メディア ALKOTTOについて
「歩く」+「古都」=歩こっと→ALKOTTO
ALKOTTO(アルコット)は、ENJOY KYOTOと京都外国語大学グローバル観光学科の学生たちと立ち上げたメディア。基本的には京都の文化や観光について、京都の外国語大学でグローバルな視点に立って観光について学んでいる大学生の語り口で紹介していこうというもので、いってみればENJOY KYOTOの姉妹店みたいなものである。
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まずENJOY KYOTOについてかんたんに説明しておくと、まだインバウンドという言葉も浸透していなければ東京オリンピックも決まっていなかった2013年に創刊した、京都を訪れる外国人観光客向けの英字メディアで、当時は老舗の英字メディアがひとつあったくらいで、英語による紙媒体の定期刊行物というのは珍しかった。それもあってか当時はNHK京都やKBS京都、京都新聞などにも創刊について取材を受けたくらいだ。
隔月発行で発行部数は5万部。おもに京都市を中心とした府内のホテルや旅館、駅の観光案内所のほか、有名な寺社仏閣やカフェなどでも配布されている。フリーペーパーなのでもちろん無料だ。
京都外国語大学との最初のご縁は2018年の夏。年2回のペースで1ページ全面広告を出したいというオファーをいただいたことに始まる。では内容をどんなものにするか?そこでぼくが「せっかくなら学生さんに取材して発信してもらいましょう」と企画を提案。以来ずっと彼ら彼女らに、企画の立案から取材先へのアポどり、現地取材、原稿執筆、レイアウトに考えかた、取材先への納品にいたるまでをレクチャーしたりサポートしたりしながら、これまでに「のれん」「漢字」「組紐」「桐箱」「京都の色」をテーマに5回の広告制作に取り組んだ。もちろん英訳もしてもらい、ENJOY KYOTOのネイティブチームによるチェックを通して、生きた英語を学ぶ機会にもなってきた。
ところが2020年からのコロナによるパンデミックにより海外からの観光客は激減。ENJOY KYOTOは2021年から一時休刊となっている。それでも広告予算を使ってなにか学生と一緒にできないか?と大学の方からオファーをいただき、京都外国語大学による特別号「KYOTO SCHOOL TRIP GUIDE」を制作。これまでと同じやり方でありつつ、4ページの拡大版、しかもENJOY KYOTOの中にあるいくつかの広告のひとつではなく、京都外国語大学の学生たちの記事だけが掲載された号外として作りました(制作にまつわる詳しい経緯はこちらで紹介しています。
今回のプロジェクトは概ねその特別号を作った際のメンバーがそのまま引き継ぎ、ネットやSNSを通じてもっとさまざまな情報発信をしたいという思いから生まれたものだ。春からはまるで非常勤講師のように毎週一回大学に通い、ミーティングを重ねながらコンセプトやどんなことをやりたいか?どんなことができるのか?プロジェクのコンセプトは?チームの名前はどうしよう?とアイデアを出し合ってきた。ALKOTTOという名前は2年生の剱物真桜さんが考案したもので、冒頭に記号的に記したように、いたってシンプルな考えかたから生み出された名前である。
じつは当初、この名前についてプロのコピーライターとしてはちょっと居心地が悪いというか、ネーミングの完成度という点ではちょっと至らないかもなあと思ったりもしていた。ところが、なんとなく寝かしつつ他の名前を考えているうち、気づくといつのまにかじわじわと「いやこれ悪くないなあ」と思うようになっていった。似た名前が見当たらないというのもいい。独自性のある名前というのはそれだけでブランドとしてのパワーが強いということを意味するからだ。
そしてなにより、学生たち自身が考え、学生の投票では一位になった名前だったということもある。そう。名前はアイデンティティである。自分達のチームの名前はやはり自分たちで考えたものであってほしい。そうやってみるとちょっと至らない部分も含めて、学生たちのプロジェクトらしくっていいんじゃないかと、だんだんぼくもすきになってきたのだった。京都は「歩くまち」というキャッチコピーもつけられている。京都をトコトコ歩こっと。みなさんも長い目で応援してほしいし、このチーム、このプロジェクトのことを、少しずつでいいので、ゆっくりじっくり愛してもらえたらなあと思っている。