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【ソ連から持ってきた】空薬莢


MADE IN USSR

 1990年代の初めに、シベリアのヤクーツクという町を一人で訪ねた。その数年前の冬にグループで訪れた際に知り合ったロシア人を頼って。
 歓待してくれたが、ロシア語会話もできない日本人を持て余したのだろう、彼の「友達」グループに預けられて、郊外のハンティングに同行することになった。
 銃を撃ってみろとも言われたが、触ったこともない散弾銃をいきなり撃つのは遠慮して、焚き火を囲んでの宴だけ楽しんだ。季節は秋だったけど外はけっこう寒い。彼らは猟の前にもウオッカをひっかけた。
 その帰りに、オミヤゲに持って帰れと貰ったのがこの空薬莢だ。銃のことは詳しくないが、16と書いてあるから「16番ゲージ」ということか。

 アエロフロートで新潟に到着し、税関へ。向こうで貰ったり預かったりしたものはないですか?と訊かれる。武器弾薬とか無いですよね?ありません。カバンの中身を拝見、とウエストポーチを開く。コロリと出て来たのがこの空薬莢だ。これは?えーと、向こうでお土産にもらいました……。

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