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最適な喘息吸入器の選び方とおすすめまとめ

いつき博士です。
アレルギー患者教育向けサイト
を運営しております。

吸入薬喘息治療において
欠かせない存在となっていますね。

治療の質を高めるために
これまでにたくさんの吸入器
開発されてきました。

今回は吸入器に注目して
解説してみたいと思います。

自分が使っている吸入器を
改めて確認しましょう!


0.喘息における吸入薬とは?

そもそも喘息とは
空気の通り道である気道
炎症を起こしてしまっている状態です。

炎症の腫れにより気道は狭くなり
ゼーゼーヒューヒューという
呼吸が苦しい状態が続きます。

このような気道の状態に対して
吸入薬は①炎症を抑える作用
②気管支を拡げる作用
により
局所的に効果を発揮してくれます。

現時点ではドラッグストア・薬局で
販売されている吸入薬はなく
医師の診断のもと処方を受ける必要があります

1.吸入薬のタイプは?

吸入薬のタイプは2種類 に分かれます。

1-1. エアゾール

吸入器内の薬を噴霧し
それを吸い込むタイプです。
ゆっくり深く吸うことが大切です。

ex:フルタイドエアゾール

1-2. ドライパウダー

吸入器内にある粉末を
自分の力で吸い込むタイプです。
勢いよく吸うことが大切です。

ex:フルタイドディスカス

2.吸入器の種類一覧

吸入器のタイプは3種類あります。

2-1. pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)

 エアゾールタイプです。
 吸入力を必要としないため
 緊急時や人工呼吸器装着時でも使用できます。

ex:メプチンエアー

2-2. SMI(ソフトミストインヘラー)

 エアゾールタイプです。
 透明ケースを回転させて薬をセットします。

ex:スピリーバレスピマット

2-3. DPI(ドライパウダー定量噴霧器)

 全部で9種類のタイプが存在します。
 粒子系の大きさ
操作の簡便性などで
 使い分ける必要があります。

ex:レルベアエリプタ

使用されている製品がどの吸入器なのかを
確認いただけるよう一覧にしました。

代表的な吸入器/製品名 一覧

3. 吸入器使用時の注意点

3-1. pMDI(加圧噴霧式定量吸入器)

●アルコール含有の製品があるので
 アルコール過敏症の方は注意が必要です。
●噴霧と吸入の同調押す力が必要
補助器(スペーサー)の使用で対応可能


3-2. SMI(ソフトミストインヘラー)

●透明ケースを回転させる操作が必要
●故障の原因になるため、回転させ過ぎない


3-3. DPI(ドライパウダー定量噴霧器)

ディスカス、エリプタ

ex:アドエアディスカス

●乳糖が含まれているため、1回吸入量が多い
むせやすいため注意が必要。
 また、牛乳アレルギーの方は注意。
 口の中を潤してから吸入しましょう。
●ワンアクションのため操作簡便


タービュヘイラー、ツイストヘラー

ex:ブデホル吸入粉末剤

●粒子が比較的小さく、1回吸入量が少ない
→むせにくい
タービュヘイラーは吸った感覚を自覚しにくい
ツイストヘラーはロック機能あり終了時が明確


ハンディヘラー、ブリーズヘラー

ex:アテキュラブリーズヘラー

●シートからのカプセルの取り出しが必要
●カプセル誤飲のリスクがある


4.いつき博士の考察

今回は吸入器に注目し
まとめてみました。

各種薬剤について
メリット、デメリットがあるため
患者さん個々に合わせることが重要です。

日本のある医療機関の調査(*)では
ご高齢の方はpMDIの使用頻度が高く
DPI使用時のミスが多いこと
指導を重ねるとミスが減ること
が報告されています。

お子さんが使用する場合や
ご高齢の方が使用される際は
サポートしてもらえる環境なのか
その点も考慮することで
より最適な吸入器の選択ができそうです。

吸入器を正しく使用できていないこと
喘息コントロール不良と相関していることも
過去の報告から示唆されています。

効果が得られなかったときでも
まず正しく吸入が行えているか
評価が重要となりますね。

薬剤師の指導をしっかり受けて
不明点や不安な点があれば
薬局で確認するようにしましょう!

吸入レッスン動画もありますので
こちらも参考にしてください!
http://www.kyunyu.com/Public/menu

<参考文献>
医学のあゆみ Vol261 No.3 2017 喘息・COPD吸入治療の新しい展開
*Osamu Usami et al. Medicine (Baltimore) 2022 Sep 2;101(35):e30238
 PMID:36107520