新入生向け系所属覚え書き
はじめに
記事の系所属に関する部分は全て無料です。
ざっくりとした系所属の説明
この大学では、系所属といって、1年生の間は基本的にどの学生も同じ授業をとり、(学院ごとの特別な授業はある)2年生へ進級する際に各個人が学科(系)を決めるというシステムがあります。もしも志望した系が定員オーバーだった場合、成績によって決まる系所属点が高い人が優先的にその系へ進めるということになっています。
具体的には、必修の上位17単位、選択科目の上位14単位の計31単位の成績合計点が系所属点です。
必修と選択について
上述の通り、必修科目にはあまり余裕がありません。というのも、必修科目は計23単位で、しかもそのうちの2単位は系所属に使えない(※1)立志プロジェクトだからです。なので、前期にある必修科目はなるべく手を抜かないようにしましょう。特に線形と微積は各2単位なので、ここで大きく失点すると後が大変だと思われます。一方選択科目は、25単位のうちから上位14単位が選ばれるのでかなり余裕があります。僕はあまり選択科目には熱をいれていませんでしたが、ここで9割をたくさんとって系所属を有利に進める人も見られました。前期でやらかしてしまった人は選択科目で挽回を狙っていくといいでしょう。
科目ごとの説明
各科目について、個人的な振り返りも兼ねて紹介します。
この大学では、クオータ制といって、4学期制をとっています。
時系列は1Q→2Q→3Q→4Qです。
筆者が特定されるのを避けるために、教員の名前は伏せます。
線形代数学第一(1Q)
最初にいくつか説明があります。
まずは、自分の取った、あるいは取るつもりの授業の教員の名前を下のような表記で授業科目名と併せてツイッター上で検索するといいです。
例:鈴木→szk
場合によっては、比較的重たいレポートや大変なレポートを出すことや、グループワークの有無を確認できます。地味に有用です。
また、正直な話をすると、必修の授業クラスは教員によってやることが全然違うので、点数の取りやすさなどがそこに左右される場合もあります。
さて、自分のクラスの担当だった教員は有名な毎週4問のそれなりに難しいレポートを課す先生でした。線形代数は入学前からある程度やっていたのですが、それでもレポートや定期テストで苦戦することがありました。中間テストで失敗してしまったけど、レポートを頑張っていた分で9割来たので、この教員は噂ほど点数が来づらいことがなかったと思います。(授業期間に大変な教員に当たってしまったかも。と思っても悪い点数になるとは限りません。継続して課題をだし続けることが重要です。)個人的には、むしろやりごたえもあって、しかも行列式の特徴付けのような発展事項まで紹介してくれたのでめちゃくちゃ面白かったです。(補足:初週の小テストが初週なのにかなり難しくて正直面食らった。後から知ったが内容は東大出版の線形代数に載ってる問題)
英語第一(1Q)
テストの内容はクラスによって単語文法テスト、リスニング、暗唱、自由英作文など様々らしいです。英語苦手だから眠かった以外の記憶ないです。
無機化学1Q
軌道をメインに扱った。
正直授業は全然ついていけなかったので、定期テスト前に全力で教科書丸暗記したら9割きた。ラッキーです。(クラスによっては章末問題の応用問題や、難しい論述問題が出されるので、その場合多分これだとうまくいきません)
力学基礎1、21-2Q
よく噂されるかなり難解な授業をする教員に当たりました。
他の教員は普通のB1レベル力学における具体的な考え方を教えるなかで、この教員は抽象度の高い授業をしていたように思われます。
しかしながら、教科書をよく読むと、実はB1教養レベルの力学(見かけの力の導出や、天体運動の考察、慣性モーメントの導入など)をカバーしているのですが、その前に、さまざまな対称性と✝️軌道因子✝️の導入や、それらを用いた力や定義(いくつかの対称性を仮定した微小な衝突を素過程として、やりとりされる物理量を運動量として定義し、それを時間微分したものを力と定義したんだっけ?もう詳しく覚えてない)をする方に目がいって普通の力学の内容が見えづらくなっているのが難しく感じる要因だと思います。
テストは定期テスト前に教科書を熟読しましょう。それ以外にできることはないです。(その方法で力学は両方満点取れました。)
物理演習第一 1-2Q
この授業は自分の取っている物理のクラスの内容と連動していて、隔週で2クオータにわたって続きます。内容は、挙手して登壇問題を解説することとレポートの提出です。
