
会社員かフリーランスか迷っている20代の方へ。両方を経験したリアルをお伝えします
2024年を振り返りつつ、2025年の新たな目標を考え始める12月。人によっては新たな環境で頑張りたいと考えている人もいるかもしれません。
今から3年前の2021年12月。大学卒業を控えた僕は、「新卒フリーランス」として働くことが決まったばかりで、楽しみと不安が入り混じった師走を過ごしていました。
結果だけ先に言うと、2年間フリーランスとして働き、2024年からは会社員として働いています。「おれはずっとフリーランスで働くんだろうな」と思っていたので、過去の自分からすると“想像していなかった未来”を歩んでいるとこになります。
「新卒フリーランスなんて、やめておいた方がいい」「挑戦するなら早いうちだ。会社員よりフリーランスだ」
世の中には新卒フリーランスに対して、いろんな意見があります。どっちの意見も正しいと思うし、真っ当です。でも、会社員として就職(転職)するか、フリーランスになるか迷っている方からすると、「結局どっちやねん。もう分からんわ」と迷子になりかねません。
そこで、キャリアに迷っている20代の方に向けて、「フリーランスと会社員、両方を経験したリアル」をお届けすることにしました。
何が良いとか悪いとかでもないし、「こうした方がいいよ」と言うつもりも全くありません。僕の経験を通して、「こんな選択肢もあるんだな」と知ってもらえるだけで十分です。
1人でも悩んでいる人のもとに届きますように。
参考までに。
〈おばたのキャリア〉
・大学4年の8月から個人で仕事を開始
・大学4年の10月頃に内定辞退、就活終了
・新卒フリーランスを決意
・フリーランスと並行して、地域おこし協力隊に就任
・自分1人の法人を設立、代表取締役就任
・法人は残しつつ、会社員に転職
・会社員として転職、法人を清算(今)
何でも自分が決めるフリーランス
就業時間も決まっていなければ、仕事内容も決まっていません。良いように言うと「全部自分で決められる」、悪いように言うと「全部自分で決めなければならない」。
幸いにも僕は「自分で決めてやりたいタイプ」のため、フリーランス生活は自分に合っていたと思います。逆に、「誰かの指示のもとで動くのが得意」という人がフリーランスになってしまうと、かなり辛い日々になるでしょう。
フリーランス生活を通して、自由と責任はセットなんだなと改めて思いました。
また、当たり前の話ではありますが、自分で仕事を作らなければなりません。営業もマーケティングも経理もやるのは全部自分。「これは苦手で〜」と言っている暇はありません。
僕の場合、自分でやらざるをえない環境のおかげで、実地のマーケティング感覚を養えたのは良かったと思っています。
全部自分でやらなければいけないのは、大変でもあり、成長するきっかけにもなるはずです。
「代表」「代表取締役」という肩書き
フリーランスとして仕事をしようと決意した瞬間に「代表」になります。フリーランスの場合は自分が決意した瞬間から代表です。もちろん売り上げが0でも。
代表取締役に関しては、手続きやらお金の支払いを済ませれば代表取締役になれます。もちろん売り上げが0でも。
つまり、代表や代表取締役になること自体よりも売り上げを上げることの方が重要ということです。「個人で仕事をするなんてすごいね」と言われますが、仕事をすること自体は難しくありません。大事なのは売り上げを作ることです(二度目)。
僕としては「代表になったところで、その先の方が重要なんだな」と体感できたことこそが、起業をして良かったことの1つだと思っています。仮にまだ起業をしていなければ、「起業はすごい人がやるもの」と変にハードルだけが高くなっていたかもしれません。
起業に限らず、何事も「始めるのは簡単。続けることの方が大変」ということを社会が教えてくれました。
コンフォートゾーンを抜け出せるかの戦い
良くも悪くも、フリーランスは自分の好きな範囲で仕事ができます。やりたくない仕事は断れば良いし、自分が苦手な範囲の業務は外注先にお願いすることもできる。
自分が得意な範囲で仕事ができるのが、フリーランスの特権であり、フリーランスを羨む大きな理由の1つでしょう。
逆の見方をすれば、自分の考えうる範囲でしか仕事ができません。というか、よっぽどのことがない限り想定外の仕事が飛んできません。
「自分のキャパを広げるためにチャレンジングな仕事がしたい。でも、お金を稼ぐためには自分の得意な仕事しか取り組む余裕がない」
駆け出しフリーランスのリアルな状況です。お金を稼ぐための手段と、自分のキャパを広げるためのチャレンジングな手段。両立は結構難しいなと感じていました。
フリーランスとして活躍し続けるなら、自分が心地良いと感じるコンフォートゾーンから定期的に抜け出すアクションを取るのが大事だと思います。
自分のためだけに働くのは限界があるかも
あくまでも僕の場合、1人で仕事をし続けることに飽きが生まれました。コンフォートゾーンの話にも近いですが、自分の想定しうる範囲でしか仕事が生まれないことに面白みがなくなってきて。収入としては安定していましたが、1人で働くことに限界を感じていました。
反対に「おれはこの社会課題を解決するために起業するんだ!」という強い気持ちがある場合、1人でも続けられると思います。自分が社会に発揮する価値が明確なので。
僕のような「お困りごとを幅広く解決したい」というクライアントワーク中心の働き方では、1人で働き続けるモチベーションが少しずつ薄れてしまいました。(もちろん目の前のお仕事は全力でやっていました)
その点、会社員の場合は会社に仲間がいて、明確な意志を持つ社長がいます。社長が示すビジョンに共感した仲間たちと働くのは、1人で働くよりも僕は楽しいです。あくまでも、僕は。
初めて正社員になった時、「こんな優秀な同世代の人たちと一緒の空間で働けるなんて最高です!」と目を輝かせていた僕に、「何をそんな大袈裟な」と同僚は言っていましたが、それだけ仲間の存在は貴重だと今も思っています。
フリーランスだとしてもチームを組んでやる人がいるので、人によりけりなんですけどね。
基礎体力はついているのか?
