス料理が楽しめるのだが、クラフトジンもかなりの種類がある。そして店主さんクラフトジン大好きなので、話しかけると色々話したり教えてくれたりする。
FORESTERで飲んだ思い出深いジンは、ジントニックの世界大会で優勝したキュロ(フィンランド)。クランベリーがメインのボタニカル、トニックと相性良いのも納得。後にボトルで購入する。
そしてお店の人に「とっておきのください」とリクエストして出してもらった、ファニータ(メキシコ)。とうもろこしベースのスピリッツに、バジルやバラの風味が美味しかった。ボタニカルの組み合わせが珍しい。
それ以外にも、青リンゴやマテ茶のジンを飲んだり、こちらでは色々とお世話になった記憶がある。また、クラフトジンたくさん置いているお店はバーがメインで一緒に食事とれないことが多いが、こちらはしっかり食べることもできるので人と行くのに使いやすい。
虎ノ門蒸留所(虎ノ門)
虎ノ門蒸留所は、店内で蒸留されたジンを楽しめる蒸留所併設のお店。COMMONというシリーズのジンを堪能することができる。ビルの中の蒸留所、というアーバンな印象そのままに、インダストリアルで剥き出しな感じの雰囲気がテンションあがる。
ちなみにこちらもFORRESTERと同じく、食事がしっかり美味しいので人と行くのに使いやすい。
虎ノ門蒸留所は「東京で作る、新しい日常酒」をコンセプトにしている。ボタニカルも東京でとれたものを使ったり、蒸留や仕上げにには奥多摩源流や、青梅沢井の湧き水を使っている。ローカルの素材使って作っているのがとても好き。
確かこちらでは、無花果のジン・不知火と紅はっさくのジン・とちおとめのジン・青梅の梅のジン、あたりをいただいた気がする。どれもボタニカルのの風味が豊かで収穫した地思わせながらもスッキリしていて、東京らしくスマートにまとまっている。まだ試せていないが、ぶどう山椒・みかんの花・月桃とパッションフルーツ、あたりも気になっている。2回行ったが、3回目もまた行きたい。
ちなみに食事は「酒食堂」と謳っているのもあり、ちょっとレトロな感じもイイ。アジアンえびせん、ピーマンと肉味噌、アジフライを食べて美味しかった記憶がある。
THE DAY FOOD LAB(高円寺)
高円寺のTHE DAY FOOD LABは、お洒落な雰囲気のダイナー。ビストロ料理をベースに季節の素材を使った創作料理とともに、30~40種類のクラフトジンや、いくつかのクラフトビールも楽しむことができる。大学時代の友達にクラフトジンの話をしたら、このお店が良かったと教えてくれて一緒に行った。
いただいたジンで強烈に覚えているのは、焼きピーマンと燻製パプリカのジン。アンクル ヴァルズ ペッパード ジン(アメリカ)。ボタニカルにこんなにしっかり、野菜が入ってるジンは多くないので衝撃だった。焼きや燻製の深い香りがして、美味しかった気がする。
料理もどれも手が込んでいて、しっかりグルメを堪能できる。訪問時には食べられてないが、フィリーチーズステーキサンドが目玉みたいなのでまた行く機会があれば食べてみたい。ロールパンにステーキやローストした玉ねぎ、チーズをサンドしたもの。
ジンライフ謳歌に向けて、今年の目標
今年はより一層クラフトジンライフを謳歌するために、このあたりをやっていきたい。
新しく100銘柄を開拓をする
自分でオリジナルのジンを作る
ジンのカクテルを研究する
新しく100銘柄を開拓する
最近は好きなジンを繰り返し飲むことが増えてきたので、もう少し色んな種類のジンをテイスティングしていきたい。決めで、新しく100銘柄を開拓したい。
多そうだけど、頑張れば達成できそうなライン。私が行きつけのクラフトジンのお店だと、100種類くらいあって3種類飲み比べができる。1回訪問すると3セット分くらい頼むので、そこで10種類はいける。そのお店以外も、1回訪問で5種類くらいは飲んでいる。
自分でオリジナルのジンを作る
お酒好きな友達やバーで知り合った人たちと話していると、たまにジン自分で作ってる人がいる。意外と簡単に作れるみたいで、ベースはシンプルでまあまあ度数の高いウォッカを使う。
そしてジュニパーベリーを入れて、あとは好きなボタニカルや材料を入れて漬けておくのみ。友だちは八角など好きなスパイスを入れていたし、バーで話した人は紅茶のティーバッグをたくさん入れている、と言っていた。ネットでもオリジナルのジンを作っている人のコンテンツが色々あって楽しい。
自分で作る時は何を入れよう。何を入れても良いと思うと、ちょっと迷ってしまう。シンプルに味の好み追求と珍しいものを入れて作る好奇心探求、2路線でやってみたい。
最近はフラワージンに興味があるので、食用のお花を入れてみようかな。あとは梅干しが好きなので、シソと一緒に入れてみたい。珍しい材料だとなんだろう。真っ先に浮かんだのはハリボーだけど、ウォッカにハリボー漬けるはジンじゃなくてもよくやる方法じゃん、とセルフツッコミした。
ジンのカクテルを研究する
ジンを飲むときの割材は、基本トニックたまにソーダなのだが、他にも美味しい割材は色々あるはずだ。前に友達に教えてもらった、ピンクグレープフルーツも美味しかったのでジュースも擦れる。
あと、たまに見かけるジャスミンティーのカクテルも気になっている。先日、茶割という100種類のお茶割りが飲めるお店にいってお茶割り熱が高まっているので、試したいお茶が色々浮かんでくる。ミルクティー、ほうじ茶、抹茶、緑茶、炭酸紅茶、ウーロン茶、…。大人の自由研究をしたい。ジン固定してお茶数種類試したり、今度はお茶固定して色んなジンを試したりして。
あとはAntonicに影響を受けているのだが、完成したカクテルにドライフルーツを添えるのが素敵なのでやってみたい。自宅で色々研究してレシピ体系化したりして、人に振る舞ったらさながらバーみたいだし、美味しい組み合わせがあったら発信してもよさそう。
クラフトジンを飲んでみよう
なかなかクラフトジンは置いてるお店が限られるのだが、一度ドアを叩くと広がる世界が待っているので、まずはぜひ飲んでみてほしいと思う。お店はこの記事で紹介したところはおすすめ。
近くにお店がない場合は購入することになると思うが、まずはHOLONは多少お値段張るけど外れないので安牌だと思う。その次は京都の蒸留所が作ってる、季の美も飲みやすいのでおすすめ。サントリーの六も、最寄りのスーパーにあったので比較的入手しやすそう。
もともとの知り合いでクラフトジンが好きな人は限られるので、今後も布教にコミットしてクラフトジン好きな友達を増やしたい。あとはジン好きな人がいそうな場にいって輪を広げるとか。クラフトジンの行きたいお店も溜まっている。色々やりたいことが出てきて、今とってもワクワクしている。
美味しかった銘柄やお店の情報、いつでも募集しています。
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