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リンデロンシリーズの違いを解説

薬剤師のいつき博士の勉強記録

いつき博士です。
アレルギー患者教育向けサイトを運営しております。

『リンデロン』

アトピー性皮膚炎で悩んでいる方以外にも
1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

リンデロン軟膏(orクリーム)には4種類あり
それぞれ強さや効果が異なります。

リンデロンは医療用だけでなく
市販薬として購入することができます！

今回はそれぞれの違いについて
勉強していきましょう。

1.リンデロンの種類と強さ

リンデロンはステロイド外用剤で
(DP・V・VG・A)の4種類存在します。

VGとAは抗生剤が含まれており
一般的に細菌感染を伴う炎症の際に使用されます。

【含有成分】
・DP：ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
・V：ベタメタゾン吉草酸エステル
・VG：ベタメタゾン吉草酸エステル＋ゲンタマイシン硫酸塩
・A：ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム＋フラジオマイシン硫酸塩

ステロイドのランクは
DP ＞ V ＝ VG  ＞  A
となっております。

ステロイド外用剤は5段階に分かれており
Very storong以上は医師の処方箋が必要です。

また、専門的な話ですが
DPはプロピオン酸エステルの側鎖を持ちます。

この側鎖がグルココルチコイド受容体親和性を
高めていると示唆されています。

2.特徴

ランクを確認したうえで
それぞれがどんな症状に
用いられるか確認しましょう。

2-1.リンデロンDP

リンデロンの中で
一番強い成分を含有したものです。

重度の皮疹、虫刺されにも用いられます。

主に手足や体幹に使い
顔への使用は避けましょう。

剤形は軟膏・クリーム
ゾル(ゲルより液状のもの)があります。

2-2.リンデロンV

中等症の皮疹や円形脱毛症、
赤みや痒みにも用いられます。
耳にも使用可能です。

剤形は軟膏・クリーム・ローションと
時期や部位によっても使い分けることができます。

2-3.リンデロンVG

ステロイド以外に抗生剤を含んでいます。

化膿している際などに
炎症止め + 化膿止めという効果が期待されます。

ちなみにニキビには効果はないため
適した薬を選択しましょう。

2-4.リンデロンA

ステロイドのランクは正式な分類はなく
眼や耳などに使用できることから
一般的にはweakとされています。

眼の細菌感染を伴うもしくは可能性のある炎症
耳の炎症、鼻の痒み・赤みなどに用いられます。

3.ドラッグストアでリンデロンを購入できるのか？

3-1.リンデロンDP

市販ではvery storong以上の
ステロイド外用剤は購入できません。

そのため、基本的には
医療機関への受診が求められてきます。

3-2.リンデロンV

市販薬でもリンデロンVSが存在します。
これはリンデロンVと同じ量の成分が含まれた
スイッチOTC医薬品です。

そのため、リンデロンVを使用していて
病院へ行く時間のない方は
こちらで様子を見ても良いでしょう。

3-3.リンデロンVG

全く同じ成分を含んだものは
市販では購入できません。

市販薬の中に類似の市販薬があります。

①ベトネベートN軟膏AS
有効成分：ベタメタゾン吉草酸エステル＋フラジオマイシン硫酸塩

②フルコートｆ軟膏
有効成分：フルオシノロンアセトニド＋フラジオマイシン硫酸塩

どちらもステロイドと抗生剤を含有していますが
前者は同成分のステロイドが含まれます。

また、抗生剤はどちらもリンデロンVGとは
同じ系統のものが含まれています。

より近いものは①ですが
②は価格を安く購入できます。

3-4.リンデロンA

市販で購入できるステロイド外用剤で
眼に使用できるものはありません。

同じような薬が欲しい
場合も受診勧告となります。

ただ、眼の周りに使用できる市販薬もあります。

ステロイドではないですが
キュアレアなどは目の炎症に用いられるため
使用の際は薬剤師に相談しましょう。

4.いつき博士の考察

リンデロンシリーズについて
勉強していきました。

リンデロンを使用している際に
重要なことは以下の2点と考えます。

①どのランクを使用しているか
②適した部位に使用できているか

リンデロンシリーズは
それぞれでステロイドのランクが異なることから
同じ名前でも注意して使用しましょう。

また、化膿している部位には
ステロイドのみの軟膏は不適切です。

ドラッグストアなどで購入する際も
リンデロンだから同じ成分とは思わず
しっかりと症状にあった使用方法をしましょう。

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