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"If You Can Dream It, You Can Do It."AIU生が海外で挑戦し続けるためのセオリー|ALiveRally #5

今回は、AIU14期卒業生の中西葉奈(なかにし・はな)さんにお話をうかがいました。

2019年1月からのアメリカ・ワシントンDC留学中にインターンとして外務省(在米国日本大使館文化広報センター)で勤務、そして日本では米国国務省(駐大阪・神戸米国領事館)でもインターン経験を持つはなさん。国際関係学に造詣が深く、海外でバリバリ働いてきたはなさんに、留学生活とインターンシップについて、興味深いお話を伺うことができました。

やりたいことがあるけど、なかなか一歩を踏み出せない。そんなあなたにぜひ読んでいただきたい記事です!

【米国国務省時代、学生インターンシップ仲間と(右端がはなさん)】

基本情報
名前:中西葉奈(なかにし・はな)さん
AIU入学時期:14期春入学
活動内容:海外インターンシップ
活動場所:ワシントンDC、アメリカ
インタビュー時期:2020年9月

インターンシップをするに至った経緯|はなさんを駆り立てたのはなんだったのか?

ーーはなさんは、どうして外務省や国務省でインターンをしようと思われたんでしょうか?外務省や国務省でインターンをするのはハードルが高いように思えるのですが、はなさんは怖くなかったですか?

A. 怖いと思わなくって、それよりも経験できることを経験しない方が怖いなと思いました。だから、「とりあえず出してみよう!」と思って応募したよ。
最初に応募したのはアメリカの政府機関、米国国務省の一部である駐大阪・神戸米国領事館でした。そこに応募しよう!と決めたのは、私が国際関係学に興味があったからなんです。米国国務省で働くことで、国際関係の現場に入ることができるというのが決め手でした。
私がインターンを応募した時は、G20が大阪で開催される年で、トランプ大統領(当時)が大阪を訪問することが決まっていたんです。トランプさんが大阪に来るということは、日米間でお互いを守るための線引きをしたり、ガイドラインを作ったりするといった、国際関係の一番基礎のところが行われるということ。国際関係オタクとしては「ここしかない!」と思ったから、応募を決めました。

ーーなるほど。学術的興味からインターン先を選ばれたんですね。準備はいつ頃から始められたんですか?

A. 準備を始めたのは留学中で、最初はレジュメを書くところから始まりました。私は毎日夜中の3時まで大学の図書館で勉強していたのだけれど、夜中1時を過ぎても図書館に残ってるのは、大学院生か医学部生のすごく頭いい人たちばっかりなんです。だから、夜中まで残っている周りの人に「日本からの留学生なんだけど、メールの書き方教えて」とか、「レジュメ書いたからチェックして!」とかお願いしていました。そこまでするくらい米国国務省インターンは本気だったし、もうここしか無いって感じだったかな。

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【ジョージワシントン大学の桜】

応募することへの恐怖よりも、経験しないことへの恐怖の方が大きかったというはなさん。学術的内容への純粋な興味から、一直線に努力を重ねた彼女は、インターン中に何を感じたのでしょうか。

実際の業務について|インターンシップで経験したこと

ーー実際に米国国務省でインターンシップをしてみて、一番最初に思ったことはなんでしたか?
A. インターンとしての仕事はこれ!と決まっていたわけではなかったことが、実際始まってみてわかりました。あとは、日本人としてアメリカの政府機関で働くということだったので、規制が多かったかな。

ーーえ!仕事が決まっていなかったのなら、最初はどうやって始まったんですか?
A. 私がチームに対して何ができるかを最初に聞かれて、自分から上司に何ができるかをアピールして、仕事を振ってもらうところからのスタートでした。"What can you contribute to this team?" って最初に聞かれて、できることの例として過去のレジュメを送ると、上司から電話がかかってきて「あ、君これできるの!今ここに人足りてないんだよね。やる?」って言われて、「はいやります!」みたいな流れだったなぁ。