クラスによって演習の内容をテスト勉強に使えたりするらしいですが、自分のクラスでは、そういう恩恵はなかったと思います。上述の通り、難解な講義であるため、演習の内容もレポート、登壇問題ともに難解でした。〇〇を論ぜよ。という形式の問題には特に頭を抱えさせられました。
しかしながら、TAさんの手厚い指導や助力をいただいて、なんとか切り抜けたという感じでした。頑張れば満点も来ます。レポートは提出前にミスがないか確認しましょう。
物理学実験第一、第二
この授業は隔週で2クオータ続けてあります。
第一では力学、第二では電磁気の実験をします。
実験計画書を書く→実験をする→実験レポートを作るという流れです。
実験の難易度はそこまで高くなくて、しかも9割取りやすいので、おすすめ度高いです。履修が確定すると、メールが届くので、そこにあるリンクから実験の説明動画などを見ることができます。これを使ってクオータの最初に実験計画書を全部書いちゃうと楽かもしれません。
立志プロジェクト1Q
動画を見て感想を書いて発表する授業
いろいろ工夫して効率的に感想書きましょう。(それ以上かいたら怒られそうで書けない)
科学技術の最先端1Q
初回以外行ってない。
単位は取れた。
情報リテラシ第一(1Q)
自分は地雷といわれる教員に当たりました。課題のクイズの日本語は曖昧だし、最終レポートは何を求められているか分かりづらくて、提出期限も短かったからとても大変でした。
生命科学基礎第1 1、2Q
前期で一番難しい科目だと思う。(一番勉強したのに9割取れなかった)ほとんどの学生が生物未履修なのに、ものすごい勢いで内容詰め込んで来ます。その上内容も簡単ではない。正攻法で点数取るのは難しいから、何らかの方法で過去問を入手するのを薦めます。楽に高得点欲しい人は担当教員が変わった範囲の内容だけ真面目に勉強するといいですよ。
微分積分学第一2Q
前期の微積はεδを扱いません。テイラー展開のランダウ記号による表記や、
多変数の微積分などの物理や工学の分野で必要となる微積分の方法をざっくり学ぶという感じです。
レポートを丁寧に仕上げて、テスト前にガ勉しましょう。運がいいと100取れるし、ツイッターを見ても9割越えてる人が多かったので頑張ればいい点来ます。
情報リテラシ第2(2Q)
TeX、Googlecolab、メモ帳、プレゼンなどのやり方講座。授業切っても課題を真面目にやれば普通に100狙えます。
TOEIC対策セミナー(2Q)
トイクの演習をします。文法やリスニングメインです。僕は英文法とリスニングは、英語のなかでも一番苦手な部類だから大苦戦した。いい思い出がない上に点数も渋かった(そもそも英語できないのにこれで点取れる訳ないのが道理ですが)ツイッターによると、英語科目はTOEFLセミナーやスピーキング演習が点数来やすいらしいです。
英語第二(2Q)
クラスによってはプレゼンがあります。パワポ使えるようにしておこう。
有機化学基礎(2Q)
前期では生命科学基礎の次に難しい必修科目。立体的に考えないといけなかったり、電子の行き先を考えたり、軌道の重なりを考えたり、難しいことがたくさんあります。定期テストは難しめのクラスで、教科書の章末問題やその発展問題、授業で扱った内容に関する正誤問題など、普通に入試化学くらいの難易度感あった。
ウェルネス 1-2Q
ウェルネスは特殊です。2クオータ連続ないし、合計2クオータ分履修して1単位の扱いです。これは要するに体育です。満点狙えるという言説が見受けられますが、運動が苦手だと全出席でも9割取れなかったりします。高校で体育に苦手意識あった人は点数に期待しない方がいいです。
情報理工学基礎1 (2Q)
情報のための集合論の基礎を学べます。この授業では、濃度についてまで学ぶことができます。1年生の授業で集合論を扱う授業は他になかったと思うので、興味がある人は取ってみるといいです。成績は最終レポートで決まりますが、かなり本気で取り組まないといい点数は取れないと思います。
健康科学概論 1Q
クラスによってやる内容が変わります。シラバスでどのクラスがどの内容をやるのか把握しておきましょう。
睡眠や、メンタルヘルスなど健康の勉強をします。
これはこの授業に限った話ではないのですが、成績のつきやすさもクラス次第で、全体的に履修人数が少ないほど成績がつきやすいように思われます。
国際関係論(2Q)
近代の日本や諸外国の政策や思惑、米軍基地問題などを扱います。
