『教える』ではなく一緒に『考える』無料学習会|認定NPO法人キッズドアに訪問。困窮家庭の子どもたちへの教育支援
こんにちは!オールコネクト広報です。
先日、認定NPO法人キッズドア(敬称略、以下キッズドア)の学習会に訪問させていただきました。
今回は、様々な角度から教育支援を行うキッズドアの担当者にインタビュー。支援を必要とする方たちへの教育支援の現状を聞きました。
今回のインタビューで特に印象に残ったのは、タイトルにある様に
『私たちは勉強を教えるというよりも、その子の将来を、その子と一緒に悩んで考える伴走者みたいなもの』という担当者の言葉でした。
――単に勉強を教えることだけではなく、教えた先のことをまずは共に考える。
キッズドアには、なぜ勉強が必要なのかという動機付けが自然と行われている仕組みがありました。
ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
前回の記事はこちら。
■交流のきっかけ|認定NPO法人キッズドアとは?
キッズドアは、日本の子どもの貧困課題の解決に取り組んでいるNPO団体です。困窮家庭の子どもたちを対象に無料学習会を運営する教育支援事業をはじめ、全国の困窮子育て家庭を対象に物資や情報支援、保護者への就労支援を行うファミリーサポート事業などの支援事業を提供しています。
キッズドアとオールコネクトの交流が始まったのは、2023年1月。
オールコネクトがキッズドアに、通信支援を申し出たことが発端です。
キッズドアが2022年7月に行った調査より「家庭のデジタル環境と学校のデジタル環境」の項目では、キッズドアファミリーサポートに登録している困窮子育て家庭のうち、PCがない家庭が全体の46%、子どもの携帯端末がない家庭が50%、ネット環境がない or あるが容量制限あり※の家庭が41%であることが分かりました。
(参考)認定NPO法人キッズドア
2022年夏休みの支援等に関する緊急アンケート集計結果について
コロナ渦を経て、今や学校では、デジタル端末を使った学習が行われるのも当たり前になりました。そしてそれは、予習・復習・宿題も含めた家庭学習もデジタル端末を使うことが前提になっている場合が多いです。
しかし、様々な事情によって家庭内や子どもに通信環境を整備することが難しい家庭があり、普段私たちが何気なく行っている通信を利用した学習や調べもの、情報収集が出来ない生徒がいます。
ネットの存在が当たり前となっている今の時代、生徒の情報格差は将来を大きく左右しかねない大きな問題です。
オールコネクトは通信を扱う企業として、通信環境による教育の格差は起きてはならないと考えています。
そこで、キッズドアに対してWi-Fi端末の無償貸与を提案し、2023年3月から運用を開始しました。
■キッズドアの教育現場に訪問!現場担当者へのインタビュー
生徒のもとに無事Wi-Fi端末が届き、運用が開始されましたとのご連絡をいただいた後、私たちの活動がどのようにキッズドアさんに貢献出来ているのかを実際に見てみたいという想いがありました。
というのも、私は学生が終わって約5年(笑)。支援を行ったものの、現場のことを全く知らないなと思いました(そもそも私の学生時代はタブレット学習はありません……悲)。
