日々是雑感2017/10/01(2)
そういえば今日は東海道新幹線開業の日だ。1964年10月1日。日本が、いや世界が驚いた東海道新幹線という高速鉄道。あのときは東京から新大阪まで駆け抜けるひかりとこだまが日本を支えた。そしていまはあらゆる希望を乗せてのぞみが多くの人々の夢などを携えている。日本でも鉄道限界論を一蹴し、現在まで自分でも信じられないくらいの本数が東京から新大阪、そして博多まで同一車両で駆け抜けている。それを思うと感慨深いものがある。
自分が初めて乗ったのは中学の修学旅行の時だ。2001年6月だったと思う。700系新幹線。カモノハシ車両。修学旅行がきっかけで、結構長い間東海道新幹線のお世話になっている。
高校時代は東京と京都の美術館博物館へ足繁く通うべく東海道新幹線のお世話になった。東京の3つの芸術大学の受験へ行くにもお世話になった。受験を終えての帰り道は少し悔しかった思いがあったっけ。修学旅行は飛行機ではなく新幹線で向かったっけ。
大学時代は多くの本物の作品と向かう為東京新大阪間、頑張っても新神戸まで足を伸ばし、様々な作品と向き合ってきた。ダ・ヴィンチの「受胎告知」、狩野永徳の「洛中洛外図」、狩野元信の「四季花鳥図屏風」、10余年振りに見たいがために無理して作品を見にいったポール・セザンヌの「りんごとオレンジ」。ここでは書ききれないが全ての作品はどれも自分にとっては色々な思いが詰まっている。
大学院や教員時代は東海道・山陽新幹線とは別に東北新幹線に乗り、愛知県美術館で見た2006年以来の伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」を見に仙台まで足を伸ばしたのもいい思い出である。あれは東日本大震災の復興祈念のためにジョー・プライス氏や、美術史家の辻惟雄氏など多くの美術界の人々が東北3県で実現させた。作品から元気をもらった。ジョー・プライス氏の顔を見れなかったのは残念であるが、作品と再会できたのは非常に嬉しかった。
自分にとって新幹線は発見の旅である。探検である。人生未踏の開拓地である「知らない歴史」、「知らない世界」は、知の欲求を満たしてくれる。
以前のCMを思い出す。TOKIOのAMBITIOUS JAPANや40周年CM、50周年CMをYou Tubeで見ると、まだ自分は叶えたい夢を、希望を追い続けているんだなと実感する。
「のぞみは、かなう。」
N700系が日本の大都市を駆け巡る。闇をも切り裂くひかりは歓喜へと変わり人々の声がこだまする。それら人々の思い、必ずのぞみはかなうのだ、と自分は思う。自分は感謝したい。50周年の時は名古屋駅で新幹線を眺めていたが、そう思った。
自分は美術家であり、冒険者であり、勇者でもあり続けたい。不可能を可能にしたい一心で今までやってきた。絶対に自分の夢も希望も理想も叶うと信じ続けている。そう心で思った1日であった。