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守破離!

皆さんは「守破離」という言葉を知っていますか?

守破離(しゅはり)は、日本の茶道や武道などの芸道・芸術における師弟関係のあり方の一つであり、それらの修業における過程を示したもの。日本において芸事の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想で、そのプロセスを「守」「破」「離」の3段階で表している。

Wikipedia

私は白井鐵造演出の『パリゼット』は守破離だと思うんです。

『モン・パリ』の全ての振付をした白井鐵造に小林一三は洋行を命じました。

半年で日本に帰る予定でしたが、白井先生はパリレビューのあまりのすごさに、半年では足りないと判断。ちょっと観て似たようなものを作るのではなく、パリの生活に身を置いてパリの文化を自分の中に染み込ませようとしました。

安い下宿を借り、フランス語を勉強し、タップダンスを習い、劇場に通ってアイディアをノートにメモする毎日だったようです。

↑ここが、守(型を徹底的に守る)だと思うんです。

田畑きよ子さんの『白井鐵造と宝塚歌劇』に、白井先生が劇場(パリの前に滞在したアメリカの劇場)に通って書いたノートの内容が載っています。その一部を紹介します。

「階段に腰かけ足と手の運動、隣の肩を叩いたりヒザを打ったり、足を上げたり下げたり、引っ込む場合も後ろと前向きになり手と足の運動をしながら退場」

田畑きよ子『白井鐵造と宝塚歌劇』、青弓社、2016年、94-95頁


これを読んだ時、すごく一生懸命さが伝わってきて、白井先生を近くに感じました。

1秒も見逃すまいと舞台に向き合っている姿が想像できます。

白井先生はスポンジのように、パリの生活や文化を自分に浸透させた。そして少女歌劇とレビューを融合させ、『パリゼット』を作った。

↑ここが、破(既存の型を破る)

そして、パリゼットの後も数々の作品を自分の中から創作した。

↑ここが、離(型から離れる)

パリの生活にどっぷりつかってパリの人の生活、文化を体感したから日本に帰って素晴らしい、唯一無二の創作ができたんですね!

『パリゼット』は客席が舞台の素晴らしさに圧倒されて声もでなかったと…空前の大ヒットで3ヶ月の続演に!東京にも来てほしいと熱望されて東京の劇場ができるきっかけにもなったそうです。

パリに魅了され、パリを愛した白井先生。
パリでの経験が、宝塚レビューの基礎を作ったんですね!

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