【朝の食卓】沖縄の話
先日は朝から笑い声をあげていた相方が、今朝はなにやら困惑の様子。
朝の食卓の開口一番「ねえ、沖縄の問題って知ってる?」と切り出された。
ん〜。何のことを言いたいのかな、と思って黙って次の言葉を待つ。
「知り合いから、沖縄の人の講演会があるから聴きに来てと誘われたのだけど、オスプレイ反対、とかって話らしいのだけどどうなのかしら。」ということらしい。
正直言って、この問題には触れたくない。
ただ私の住んでいる北国でも違う形で類似の事柄が進行しているので、少し自分の整理のためにも書いてみる。
これは個人的見解であることをお断りしておく。
おそらく件の講演会は、沖縄米軍基地の是非に関するもので、非の方、つまり米軍基地は沖縄からなくなってくれた方が良い、という立場からのものだと想像して話を続ける。
先に結論から言えば、これはアメリカと中国のどちらが良いか、という選択の話だと思っている。
そもそも、アメリカと中国、という対立軸の存在すら情報操作によるものではないのか?と思っているが、そのことには今回は触れない。
それで以前から中国が台湾を占領支配したら、次の狙いは沖縄だ、ということはネット上では言われていて、もうそれは世界中の常識だと私は思っている。
アメリカの軍事シュミレーションのデータをちらっと見たが、もう中国との戦争シナリオは完璧に出来ていて、後は「それがいつ始まるか。」の問題でしかないのでは?とさえ思ってしまった。
そのシナリオの中で、当然沖縄は地政学的に最重要ポイントになっている。
日本人がもし知らないとすると、知らされていないからだ。そしてなぜ知らされていないのか、というところに現代の日本の怖さがある、と思っている。
良い悪いは別にして、現在日本の国防はアメリカとの安全保障条約によって担保されている。
日本国憲法が平和憲法と言われ、戦争放棄を掲げているから日本は戦争をせずにすんでいる、と信じている人は日本という国、あるいは民族に対して悪意のある人か、騙されやすいお人好しと言われても仕方がない。
危機を煽るつもりはないが、世界はすでに不穏なゾーンに入っていると思う。
中立的立場の外国人の友人がいるならば、一度聞いてみてほしい。
それでなぜ、アメリカと中国の選択か、ということだが、古今「争いは力の空白地帯の発生が原因だ。」と言われてきた。
世界の戦争の歴史をみてみると良い。
今回の沖縄の話は「沖縄を力の空白地帯にしよう」と言っているのだ。アメリカが沖縄から出ていけば当然そうなる。
今の日本の国防力では、単独では日本を守りきれないかもしれない。
やってみなければわからない、というのは非常に無責任な発言だ。
言ってみれば、戦争とは巨大な利害が絡んだコミュニケーションとも言える。
交渉が決裂した場合に残る最後の手段の行使が戦争、ということになる。
お互い人間同士、話せばわかる、と信じるのは勝手だが、これまでの人類の歴史を見れば、それはあまりに楽観的すぎるというものだ。
人間の《本質》は素晴らしいが、同時にその現実は非常に動物的でもある。
二面性をもつ人間の、その現実理解に基づく対応をしなくてはいけない。
我々はけして嘘をつかない善なる生き物だ、と私が言ったとしたらあなたは信じるだろうか。
我々はけしてあなたに危害を加えるつもりはない、と主張する猛獣たちの檻の中にあなたは丸腰で家族を連れて入っていけるのだろうか。
私には無理だ。
力の均衡のあるところには争いは起きない。強い者同士が向かいあっても睨み合いはすれど、安易に手は出さないものだ。
だからこそ、責任あるものは力の空白、力の不均衡を安易に作りだしてはいけないのだ。
どちらかが弱れば、あるいはどちらかが強まれば力の均衡は崩れ、動き出す。
それまでは表面的には争いなどないかのように互いに振る舞う。
目に見える戦争のはるか前から熾烈な情報戦は繰り広げられているのだ。
もし今回の講演者が「中国」という言葉を一言も言わなかったら"限りなく黒"だと私は思う。
ものごとの優先順位を間違えてはいけない。
オスプレイは確かに地域住民にとっては騒音や危険性のある存在かもしれないが、オスプレイが悪いと言って、米軍基地を追い出せば、地域住民だけでなく、沖縄県民だけではなく場合によっては日本人だけでもない範囲に災いが及ぶ可能性もあるのだ。
そのような重要な可能性を含む問題を語る上でもし、わざと優先順位を明らかにしていないとするならば、そこには隠された真意が潜んでいる。
アメリカが良い、と言っているわけではない、沖縄の人々に米軍基地の存在による負担があるのも理解したい。
しかし、それでも日本人としての立場からは沖縄を中国に明け渡しかねない行動には反対だ。
その立場をとっている人たちにも聞いてみたい、それで沖縄や日本が本当に中国の支配下に入ったとしたらあなたたちは幸せになれると思っているのかと。
私がそう思わない理由、それは日本の文化度が下がりかねないと危惧するからだ。
民族としては退化である、とさえ思っている。中国人がどうこう、という話ではない。
日本人が自ら民度を下げて、不幸を招くような選択をしたくない、ということなのだ。
過去に失敗はあったにせよ、日本という国、その民族には素晴らしい歴史に裏付けられた高度な精神性がある。
戦後の流れの中で失ってしまったものもあるが、縄文から続く調和と共生の文化は我々、現代の日本人の心の底に連綿と流れているはずなのだ。
《宇宙》の秩序を国体に写しだせる可能性を持つ国は他にない。
翻って現在の中国という国、民族は人間が本来持つべき《宇宙の秩序との共鳴》というものを理解、体現できる民度に達しているとあなたは思っているのだろうか。
今の体制と現状で、中国人に民族としての心の平安が存在するのであろうか。はなはだ疑問である。
少なくとも専制政治体制からは民主化されてほしい。民主主義でさえ、まだこれから進化していかなくてはいけないのに、何をか言わんや、である。
日本においても、現在この「民度」は下がり続けており危惧されるところであるが、かの国の侵略を許せば民度の低下は目を覆いたくなるほどになるであろうことは想像にかたくない。
経済力とかの話をしているわけではないのだ。
さて台湾有事の問題は、沖縄の問題につながっている。
沖縄の問題は日本の問題に直結している。かの人物もそのように言っていた。
そして日本の問題は、より大きな人類の進化の問題にも関係してくると思っている。
争わずに進化したい、とは多くの人が望んでいることのはずなのだが、、、。
沖縄問題は自分の「被洗脳度」を測るバロメーターかもしれない。
朝ごはんを目の前にして、相方への回答を考えていたら味噌汁が冷めてしまった。
朝は笑える話題の方がいいと思った今朝の食卓であった。