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就活で「死にたい」と思うのは甘えじゃない#1
私が「死にたい」と思ったことは一度や二度ではないけれど、1番ひどいのは「就職活動」の時期だった。
私は帰国してから就活を始めたので、人より遅い就職活動だった。なので、主に外資系企業を受けた。だいたいは最終面接まで行ったが、全て落ちた。就活中は、友人とは違う面接の質問が何故か多かったし、友人には「面接官ハズレたね」とも良く言われていた。それくらい、大人から散々なことを言われた。挨拶してすぐに「女王様感あるよね」と言われたこともあれば、「新卒らしくない」「キャピキャピ感がない」「愛嬌がない」とも言われた。
1番ひどかった日系企業では、私以外みんなが「早慶」「男」だった。面接官はずっとその人たちに質問を振り、私はいないような扱いをした後に「あー、一応志望動機教えて」とだけ質問され落とされた。
私は一応、給付型奨学金をもらうくらいには成績もよくて、1番上のクラスで、卒論だって悪くなかった。就活をしながら「どうして成績や専攻が加味されないのか」「どうして私より学校に来ない子がうまくいくのか」「どうして不倫してるような常識ない人がうまくいくの(私生活だから関係ない笑)」とフラストレーションを抱えていた。何より、香港だと「卒業見込み」「専攻外」では就活はできないのに、どうしてお金を払って学んでいるのに大学1年生からでも内定が出るのか、新卒や年齢にこだわる理由が理解できなかった。
毎日毎日来る「お祈りメール」に、心は疲弊する。親は今時の就活の実態や働き方の実態を知らないので「愛嬌がないんじゃないか」と言ってくる。どこにも味方がいなくて、毎日「お前は社会で要らない人間」「価値がない人間」と言われてるようで(実際そうだから不採用)、私は「死にたくなった」。
面白い動画や感動する歌も映画も、誰の言葉も何も入ってこない。「内定」の言葉以外すべて無意味だと感じていた。何度も手首に刃を立てた。
「不採用」通知が来るたびに、Lサイズのピザやバーガーセットを2個食べては吐いていた。HIP HOPを聴きに好きな強めのメイクと服を着て1人で2時からクラブに行って、友人に会って飲みまくる。これが私の精神を安定させてくれた。そして、ついに急アルで救急車で運ばれた。どうやら、泡を拭いて倒れていたところを知り合いのクラブスタッフとセキュリティが発見してくれたらしい。目が覚めたら、友人とホスト(友人の当時の彼氏)がいた。私はなんだかその状況がカオスで笑えたし、何より携帯品を全て身につけて、発見された時も綺麗に座っていたことを聞いて、「吐いてるところは見せない」ポリシーを貫いたことに少し誇りに思った。
私が救急車で運ばれた話を聞いたバイト先の部長が、「28歳までは人生(仕事)のやり直しはできるんだから」と言ってくれた。
そこで何かが吹っ切れて、企業へのエントリーをやめた。
そして私は、大好きな「ELLE」や「Vogue」を眺めていた時にあるインタビュー記事を読んで、「この人と働きたい」と思った。行動力だけはあった私は、その人の会社に履歴書と共にメールした。そして、あっさり私の就活は終わりを迎えた。・・・はずだった。