金曜ロードショー「天使にラブ・ソングを…」

金曜ロードショー、ってなんか好きだ。一週間仕事頑張って、帰宅して夕飯を済ませ、ゆっくりお酒を飲んでいる頃ちょうど始まるホームシアター。
放送する映画をどういう風にセレクトしているかは分からないのだけど、普段自分では選びとらない作品を放送していたりする。時に新しい世界との出会いがあったりするから面白い。
今は動画配信サービスが充実していて、わざわざレンタルしに店舗へ出向かなくとも手軽に映画や動画が観られる時代である。観賞後、観賞傾向からおすすめ作品が表示される機能があったりもする。それはとてもありがたい機能ではあるが、世界を拡げるという意味ではちょっと違うのかもなと思ったりもするので、他人が選んだものを半ば強制的?に観る機会というものは意外と大事なのかも知れない(少なくとも、私にとっては)


先週は「天使にラブ・ソングを…」だった。超有名な作品で、知らない人はほとんどいないのでは?という感じなのだが、私は観たことがなかった。もちろんタイトルは知っていたし、大ヒットした作品であることも知っていた。でもねー、なーんかこれまで観る気にならなかったんだよなあ笑 歌をテーマに扱う作品にもちょっと抵抗があったし、シスターが主役かあ〜…じゃあ讃美歌か…優等生な映画なんでしょ…とあらすじも知らずに斜めに構えてた。今回、金曜ロードショーでやることを知って、せっかくだから観てみるか!と軽い気持ちで21時を待った。

開始10分で「思ってたんと全然ちゃう…」ってなった笑 いやだってタイトルからは「クラブで歌ってるギャングの愛人が殺人現場を目撃して、危険から身を守るために修道院に匿われる」なんてぶっ飛んだ設定だとは思わないじゃん…笑
そこからはもう、ラストまでニコニコしながら観てた。「初めて」を知るシスターたちの純粋な反応は新鮮で可愛いし、おばあちゃんシスターたちはとてもキュートだし、彼女たちの歌は明るくてパワフルだし、音楽って、歌の力って、本当にすごいなって素直に思った。
コメディの要素もしっかりあって、デロリスのやり方をよく思っていなかったお堅い修道院長が、シスターの立場を利用して無理矢理プライベートジェット出させるシーンも最高だった。
なんだか、今の私(たち)に必要なものは、こういう明るさなのかもなあと思った。このタイミングで観られて本当に良かった。

最後に、私が印象に残ったシーン。修道院長が他の修道院に移る事をデロリスに伝え、「私は長く居すぎて、時代遅れになってしまったわ」と言うと、デロリスが「止まってしまったのならまた動き出せばいい」と返したシーン。「変わる」「変える」ってことは簡単なことのようでとても難しく、勇気のいること。しかも修道院長の年齢で…。ラストでは変化に対して前向きになっているけれど、デロリスに出会えなかったら、音楽の楽しさを知ることもなかったのかもなあと思ってしまった。