先生の話の進め方が上手で、内容も面白かったから楽しめましたが、レポートの書き方がよく分からなくて苦戦しました。
線形代数学第二(3Q)
前期までの行基本変形をガチャガチャと計算していたものよりも抽象度が高いと言われています。
ざっくりした流れは、ベクトル空間や基底、次元などの定義を紹介したあと、対角化や、シュミット直交化法によって直交行列による対角化の方法、またそれらが可能な条件を示していくというものです。
成績については、ツイッターを見ている限り、正直後期の線形代数のほうが点数つきやすい気がします。教員によっては満点をねらえると思います。
線形代数学演習3Q
後期の数学は必修から外れるだけでなく、演習と講義がバラバラになります。演習を取れば問題に取り組むことを通して楽しく理解を深められるから、講義を取ったら演習も一緒にとるべきだと思います。演習で出される問題は、先生が学生に考えて欲しいと思って選んだ問題を出されるので、その学習効果は高いと思われます。それに線形代数の演習も点数は来やすいです。
電磁気学基礎1、2(3-4Q)
クラスによっては物質内の理論をやったりやらなかったりしますが、そこまでクラス間の差は大きくないように思います。
自分のクラスはそこまで発展的な内容をやらなかったので、楽でした。満点は狙えると思います。
物理学演習第二 3-4Q
講義と連動した登壇問題、レポートをやる授業です。レポートを提出する前にミスがないか確認してればいい点もらえるし、勉強にもなるから取りましょう。
量子化学基礎(3Q)
高校の原子物理(前期量子論)のおさらい→シュレティンガーから波動関数の挙動を調べるというのを、箱形ポテンシャルから2原子分子までやります。
講義資料がとても分かりやすかったので、勉強がやりやすかったです。授業の難易度でいえば、正直有機化学のほうが断然難しいと思います。これも基本的に9割狙えると思います。
化学熱力学基礎(4Q)
前半は高校の熱力学と大差ないです。後半は化学平衡の条件を熱力学を使って考えます。授業の難易度は化学のなかで一番低いと思います。
図形科学とcg(3,4Q)
3qと4qでそれぞれありますが、まとめて書く。
3qでは、前半は製図、後半はcgをやります。製図の採点は結構厳しめなので、不器用な人は注意です。後半は与えられたプログラムを改造してcgを作成して提出します。最後に、cgに関する数学の課題が出ます。要改造部分が出せない場合は、一回プログラムを実行してそのままプログラムの画面に戻るとソリューションエクスプローラが画面端に現れるので、そこをクリックしましょう。4qのものは、3qのcgの続きをやります。
コンピュータサイエンス第一第二
プログラミングの基礎を学べます。配布資料の説明が丁寧なので、プログラミング初心者でも気軽に履修できます。
データサイエンス
講義資料を見てクイズに答えたり、プログラミングをやったりします。
これも気軽に履修できます。
宇宙地球科学(3Q)
2単位分もらえるから履修した。レポートを2枚書いて単位が取れる。
履修者が多かったから、本気でレポートを書かないと点数は渋かったかも。
微分積分学第二(4Q)
εδ論法をやります。εδ論法を用いると、チェザロ平均のような極限についての非自明なさまざまなことが証明できますし、例えば複素解析を勉強するときに定理の証明を追うのであれば、ある程度εδ論法の知識があったほうがいいから、工学系の人であっても履修して役に立たないということはないと思います。
英語第三(3Q)
後期の英語はリーディングライティングとリスニングスピーキングで別れます。それ以外に書くことないです。
言語と文化(3Q)
言語を勉強します。個人的に文系教養のなかで一番楽しかった。
最終レポートでそれまでの授業内容についてを求められるので、授業ノートはそこそことっておきましょう。
スポーツ科学4Q
授業を聞いて、それを600字以上でまとめて提出を繰り返します。構成は授業内容+感想で大丈夫でした。頑張ればいい点来ると思います。
※1:厳密には立志プロジェクトは点数0点扱いで系所属に使えます。もしも必修単位をいくつか落とした場合、他に使える必修科目がなければ、立志プロジェクトを使って進級する場合があります。
最後に
ここからは系所属と関係のない身の上話です。ここから先を読んでも系所属にとってアドバンテージはありません。
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