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「こども誰でも通園制度」の現状整理


こども誰でも通園制度とは?

「こども誰でも通園制度」は、時間単位で子供を保育施設に預けられる制度です。従来の保育制度では、親が仕事や病気で育児ができない場合にのみ、子供を預けることができました。しかし、この新しい制度では、親が子供を見られる状況でも保育施設を利用でき、条件を満たせないために保育園に通えなかった子供も、時間単位で利用できるようになります。

こども誰でも通園制度の概要

実施主体:市区町村
対象:0歳6ヶ月~3歳未満の子供
利用できる施設:保育所、認定こども園、幼稚園、地域型保育事業所等
利用時間:月10時間以内

こども誰でも通園制度の目的

保護者の育児負担を減らす

「こども誰でも通園制度」は、保護者の育児負担を軽減することも目的としています。育児は大変なエネルギーを使うもので、家でずっと子供の面倒を見ているのは簡単ではありません。働いていないために保育園を利用できず、負担を感じている人も多いでしょう。この制度は、少しの時間でも子供を預けることで、保護者が息抜きでき、育児による体力的・精神的負担を減らすことを目指しています。

子育てについて相談できる場所を増やす

2つ目の目的は、子育てについて相談できる場を増やすことです。保育園に通わせることで、他の保護者や保育園の先生と交流し、子育ての悩みを相談できる機会が増えます。しかし、保育園に通わせられない場合、こうした交流や相談の場が得られにくくなります。この制度により、より多くの人が保育園を利用でき、子育ての不安を解消できる場を提供することを目指しています。

問題点

保護者から見た問題点

・利用可能時間が短い

「こども誰でも通園制度」は便利ですが、問題点もあります。特に、月に10時間までしか利用できないという短さが課題です。週に2~3時間しか使えないため、毎日通っている子供たちと比べると時間がかなり少なく、子供同士の交流や保護者の負担軽減に十分な効果があるか疑問視する声もあります。

・希望する園にこどもを預けられない可能性がある

「こども誰でも通園制度」のデメリットは、希望する保育園に子供を預けられない可能性があることです。保護者は希望する保育園に通わせたいと考えるのが普通ですが、保育園の受け入れ人数に限りがあるため、制度が導入されると入園希望者が増え、倍率が上がる可能性があります。そのため、空きがある保育園でも簡単に預けられなくなるかもしれません。

保育士から見た問題点

・安全面の確保

「こども誰でも通園制度」の問題点として、保育士が考えるのは安全面です。制度が始まると、保育園はより多くの子供を受け入れることになりますが、保育士の数がすぐに増えるわけではありません。1人の保育士が見る子供の数が増えると、1人1人に十分な注意が払えず、安全面が不安になる可能性があります。既に保育士の配置基準には課題があるため、安全を確保する工夫が必要です。

・保育士の人材不足

保育士の人材不足がさらに深刻化する可能性があります。制度が始まると子供の数が増えるため、保育士が不足するのは当然です。もともと保育士は長時間労働や低賃金が原因で不足しており、志望者が減り退職者が増えています。制度の実施前に、保育士不足を改善するための環境整備が必要です。

こども誰でも通園制度と一時預かり事業の違い

参考:こども家庭庁
参考:こども家庭庁


「2024/6/26 こども誰でも通園制度の制度化、本格実施に向けた検討会(第1回)」の発言を基にした違いの整理

  • 目的の違い:一時預かり保育は、保護者の急な用事や仕事、病気などの際に子供を一時的に預かることを目的としています。保護者の都合に合わせたサービスです。一方、「誰でも通園制度」は、子供の成長を目的とし、他者とのつながりや社会的な体験をさせるための場を提供します。保護者の都合ではなく、子供の成長や発達を重視します。

  • 利用条件の違い:一時預かり保育は必要に応じて保護者が利用しますが、「誰でも通園制度」では、月に一定時間(例えば10時間)子供に体験させることが重視されます。

  • 保護者の意識:一時預かり保育は、保護者が「子供を預ける」という意識が強いのに対し、「誰でも通園制度」では、子供の成長のために積極的に利用するという意識が強いです。

<実施自治体一覧(令和6年8月30日時点) (cfa.go.jp)>
<こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会(第4回)|こども家庭庁 (cfa.go.jp)>
<20240710_councils_newkyuufudaredemotsuuen_38a0a6ec_13.pdf (cfa.go.jp)>




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