季節が変わって喜んでいたい
京都外国語大学 国際貢献学部 グローバル観光学科
本間紗矢(ほんまさや)
大学生になってから始めて、今でも続けているちいさなこと。それは、たいせつにしたい気持ちとか、目標みたいなものを紙に書き起こしてお家の見えるところに貼ること。「儚い秋、逃さないようにいっぱい感じたい!」とか「いろんなことにチャレンジしてみる!」「美味しいものをじぶんに作ってあげる」みたいなことを書いたりしている。本当は1か月ごとにできるといいのだけれど、どこか窮屈な気がして(わたしに行動力がないだけなのかも)、それで季節が変わる前に書くことにしている。
今回は、だいすきなラジオを聴きながら、最近のわたしのこと、いまの思いを文字にしてみることにした。タイトルは、わたしのユースであるカネヨリマサルというバンドの「NO NAME」っていう歌の歌詞からとった。季節が変わったら幸せを感じていたいし、音楽を聴いてたいせつなひとを思い出したい。カネヨリマサルは、わたしの感性を認めてくれて、今を一緒に生きてくれるあたたかいバンド。カーテンが揺れて、気付かせてくれた、今日の空はピンクとオレンジとブルー。カメラを持ち合わせていなかったから、瞼のシャッターを切った。
秋は夕暮れ、清少納言がいまから千年前にここ京都の地でそう書いていたっけ。わたしが秋を愛してやまないのは、街の色や匂いが変わって、気持ちがあたたかくなるからなのだと思う。春のピンク色も匂いもすごく好き。でも、金木犀の香りがしたら少し口角が上がって、ついスキップしちゃう。こころはぽかぽかしているけれど人肌が恋しくなってくる、短くて儚い秋。だいすきなのは、三角チョコパイが食べられるから?お芋が美味しい季節だから?うーん、それもあるけれどしっくりこない。なぜかわたしにとって秋はどの季節よりも特別だ。
特別に感じるのは、秋に産まれたからなのかもしれない。10月で20歳になった、ハタチ。ただひとつ歳を重ねただけなのに、きらきらしている気がする。ベトナム人のお友達は、一番美しい歳だね~って言っていた(留学生は日本人のわたしがしないような表現をするから新鮮で、わたしも学ぶことが多い)。大人と子供の間にいる曖昧な時。じぶんの中の正解が変わっていくのを恐れて、写真を見返したり日記を読んだりして過去を振り返る。変わっていくことって悪いことじゃないのに。でも、小さい頃と好きな音楽が変わっていなかったり、今のわたしも、タイムスリップさせてくれる博物館にときめいたりするということに気付いたときはすっごく嬉しかった。
昨年11月にALKOTTOのメンバーと行って以来、約1年ぶりに宇治に足を運んだ。故郷でもないのに、だいすきな場所だから「帰ってきた」という感覚に陥った。不思議だ。街が少しずつ秋めいていて、わたしも穏やかな気持ちになった。写真フォルダが秋色でいっぱいだから、頬が緩んでしまう。そう、世界遺産である宇治上神社で、念願の御朱印帳を手に入れたんだった!うさぎさんがかわいらしい。
やっぱり宇治は素敵なところだ~~~!宇治には自然の美しさがぎゅっと詰まっているからだろうなあ、外国人観光客もたくさん来ていた。京都で暮らしていると地元とのギャップに驚く。多言語があちこちから聞こえてくることに慣れず、うきうきする。世界中の人々を魅了する京都で暮らせていること、そんな京都の魅力を発信できるALKOTTOに携われていることが嬉しくて、感傷に浸った。
気付けば11月。充実しているからなのか、1年がとてもあっという間に感じる。新しいことに挑戦するのはとても勇気が要るけれど、2回生になった2023年、ご縁があって不意にチャンスが訪れることが多い。以前のわたしなら勇気がなくて1歩を踏み出せなかっただろう。今では、貴重な機会を逃さないように行動したいと思うようになった。いろいろな業界の方とお話する度に、決めつけてしまっていた自分の価値観を刺激され、わたしは京都や観光について全然知らないということを痛感する。なにかを頑張っているひとって輝いていて、本当にかっこいい!20歳、ひとつでも全力で頑張れることを見つけて、かっこいい女性になりたい。京都の大学生で居られる間に、いろんなところに足を運びたいし、素敵な京都の一面をたくさん発掘したい。文字起こしも積極的にしていきたいな。
わたしの京都ジャーニーは、まだ始まったばかり!