ーー仕事が決まっていなかったのは、どうしてですか?
A. アメリカの政府っていっつもインターンのポジションがあるわけではなくて、たまたま私が受け入れてもらっていた時期だけインターンを採用していただけだったので、インターンに対しての仕事が決まってなかったんです。私の時は日本とアメリカの交流プロジェクトの一環で日本人インターンを一人とることになっていただけで、常にインターンというポジションで人を受け入れていたわけではなかったらしいんです。

ーーなるほど。タイミングも合って、インターンとして受け入れがスタートしたのですね。実際に働いてみて、思っていたことと違った!という点はありましたか?
A. あったあった!さっきも言ったように、G20に際してのルール作りなどに携わりたいと思って応募を決めたんだけど、結局そこにはあまり触れられなかったことが一番驚きとしては大きかったです。
というのも、日本人とアメリカ人はセキュリティレベルが違ったので、日本人である私は、経済や政治に関わる資料は一切触れなかったの。パソコンも違うし、持ってるネームタグの色も違うし、日本人とアメリカ人で「ここまではいいけどここまではだめ」っていうのがはっきりしてたので、結局最終的に私がみたかったような security policy 的な部分はきちんとみることができなかったことを覚えています。

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ーーずいぶん規制は厳しかったんですね。インターンのポジションが普段はない国務省での初日はどうでしたか?
A. 一番最初の日はね、指示も案内もなくてびっくりしたよ!私の直属の上司が総務部長だったんだけど "Hi, nice to meet you, so here is your desk. good luck!" って言われて。「え、ぐっどらっく…?どうしよう…」って感じだよね。パソコンのログインの仕方がわからないから、ITオフィス行ってセキュリティチェックをお願いするところから、全部自分でやりました。放任主義やば〜、と思った。しかも私、周りの英語がネイティブの職員とか他のインターンに比べて英語がしゃべれないじゃん。だからすごく不安だったのを覚えてる。

ーーそうですよね。仕事としては、どんなことをされていたんですか?
A. 仕事は、私は総務に配属されていたので、当初は会議に入って通訳したり、転勤する外交官の書類の手続きなどの人事関係をメインにやってたかな。
それに加えて、仕事をする中で信用してもらえたら他の広報のこととか、政治経済のこともちょこちょこお手伝いさせてもらえるようになった。高校生の英語キャンプのオーガナイズをやったり、農林水産部と一緒にナッツ等アメリカの製品を日本で広めるイベントを開催したり(笑)。でも、基本的には議事録をとることや通訳をすることが主でした。

ーープロジェクトとか、結構任されてた感じなんですか?
A. 最終的にはプロジェクト任せてもらえるまでになったんだけど、最初は全然だったよ!私の他に、アメリカの大学から2人インターンしていたんだけど、その子たちは経歴がすごい子達だったからどんどん任せてもらえてた。最初から、市民課のビザを新しくするプロジェクトを任されていたり、私よりも裁量は大きかったみたい。アメリカ社会なので、使えないやつは使えないし、できるやつは仕事をどんどん任せてもらえるって感じなの。
でも、私は最初から任されていたわけではなかったので、小さなことからコツコツ「私これやりますね!」って宣言して実行するのを繰り返してました。

ーーなるほど。最初から自分で仕事を見つけていかないといけないのって、すごくハードルが高そうに思います…。まずどういうところから始めたんですか?
A. もらった仕事は秒速で、しかも確実に正確に終わらせて、その後にオフィス見て、やりにくそうだなと思ったところから始めたよ。例えば、「コンピューターの中のファイルがぐちゃぐちゃになってる!」とか、「ここに置いてあるファイルがABCD順じゃない!」とか、そういう困ったことがあるのを見つけると、率先して整理したりラベリングしたりしていました。自分ができそうなことを「これやります!」って宣言して、やる、みたいな。だから、結構ほんとにちっちゃいことからです。小さいことの積み重ねの末に、最後に広報を一通り任せてもらえたときは嬉しかったな。優秀な外交官を駐大阪・神戸米国領事館に駐在したいって思ってもらうための広報物を作る仕事を、全部パッケージで任せてもらえたんです。