「自分が好きなこと」「自分が得意なこと」ばかりを対象に仕事をやっていたこともあり、ビジネスマンとしての基礎体力がついている感覚がありませんでした。
講師を頼まれ、参加者からは「先生」と言われるけど、先生と言われる自分の能力値は数ヶ月前とそこまで変わらない…。
「体力や気力がある20代をこんなゆっくり過ごしていいのか?」と強い焦りが生まれ、僕は会社員として働くことを決断しました。
これが「おれはもっと稼いでやる!まだまだ!」という、ある種の“飢え”があれば良かったんですが、収入が安定していた僕には「今のままである程度満足」という満足感しかありませんでした。普通に幸せでしたし。
土壇場に追い込まれた方が頑張れる人もいれば、安心感がある環境の方が頑張れる人もいます。
どちらが良いとかではなく、人によって頑張れる要素や要因が違う。
自身の経験から、自分なりの戦い方を考えるのはフリーランスも会社員もどちらも重要だと痛感しました。
自分の強みってこのまま通用するのか?
SNS運用やライターをメインにしていた僕は、自分のスキルが何年も通用するとは思えませんでした。もって数年じゃないかと。
心地良く過ごしている間に会社員として揉まれまくった同級生たちは、スキルも経験値も増やして、責任あるポジションに就くのではないか?ゴリゴリやってきた人間たちと今の延長上にいる自分は戦えるのか?
冷静に考えても「No」だったため、楽しく心地良く働き続けられるフリーランスという手段を手放すことにしました。
ルールを持って働くということ
会社員として働くためには会社のルールに則って働かねばなりません。自分の思うままに行動していたら、「あいつはチームを輪を乱そうとしている」と言われかねないでしょう。
会社員には守るべきルールがありますが、僕は「ある程度のルール」は心地良いものだと思っています。全て自分で決めなくても、既にルールが決まっている環境。完全に自由なのは全部自分で決めないといけないので、結構しんどいんですよね。
フリーランスの方や起業家の方が社外にメンターをつけるのも、自分で自分を律するのが難しいから。外部の人に宣言をすることで、強制力を働かせるという方法もあります。
会社員が合うのか、フリーランスが合うのかは人にもタイミングにもよる
「こうするべき」と明確な答えを求めていた方がいれば、すみません。結局、どの選択肢が合うかは人によるしタイミングにもよると思うんです。
同じ20代でも新卒の方であれば、会社員としてバリバリ経験を積みに行く方がいいかもしれない。一方、20代後半の方で経験豊富なのであれば、自分の得意分野で独立した方がいいかもしれない。独立できる力はあるけど、会社員としてやりたいことがたくさんある人もいる。
どの選択肢を取っても正解だし、正解にするしかないと思っています。
僕は新卒フリーランスからキャリアをスタートし、途中で会社員という道を選んだ。ただそれだけのことです。
そして、実際にフリーランスと会社員を経験して、両方の楽しさと苦しさを体験しました。僕の体験談を読んで、「こんなキャリアは嫌だな」「自分はこういう風に考えよう」など、プラスでもマイナスでも気付きがあれば嬉しいです。
僕もまだまだ志半ば。自分ができることを一つずつ頑張っていこうと思います。
▼関連記事▼
Xでも発信しています!
「未来の自分」を救うための情報発信。過去に自分が書いた記事を読むと、今の自分に必要な情報が書いてあることがある。「過去の自分よ、ありがとう!」そう思えるだけで情報発信の価値があるのでは?と考えると、発信が楽になってきた。未来の自分のためにコツコツ発信を続けていきたい。
— おばたわたる|Lii Inc.広報 (@w_t_r_o_b_t) December 25, 2024
いいなと思ったら応援しよう!
