舞踏が登場する小説、映画
舞踏が登場する小説(あるいは漫画、映画など)をご存知の方は、教えてください。
読んでみたい。観てみたい。
私が知る限りではこれらである。
1)村松友視『海猫屋の客』 第一刷発刊1986年
数十年前に読んだので結構うろ覚えですが、キク(架空の人物。モデルは誰だろう?小樽の話なので北方舞踏派の誰かだと思う)という舞踏家が登場する。山海塾の墜落事件についても書かれている。
2)立松和平『蜜月』 第一刷発刊1982年
『蜜月』は 橋浦方人監督、佐藤浩市主演で映画化されました。封切り直後に観に行きました。舞踏指導は麿赤兒さんで、音楽は山下洋輔さんです。ライブのシーンでは大駱駝艦の人たちが出演されていると思う。
ストーリーは小説家志望の青年が築地の朝市で働きながら、暗黒舞踏の稽古をしている。その舞踏グループと前衛ジャズのライブの手伝いもする、出版社で編集をしている上流社会のお嬢さんに出会ってどうこう、という話です。
そのお嬢さんを暗黒舞踏の人達に紹介したところ、「貴男があんな人達と友達だなんて知らなかったわよ!貴男、今まで自分のいいところしか見せなかったじゃないの!」と言って泣き叫んだ場面が印象的でした。『あんな人達』ですみませんねw
この映画はもう一度観たい。このリンクから予告編(音楽が素晴らしい)が観られます。踊る場面は出てきません。
3)町田康『告白』(中央公論新社) 第一刷発刊 2005年
小説の内容は舞踏と無関係です。しかし『暗黒舞踏』という言葉が107ページに出てきます。言葉と行動がつながらない主人公の苦悩;精読しないと見逃すような箇所です。
抜粋「例えばトラック競技をしているとすると、村の人はなにも考えずに走っているのだけれども、自らの思弁を現す(原文ママ)言葉を持たぬ熊太郎は、暗黒舞踏を踊りながら走っているようなもので、その内面の事情を知らぬ人から見ればアホにしかみえなかったのである」
自分は町田康のヘヴィなファンなので彼の小説は全て読んでいますが、この『告白』は秀逸です。
4)天使派リョウ2巻 原作:狩撫麻礼 漫画:中村真理子
ビッグコミックスピリッツ連載 1990-1992
スキンヘッドの舞踏家、奥崎(<やたらカッコいい男)が主人エイコの友人、トキエと北海道で金粉ショウをするくだりが出てきます。この加代さんというコワイ顔の元ダンサーにはモデルがいるのだろうか?この人が、いかにも当時いたアングラのお姐さんで、凄くリアリティがあります。
340ページに土方巽も登場しますね。
この作者、題名 が分からなかったのですが、このnoteに出してすぐに教えていただきました。ありがとうございます!さっそく電書を買って読みました。
5)「桃尻娘プロポーズ大作戦」1980年日活ロマンポルノ
全編小樽ロケで北方舞踏派出演
noteを出した後に北海道の舞踏家からいただいた情報です。
ヒロインの桃尻娘裕子が北海道アングラ劇団のリーダー・ミカエル坂田を追って女優修業に行くという設定。
6)「Cherry blossoms(HANAMI)」(映画2008). Doris Dörrie監督
ドイツ在住の遠藤公義さんが舞踏の振り付けを担当しています。
妻(ハンネローレ・エルスナー)を失った老人(エルマー・ウェッパー)が妻のあこがれだった日本を訪れ、舞踏を踊る少女(入月絢)と出会う物語。(wikiのHanamiより抜粋)
この映画に関しては、フランスの公開の際オープニングの出演を私が断った経緯があるため、少し微妙なのですが、ともあれ舞踏は登場します。
7) 舞踏家の岩名雅記さんが監督した映画
「シャルロット すさび 」 映画 2017年/モノクロ+パートカラー
8)「双生児-Gemini」(1999年の映画) 塚本晋也監督
内容に舞踏が出てこなくても舞踏家が俳優として出演する映画は多々ありますが、内容で舞踏自身を扱ったものは他にあるだろうか?
有科珠々
Photo : KO-CREA
Dancer : Nelson Ferreira(Chorégraphie: Juju Alishina)
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