50sを取り巻く環境|切捨てゴメン世代
私が入社したのは男女雇用機会均等法以後である。
社会全体が女性の活躍を期待する気運であった。
総合職として
結婚よりも、仕事を優先する女性がたくさん居た時代。
それ以前の、能力よりも容姿で採用される時代に対する反発だった。
皆モーレツに仕事した時代だった。
会社の先輩には、
旦那と子供を残して
母親である自分だけ単身赴任する女性先輩も居た。
ハイヒールで、メイクばっちり、ミニスカートで模型を作る先輩や、
女性の色気を使って作業所員に指示をするたくましい先輩も居た。
おかげで、女性の建築士もよく見かけるようになった。
そこまでは頑張れない中庸な感じで私は仕事をしていた。
だから結婚も出産も成り行き任せで、仕事を続けるのもまた成り行き任せだった。
私の環境が一変したのは
2016年4月から施行された女性活躍推進法以後である。
それまでは女性総合職はあっても管理職は全くいなかった。
その年から女性も管理職登用が始まった。
同時に転勤のある職か、無しの職か、を選択しなくてはならなくなったのである。
これは不平等だった。
女性活躍推進法以後に入社した人には管理職試験を受けさせたが、
それ以前に入った女性には機会を与えなかった。
現在の50代は取り残されたのだ。
会社でも切り捨てゴメン世代と呼ばれている。
しかし何故か、転勤の有無は回答しなければ、いけなかった。
転勤可を選択した女性は
見せしめのように2年に一度転勤を命じられ、
転勤のない女性は講習などの会社の教育制度を受けられなくなった。
もちろん管理職試験も受けられない。
男性で2年に一度転勤を命じられる人など全然居なかったから
これは会社の差別である。
とにかく以後、女性社員は皆震えあがっていた。
転勤対象にならないように
なるべく目立たないようにするしかなかった。
私も女性3人以上で話すと目立つので、
会社では固まらないよう雑談すら気をつけた。
女性同士協力するなんて夢のまた夢だ。
そうして
私は意見の言えない、
ただひたすら静かに仕事をする50代女性になっていったのだ。
しかし女性活躍推進法以後に入社した女性は元気だった。
昇進して我々の上に立つと、
昇進していない50代女性にはこうした背景があるのを
知らないので、
平社員と聞くと、ただ仕事が出来ない人という扱いをした。
気持ちよく協力できる環境ではなかった。
とにかく明日も同じ会社で同じ部署に居られることを優先した結果だった。
諦めていた。
しかし、女性活躍推進法以後に入社した女性が幸せかというと
そうは思わない。
私の世代は男性の中で揉まれ、雑用もたくさんやり、大変だが、仕事が出来るようになっていた。
女性活躍推進法以後に入社した女性は
会社のポーズとしていろんな会議に出て、
いろんな仕事を兼務し、
子育てに配慮ということで集められ、まとめてグループとして座らされていた。
いつ帰ってもよい環境を整えられ、喜んでいる。
どうでもいい会議には必ず彼女たちが選ばれていた。
また、
成果に対してもゲタを履かせてもらっていた。
若い女性を活用しているということが、男性上司の手柄になるからである。
しかし仕事を覚える機会は失っている。。。。
オジサンと同じく、将来、転職できないだろう。
さて自分のことに戻そう。
我慢するか、辞めるか。
50代の女性にとってその2択はどちらも
険しい道のりです。
どの道、女性の活躍なんて全然進んでいないのだ。
でもね。
50歳女性は実務に長けるという武器があるんです。
あと10年。
1度しかない人生だから
体力のあるうちにスキルを発揮しなきゃ。
ここから出なくちゃ
やっぱりダメだと思う。
ロールモデルはない。
ITの部署への異動だって
リスキリングさせてもらったと感謝しなければいけない。
皆さんの会社でのシニアの扱いはどうですか
50代後半から輝く道はあるのでしょうか
今日はここまで
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