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不妊治療の実績

2024年4月18日の読売新聞朝刊に「主な医療機関の不妊治療に実績(2022年)」という表が載りました。
読売新聞が高度な不妊治療を行う施設として日本産科婦人科学会に登録された617施設に、22年の診療実績などを調査し、198施設(回答率32%)から回答を得、体外受精の胚移植80件以上の施設を掲載したというものです。
この表が実態を把握できているものなのか? そうではないですね。この表に多くの有名なクリニックの情報は出てないです。回答しなかったということですね。
 
私は神戸の大谷レディースクリニックで昨年まで10年間以上遺伝カウンセリングをしていました。当時大谷レディースは日本で唯一多くの着床前検査(PGT-A、PGT-SR)の実施を公表しているクリニックだったので、全国から患者さんが検査を受けたいと来院されました。PGTを受ける前には必ず夫婦で遺伝カウンセリングを受けていただくということになっていましたので、5000組以上の患者さんと話したということになります。患者さんの話からどこのクリニックでどんな治療をしているのか把握しています。千差万別、信じられないくらいピンからキリまで色々です。
PGTを受けるにも、高度生殖医療を受けるのにも、実施施設の技術力が結果に大きくかかわってきます。各クリニックの実力を患者さんが把握して受診施設を選ぶことができる仕組みを作ることが必須だと思います。今の仕組みではクリニックの実態は患者さんにはわからない。
高度生殖医療の実施状況はすべて産科婦人科学会に報告する義務があるのですから、患者さんのための学会なのであれば、各クリニックの治療結果を明示するとともに、日本の生殖医療の水準を上げるために力を発揮してほしいと考えます。

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