今回、キッズドアのオンライン学習会、そして対面での学習会の2つの現場に参加させていただくことに。担当者の方に想いを聞きました。
・オンライン学習会の取り組みと現状
インタビュー参加者
・キッズドア学園オンライン学習担当者:三沢さま
Q. まず、キッズドアで行っているオンライン学習の取り組みについて教えてください。
Q. 実際に、対面学習と比べてどうですか??
Q. オンライン学習会で勉強を教えていて嬉しかった出来事は?
Q. オンラインで勉強を教えていて、難しく感じたことや課題感はありますか?
Q. 今後目指している事や描いている未来などがあれば教えてください!
■キッズドアの想いと願い
先日、実際にキッズドアの学習会に訪問し、キッズドア学園の責任者中島さまに直接お話を伺いました。
・親でもなく学校の先生でもない、第三者の意見
キッズドアの学習会では、講師が黒板の前に立って授業を行い、生徒はそれをノートに取る、といった一般的な「授業」は行わないそう。
キッズドア学園では、生徒が自分で持ってきた教材や学校からの宿題を各々で行い、分からない所を巡回するスタッフに聞くという形式を取っていました。
「最終的にキッズドアとして目指すゴールは、子どもたちが自立していく力・自分で未来を切り拓いていく力を付けていってもらうこと」と話す中島さん。
一方的に講師が生徒に授業を行うのではなく、『自分で今後の計画を立てる』『生活リズムを整える』という仕組みづくりの部分からサポートしていくことを心がけているそうです。
そのために面談を行い、生徒が何を考えて何に悩んでいるのかを聞いているといいます。
勉強面で分からないところはしっかりと指導しつつも、答えを全て教えるということはしない。そうした、あくまでも『子どもが自分で考える』ということを大切にされている様子は、教育とはどういうことなのか考えるきっかけになりました。
学校の先生は縦の関係、そして親や友達は横の関係。特に親や学校は、子どもの未来を心配するからこそ、彼らが考える「正しい道」を歩かせようとすることもある気がします。
そこで出てくる、ちょっと斜めの関係という存在は、縦や横の関係と比べて関係性が少し離れている分、客観的なアドバイスが出来るのではと感じました。
実際に、私も今回キッズドアの学習会にお邪魔し、勉強している風景を見学させていただきました。
学習会は、基本的に机の向き横一列を想像していました。キッズドアの教室に入った際に、まず机の向きがグループ形式になっていることに驚きました。
生徒3~4人に対して、講師が2人ほど。周りの子どもたちの様子を確認しながらコミュニケーションを取っていました。
分からない問題につまずいた時に、声をかけられる存在が近くにいる教室作りがなされていて、とても温かい空間だなと感じたのを覚えています。
教室の一角には、ソファと流行りの漫画が置かれたスペースもありました。
普段の授業で使うというよりは、雑談や相談の際の場として使われるとのこと。鬼滅の刃といった流行りの漫画の中にドラゴン桜が置かれているのを見たときは、さすが学習会だ……と思いました(笑)。
■地方と都市の情報格差
・教育現場の課題
キッズドア学園は、オンライン学習の生徒を全国から募集しています。
それでも応募してくる地域には偏りがあり、キッズドアを利用している生徒の紹介といった知人からの繋がりから応募するなど、もともとキッズドアを知っていた生徒層が大きいそう。情報が本当に必要な方たちに届いていない可能性もあることに、担当の方は課題を感じていました。
東京やその他の大都市と、地方では、生徒に入ってくるそもそもの情報量が違います。例えば、地方の生徒は東京の大学の情報を入手しづらく、そして支援の数も少ない傾向があります。一方で東京をはじめとする大都市圏の大学が、その後の進路の幅を広げる可能性が大きいということも一つの現実です。
どうにもできない、住む環境の情報格差によって、将来が変わってしまうことは少なからずあるように思いました。
全国にはキッズドアと同じような教育支援の団体が多くあり、活動しているものの、実際に地方ごとに抱える教育課題は様々。そして自治体によっても、教育格差といった課題への温度感が異なるため、全国で足並みをそろえて活動していくことはなかなか難しいそう。
家にスマホやPCがあることが、当たり前じゃない家庭がある。それが原因で、みんなと同じように学習を受けられていない生徒がいる。
なんとなく頭の中で思うことはあっても、自分がその状況に陥らない限り、実際にその問題について深く考える人は多くないと思います。
今回の取材で、実際に通信を利用したオンラインの環境で、生徒と関係性を築けたことで、生徒の成績アップや勉強の習慣付けに繋がったエピソードを聞けたことは、私としても今後の励みになりました。
それと同時に、全国にもまだまだ沢山、こうした支援が必要な生徒がいるということも知ることが出来ました。
子ども時代の受験は、人生最初のターニングポイントとなる方も多いはず。自分の努力ではどうにでもできない部分で、悲しい想いをする生徒が少しでも少なくなって欲しいです🌱
今回も最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
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