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【Book Recommend 10】Klara and the Sun

こんにちは、Allexです。


Kazuo Ishiguroの作品紹介シリーズ6冊目は


Klara and the Sun
by Kazuo Ishiguro


です。

2021年3月、コロナ禍での出版だったので
よく覚えています。
2020年から1年間ずーーーーっと待ち続けていた
待望の新作でしたから。(もう3年も経つなんて、早いなぁ笑)

邦題は「クララとお日さま」。
ノーベル賞受賞した後の発表作となり
いつもは日本での洋書発売は海外より遅くなるのに
世界同時発売でした。

楽しみに待っていた本ですが、
最初は仕事の疲れもあり、いつも通りのスローペースでちびちびと読み進めていましたが。


1/3ほどを過ぎたあたりでストーリーがよく見え始め、
読みやすさも出てきて、一気に爆速モードに(笑)
停滞していた100ページ目あたりから2日間で200ページを夜中までかけて読み切ってしまいました。


ノーベル賞を受賞するもっと前から
カズオ・イシグロのファンだった私にとってそれまでの一番好きな作品は
The Remains of the Dayでしたが

この本が一番トップに来ました笑
本当に良かったし
好きだったし
オススメします📚


もともと児童書向けの絵本にするつもりだったと言うだけあって、ストーリー自体は単純に読める展開です。
その設定こそ、大人向きに書き直されていて
遺伝子操作や人工知能、教育格差や命の尊厳が散りばめられているけれど
途中からかなり読みやすいなと気付いたのは
ひょっとしたらそのせいだったのかもしれません。

ネットや色んな評論家がこの作品について語っている難しい話は置いておいて。

単純に、私はKlaraを始めとする登場人物達が好きでした。

🌞🌞🌞


遺伝子操作や教育格差によるいじめの話も出てくるので
人によって好き嫌いが分かれるかもしれません。
Never Let Me Goが好きじゃない人は
おそらくこの本も好きではないと思います。
逆にNever Let Me Goが悲しい物語であったけどカズオ・イシグロの世界観が現れていて良かったなと思う人は
この本はとってもオススメです🌞


🌞🌞🌞

彼が最初にこの本を児童書向けに書いて娘に読ませてみたら、
「こんなの子ども向けの本じゃない!トラウマになるわよ!」と驚愕された為、大人向けの小説へ書き直したというエピソードを知っていれば

なぜKlaraがthe Sunには特別な力があると信じていて、ただの太陽に願いを託そうとするのか、
その太陽の光と遺伝子操作により弱っていたJosieの病気を回復させようとすることと、なんの関係があるのか

それが「児童書向けの絵本にするつもりだった」という名残じゃないかなと勝手に思っています。

ハッピーエンドの小説ではないし
ハッピーエンドの小説とは程遠いけど
この本を読めたことが嬉しくて
Never Let Me Goの時以上に
大号泣して最後はボロ泣きしながら読みました笑😅


Never Let Me Goの時と同じくらい
ラストは衝撃的な結末で
唐突で、びっくりして、本当に切なかったです。


Rickの
“Look, if you ever need my help, you just say, okay?”
のセリフがあったからこそ。

最後のManagerとの会話が
切なくて、寂しくて、悲しくて
せつない、寂しい、の感情のループ。

皆、それぞれの道に進んでいったんだなぁと。

それぐらい最後のManagerとKlaraの会話のシーンは
切ないけれどラストにふさわしいシーンとなっていて、大好きでした。


個人的に、Rickが一番好きなキャラクターでした。
何度も何度もKlaraを助けてくれて、
Klaraを信じてくれた。

Klaraがあの日、あのお店の中から見ていた
the Coffee Cup Ladyとthe Raincoat Manのような未来がRickとJosieに訪れても訪れなかったとしても

Klaraがそうやって、お店の中から
道ゆく人を見ているのが
とても好きでした✨


お読みくださり、ありがとうございました。

カズオ・イシグロの大ファンということを
母が覚えていてくれて、新聞に載ってたよーと
わざわざ写真を撮って送ってくれました
赤い色が目印🩷

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