ーーすごい!プロジェクトを任されて、どんな気持ちでしたか?
A. すごく不思議な感じだったよ。私インターンの一人の学生だけど、外交官とかに「今からミーティングするよ〜」って電話したり、「リーダーこれでいい?」って言われたり、「こうして欲しいから、あの書類頂戴」とかお願いしたり、そういうことをやってたの。そういう雰囲気ってアメリカ独特なんだろうな、って思った。正社員みたいに仕事を進めさせてもらってたの。

自分のできることから少しずつ、でも確実に仕事をこなし、信頼を勝ち得たはなさんの根気強さと行動力には脱帽です。目の前のことに誠実に向き合ってきた姿勢は、見習いたい!これまでは留学中のインターンシップについてお話を伺って来ましたが、その業務内容から、決して楽な仕事ではなかったということが伺えます。はなさんはどのように留学中に学業とインターンシップの両立をしていたのでしょうか?伺ってみました。


授業との両立について|ストイックに自分を追い込む留学生活

ーー秋セメスターのスケジュールを拝見すると、予定がぎっしり詰まっていますね。日中にインターンシップが入れられていたようですが、どのように調整していましたか?

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【留学中のはなさんの1日】

A. 今まで話してたのは私が夏休みに参加していた、在日米国国務省でのインターンだったのですが、秋学期は、日本の外務省の一部である、在米国日本大使館で働いてたんです。
外務省では、9時から17時まで、もしくは残業を終える時間までインターンをして、夜に授業いくって感じだったかな。

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【外務省でのイベントの様子】

ーーAIUだと授業は日中がメインですが、授業は夜にも開講されていたんですか?

A. 1日に同じ授業が2個、違う時間帯にあったんです。なので、私は夜のものをとってた!というのも、私の留学先の大学の学生はインターンしてる人が多かったの。政府で働きながら大学に通う人とかも沢山いたんだよね。だから基本的に、同じ授業が日中にも夜にもあるみたいな感じでした。私も秋セメはインターンをしていたので、授業は夜のものをとるようにしていたよ。

ーーそうなると、秋セメは授業夜に受けて、夜中の3時まで課題して、朝またインターンに行って…って生活をされていたんですか…?体調を崩してしまいそう…!

A. そうそう、そんな感じ。だから秋学期の成績は見せられない(笑)しかもね、別にこれでよかったと思ってないからね!

ーーえ、そうなんですか!?

A. あの時インターンせずにもうちょっと遊んでおいてもよかったのかな?と思うよ。例えば、DCの美術館全部コンプリートするとか、もっと友達と遊ぶとか。もしくは、その時間を、進路本気で考える時間にするとかもよかったんじゃないかな、と思ってます。いろんな時間の使い方の選択肢があったな、と今振り返ると思うよ。
でも、私は、なにかやっていないと心配になっちゃう人なんです。だから予定を詰めてインターンをして、がむしゃらに頑張っていました。

活動的にインターンをこなしていたはなさん。その背景には、つねに挑戦し続けたい彼女の性格がありました。
留学中にさまざまな経験をしてきたはなさんは、落ち込んだり、辛くなったりしたことはなかったのでしょうか…?

できるできないじゃなくて、やるやらない|挑戦を続ける理由


ーーアメリカのワークプレイスって、他者との比較が日本よりおおっぴらに行われているイメージがあるんです。実際のところどうだったんでしょうか?

A. 比較がおおっぴらに行われる…それはほんとにそうで。でも正直、日本でも海外でもそこはあんまり関係ないかな?と思ってる。会社とか、自分がすることによっても全然違うとも思う。例えば、今私は日本でオンラインのインターンしてるんだけど、比べられるのがめっちゃキツくて。やっぱりロジックができる人が解決策を提示できて、価値のあるアウトプットを出せる、ってときに、私はどこが問題なのかとかもわかってないし、データ分析もできないし、エクセルも使えなくて苦しかったりする。日本国内でも比較の苦しみはあると思う。

