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水道水の味を説明する芸人・鈴木ジェロニモさん

こんにちは  

ALL YOURS 2nd です!

第6回の記事で取り上げさせていただくのは
R-1グランプリ2023準決勝進出、プロダクション人力舎に所属の
芸人   鈴木ジェロニモ さんです。

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<インタビュイー情報>

・芸名        鈴木  ジェロニモ
・年齢        29歳
・職業        芸人
・出身地       栃木県
・趣味        短歌、ジョギング
・Instagram      @suzukigeno
・X          @suzukigeno
・YouTubeチャンネル @suzukigeno

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テレビや舞台、YouTubeなどで活躍する芸人さん。普段、私たちが関わることのできない「芸人」とはどのような職業なのでしょうか。
インタビューでは、鈴木ジェロニモさんが芸人になろうと思ったきっかけや、ネタ作りについてもお聞きすることができました。


芸人になろうと思ったきっかけ

鈴木ジェロニモさんは小学生の頃からお笑いが好きでした。実際に「芸人になろう」と決めたのは、大学4年の秋ごろだと言います。それまでは周りと同じように就職活動をし、就職先も決まっていました。しかし、就職先が決まり、改めて将来について考える時間ができた時、「自分は本当に就職したいのか」と思ったそうです。

考えた結果、鈴木ジェロニモさんが本当にやりたいことは「お笑い」でした。
そこから、現在所属している人力舎の養成所(JCA)に応募し、1年間養成所に通いました。そして、養成所の卒業後にあるセレクションを経て、正式に人力舎所属の芸人になりました。

芸人のセルフプロモーション

「芸人」の活躍できる場はテレビや劇場だけでなく、SNSなどの身近なツールで増えています。特に、若手時代の芸人は自らをプロモーションすることが求められるそうです。

現在、芸歴6年目の鈴木ジェロニモさんも、様々なセルフプロモーションを行っています。

InstagramやX、YouTubeでの投稿はもちろん、マネージャーさんに「〇〇なキャラクター・表現をしたいので〇〇系のお仕事あればお話しください」などと伝えることもあるそうです。
また、作家さんなどが主催するお笑いライブで、共に企画を考案したり構成を考えることもあるそうです。

このように、活動は自身の意志に託されている部分が大きいことがわかります。

説明ネタ

「鈴木ジェロニモ」と検索すると、一番最初に出てくる動画がこの「説明」ネタです。身近なものの説明を淡々と行う「説明」ネタは、YouTubeでもシリーズ化されている人気ネタです。

この「説明」ネタは、鈴木ジェロニモさんの趣味である短歌からインスピレーションを受けました。短歌には、作品に対して評価をする「評」という行いがあります。鈴木ジェロニモさんは「評」の「何かわからないけど好きという感覚をなんとか言葉にする」という行いが好きだと言います。

この「評」を応用して、身近で当たり前なものの良さを何とか言葉で表現してみようというアイデアをきっかけに、「説明」ネタが生まれました。
「説明」ネタ第一弾の「水道水の味を説明する」(上記の動画)の題材は、水道水が一番身近でお金のかからないものだったため選んだそうです。

鈴木ジェロニモさんのネタ作り

ネタ作りでは「自分がおもしろいと思っていることがどうすれば周りにも伝わるのか」を模索して作っているそうです。

たとえば、僕のこの感じで「歌舞伎町のホストの役をするネタ」とかは合わないと思うんです。(笑)人によって、合う合わないの役柄とか発言があるなと思って。僕は体の動きで伝える表現ではなく、短歌とか言葉を使う表現の方が、自分のおもしろいと思うことを伝えられるんじゃないかなと思ったんです。

自身の見た目や雰囲気から連想するであろうお客さんのイメージに合うような、表現方法を考えているそうです。
鈴木ジェロニモさんは初対面の人から、無愛想で固いイメージを持たれることが多いそうで、自身には派手に動き回ったり演技をするネタは合わないと考えたそうです。
実際に鈴木ジェロニモさんのネタは、上半身だけでも完結するような口をよく動かすネタが多いです。

短歌 と お笑い

鈴木ジェロニモさんが「説明」ネタのルーツである短歌を知ったのは、芸人になってからでした。きっかけは、大学時代に所属していたアカペラサークルの友人がXで投稿していた短歌を目にしたことでした。
そこから短歌に興味を持ち、自身でも短歌を作り始めたそうです。自作短歌はnoteにも投稿されています。

無印に並ぶベッドの寝心地を確かめられるだけ確かめる


プリウスのようにしずかなクマバチに「刺さないやつ」と近づいていく


冷蔵庫の6Pチーズ傾けて2P残っているときの音

鈴木ジェロニモ自選短歌180首から一部抜粋


言葉のみで伝える短歌に、身体表現の多いお笑いとは違う面白さを感じたそうです。また、日常会話では使わない表現を短歌の中で知ることで、お笑いの語彙に活かすこともできていると言います。

芸人の楽しさ

鈴木ジェロニモさんが思う「芸人」という職業の楽しいところは、「あらゆるハードルが下がっていること」だと言います。
下積み時代の収入は少ないですが、節約するために電車に乗らずに徒歩で移動すると新しい発見があったり、安いご飯でも美味しさに感動できるそうです。
(鈴木ジェロニモさんの好きな食べ物は焼きなす。見た目から想像する期待値を遥かに超えるおいしさだからだそうです。)

何より、芸人として「自分の好きなことをできている」ことが楽しいと鈴木ジェロニモさんは言います。

「自分の中のおもしろいと思うものをお客さんや芸人仲間と共有できる」お笑いのそういう楽しみ方がいいなと思います。
お客さんに全然ウケてなくても、結果的にはその一生懸命な姿が面白くなったりします。その人自身がやり切っていることに価値があると感じます。

お笑いは数字や結果だけを求められる分野ではなく、失敗した(ウケなかった)としてもその事実が結果的には「おもしろい」と評価されることがあります。そのように、完全なる失敗がない お笑い という分野の良さを感じるそうです。

鈴木ジェロニモさんとALL YOURS

鈴木ジェロニモさんは、「着た着て」ジャケットとパンツを舞台衣装として着用されています。

鈴木ジェロニモさんは自身の体型が、基本的なS/M/L展開のアパレル商品に合わないということが多いそうです。
そのような中で、自身の体型により近いサイズを選ぶことができる、0〜6サイズ展開の「着た着て」ジャケット・パンツに出会ったそうです。
自分の体にフィットして着心地が良いところ、「スーツほどかっちりはしていないけど普段着ほどラフではない」見た目が好きだとおっしゃいます。




以上、 鈴木ジェロニモさんの記事でした。



インタビューでお話を聞いて
「芸人」という職業は、私生活と仕事のつながりが濃い職業だと感じました。

実際に、鈴木ジェロニモさんも私生活の中で目にしたものや感じたことを、自ずとネタ作りに活かされていました。

普段の何気ないことから得るアイデアがネタになることで、職業や年齢を問わず、見る人の共感できる笑いが生まれるのではないでしょうか。

そして、鈴木ジェロニモさんは自身がどう見られているのかを考え、自身に合った表現方法をされていました。だからこそ、沢山の人に自身の感じる「おもしろい」を広げられているのだと感じます。



(編集:トモカ)

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