原田病闘病記①発症
突然目が見えなくなった。
目に映る全ての物に焦点が合わず、
「なんとなくスイッチ」「たぶんリモコン」
と、物の輪郭が曖昧な世界になってしまった。
当時私は、コロナに罹患して自宅待機中だった。
4年目で初コロナ。
症状自体はたいしたことないものの、とにかく喉が痛くて、友人から香港土産でもらった京都念慈菴ののど飴しか効かなかった。
京都念慈菴、最強最高。
療養期間中は一歩も家を出ず、半径1メートル以内の景色、もしくはベッドの上でだらだらとスマホやテレビばかり見ていたので、「まあ、よく分からないけど目が疲れてるんだろう」と、最初はあまり気にしていなかった。
しかし翌日。
コロナの自宅療養期間が終了し、仕事に復帰するはずの日、眼鏡をかけても景色が変わらない。
眼鏡よりも度数の強いコンタクトを装着してもやはり見えづらい。
えっ視力ってこんなに急激に低下する?
鏡で見ると、両目とも真っ赤に充血している。
目の疲れでしょうと、へらへら呑気に構えていた私の頬を平手打ちされたような気分だった。
しかし、私は『K2』の愛読者。
「異変を感じたらすぐに病院に行け」という教えがしっかりと刻み込まれてる。
※ 真船一雄 作。医療漫画の金字塔。コミックDAYSで400話無料公開を機にどハマりする。
「すぐに病院に行って偉いな」と怖い顔して褒めてくれるK先生を胸に、仕事に復帰するよりも先に眼科にかかることに。
終わり次第仕事に行くつもりだったため、コンタクトの処方を出してもらっている馴染みの眼科ではなく、職場近くの眼科へかかったのだが、
これが間違いだった。
つづく