ーーたしかに日本海外の二項対立というよりも、「そのような職場がある」ってことな気がしてきました。

A. そうそう。でも海外だと、現地の生活に慣れてなかったり、物価も高くて生活が大変、英語の環境の中で自分だけネイティブじゃない!!ってプレッシャーが二倍三倍になって、すごくネガティブなところに目が向いちゃうと思うんですよ。多分それは全員同じで。海外にいるかいないかに関わらず比較の苦しみや劣等感ってどこにでもあると思うんですけど、そこで折れなかったら、「自分を違った環境に置く」っていうのは『他の人と違うところはどこかな』、とか、『自分にしか出せない強みとか自分だけの持ってるものとかってどこかな?』って考え直すいい機会になると思う。
私の場合、米国国務省のインターンだったら、自分だけ日本人で比較される苦しみもあったけど、そんな中でも、自分の長所とか得意なところに気づけたと思う。おばちゃんにすごく好かれる能力あるし、日本語使えるし、気づいたら全部の部署の日本人スタッフと仲良い!って気づけた。自分がこれからも将来生活していく中で、どういう場面でどういう強みがあるのかを考えるのには、留学中のきついときはもってこいだと思う。

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【ワシントンD.C.の夕暮れ】

ーーなるほど。自分を違う環境に置くことによって自分を見つめ直すいい機会にする、というのは納得できます。でも、自分を違う環境に置くのって怖くないですか?はなさんは、どうやって自分を奮い立たせているのか、教えてください。

A. 私はそもそも、できるできないじゃなくて、やるやらないだと思っているんです。米国国務省のインターンも、蓋開けてみると倍率めちゃめちゃ高かったし、選んでもらえてラッキーだなみたいな感じだったし。でもね、選んでもらえた理由は、週5でフル出勤できるから!ってそれだけだったんですよ(笑)。面接も国際電話で5分間くらいだったし、私よりも完璧なレジュメの人なんていくらでもいるけど、一番長期間週5でフルで出れて土日もコミットできます!っていう理由だけで私が選ばれたの。だから別に経歴がすごかったわけではない!と思う(笑)在米国日本大使館のインターンも、もともと他の人が決まってたの。でもその人が他の企業でインターンシップがきまったから、セカンドチョイスだった私に席が回ってきて。あの時応募した私がいたから、運も相まって採用に繋がったんだと思う。
だから、できるかなって考える前にやる!って決めてしまうのが私なりのやり方かな。

ーーおお、力強いですね……!

A. 言葉にするとね!(笑) 小学生の頃から、ウォルトディズニーの "If you can dream it, you can do it"っていう言葉を大事にしてて。もちろん粘り強さも重要なのかもしれないけど、縁とか運とかも時には大きく作用すると思うし。だから、自分できるかな、とか心配しなくてもいい。「チャンスがあれば、とりあえずやってみる」がモットーなので、基本的に挑戦するようにしてます。応募しちゃったなら、もうやるしかないから、しんどくてもやる!あとのことは未来の自分が頑張ってくれる!だから、そこまでハードルをあげて考えずに、やってもいいんじゃないかな。オチは、全然すごい人でもなんでもないんだよ〜ってことでした(笑)。

ーー(一同)爆笑

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編集後記
自分なんかが本当にできるんだろうか…
きっと誰しもがそんな迷いや不安を抱いた経験があると思います。でも、その感情はいったん横に置く。あとのことは、あとの自分がなんとかしてくれると一旦信じて、まずはチャレンジしてみればいい。今回の取材を通してはなさんが教えてくれたのはそんな力強いメッセージでした。

「できるできないじゃなくて、やるやらない」
「結果が出るまでやり続ける」
記事中に沢山でてきたこれらの表現を見てもわかる通り、地道に、粘り強く努力を続けてきた方なんだろうとかっこいい背中を見ながら感じました。

インタビューの最後には、「自分はそんなすごい人間とかじゃないし、チャレンジの回数が多いだけ!だれでも最初の一歩を出してみれば、意外と結果はついてくるのよ!」とはなさんのお茶目な姿も垣間見ることができました。やっぱりイキイキと挑戦し続ける姿はかっこいいですね!

"If you can dream it, you can do it."
この言葉にあるように、みなさんの夢の一押しができていたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました!次回の記事もお見逃しなく。

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