Madina 物語🐈
雨の夜、彼が働く店に左足を怪我したぴょこぴょこ歩きの仔猫が迷い込んだ。
ビデオ通話で見せられて可哀想なので連れて帰っても良いかの確認だった。私はおかぁちゃんかよ😂まぁ黙って連れて来られるよりはいいのか、猫は好きだし仔猫はなおさら可愛いが猫で辛い想いも沢山したし、大変だし悩みや心配も増えるし、もう飼わないと決めていた私は微妙な気持ち。
彼は子供が大好きだし前々からペットが欲しそうだったのを知っていたので好きにしなさいと伝えて帰りを待ってみた。
タッタッタと階段上がる音、なんとなくの予感は的中でダンボールに入った仔猫を彼は連れてきた😹いやぁ怪我してるもんね。でも今の私だったらやっぱりそっと見守り誰かが助けてくれるのを祈るで終わっただろう。
トルコやイスタンブールを訪れた事がある人はお分かりかと思うが猫とともに街もあるような国なので、ありとあらゆる場所に猫が居て地下鉄構内や店の前やら公園には外猫さん用の餌置き場や家まで存在している。
そんなわけで家猫を飼わなくても癒してくれる猫たちがわんさかで意図も簡単にフレンドシップもとれる環境に満足ができる。
我が家にも過去に何匹か迷い猫が来たこともありこのまま飼ってしまいたいと思ったことが何度も。しかし皆外の世界で生きてきて、この国では生きていける環境が整っているのでやっぱり外に帰っていった。来なくなる、見かけなくなるのは寂しいが自然な事だと思っている。
さて、とにかく連れて来たので初日ちょっと出してみる。あらー左足完全ぷらっぷら😿
ちゃんと歩けていない。先ずは汚ったないのでダンボールで仕切って家にあったハムをあげてみる。わしゃわしゃ食べ出した😆お腹も空いてたんだろうなぁ。。
その後の様子がこちら。
外猫さんは洗わないとノミとか絶対いるはずなのでとりあえずタオル与えてダンボールで過ごして頂く。
ちょいと落ち着いてきたのでパラペンアルコールフリーの拭き取り用洗顔水(ヨーロッパはこれ多い)でお耳をまずキレイキレイに。
おーみちがえるくらい耳の黒いのが白に😹
同じくお顔も拭き拭き、身体も拭き拭き、やっぱ外猫は汚れが凄かった😅あんよがぷらぷらは折れてるのかなんだかわからず怖いので確認できてから洗おうという事にした。
翌朝、足の様子をチェック。折れてるのか挫いたのかわからなかったけど触っても大丈夫で腫れてる感じもなく、先ずは爪を切らせていただく。仔猫はそんなガッツリ爪ではないので前足爪だけ軽くカット。そしていざバスルームへ!
軍手とオリーブ石鹸でわしゃわしゃと洗わせていただきました。やっぱり温水でも浸かるのは嫌いみたいでしたが、ちっこいのとまだあまり泣けない子だったので大暴れもされずに意外にすんなりバスタイム完了。
風邪ひかせたら大変なのでタオルドライしっかりで恐怖のドライヤーは頭隠してでこれも大人しく完了させてもらえました。見違えたお嬢さんはこちら🥰しばし包まって暖まっていただきます。
ブレスレット用でも大きめで案の定あっとゆうまに破壊されました😹一応身体も念入りにチェック、なんか傷っぽいの1箇所、ダニだったら怖いと思いつつ様子見、引っ掻き傷痕の瘡蓋のようでした。それも数日でポロリでアンヨも5日目くらいでみるみる回復❤️🩹
お嬢さん、激元気になりまして一緒に遊んで頂くのがそりゃもう大変、疲れて〜お願い状態に😹モモンガジャンプも飛び出し、テーブルまでジャンプも出来るように。ボール遊びもしっかり咥えて戻ってくる。なんてお利口さん、咥えて持ってくるが何やら身に付いている様子。
この子は恐らく早い段階で母離れしたようでブーブーゴロゴロは連発してくれますが足フミフミは全くしない、舐めるもなくそれよりも齧るのが好きみたいで顎、耳と愛情表現で齧られる、痛くないけど痛いのよ〜😹かなり野生感も兼ね備えてってゆうか、小っちゃいけどここまで外で生きてきたので本能的な感じだ。
さてさて、すっかり元気になったところで彼との話し合い。どうするか、このまま飼いたいのも山々だけど飼うなら病院に連れて行く、女の子の去勢手術も必要。仔猫の成長は早いしこの1週間で少し大きくもなった。長居させればさせるほど情も湧くし、そんなこんなでいたらそのうち発情期もくるだろう。去勢も賛否両論、どちらが幸せなのか。
私達は互いにこの国では外国人です。いつどうなるか正直わからない。ペットを飼うとは責任と強い決意が必要。なんとも複雑な気持ちと苦肉の決断で外に戻す事にしました。
保護猫仔猫で貰い手がいたとしても、それは人のエゴではないだろうか。もともと外猫とは自由に生きている。家の中はヌクヌクだし外より危険な目も少ないとは思うが自然ではない気がする。最初からの家猫は別だと思うが。
自立すること、Madinaには小さいながら備わっている。人との距離感も上手くとれる子である。怪我をまたしたりしたら駆け込む能力があるだろう。
かくして保護から1週間、自立支援はしたという自負で同じ場所に返そうということになった。何ヶ所か場所候補があったが同じ場所がこの子のテリトリーだったはず。彼は夜勤務なので21:30に私がお店まで連れて行くことになった。最後の夜はMadinaとは距離を置いて寝た😿
学校から戻り、黒いリュックにタオルを入れて中に入ってもらう。全部閉めないと飛び出すし怖がる。胸の前にMadinaを入れたリュックを背負い夜道を歩いた。軽いリュックだけどなんとも言えない重い気持ち。小雨、寒いし、いや〜辛い。子供捨てる親かよ状況ではないのかコレは😿
たまに泣くので声掛けて、よしよししながらガラタ塔まで辿り着く。
お店に寄ると彼はまたどうすると聞いてくる、彼的には本当は私さえ良ければ飼いたいのである。とは言え自分も国にいっとき帰ったりもするし、かくゆう私も家にばかり居られるわけでもない。ここまで連れてきたんだ返そう、そして私達は場所を確認した。
ガラタ塔のすぐ側には大きな猫用の家があった。柵もあって犬は入れないようになっている。お店もすぐ目の前だし餌も与えてあげられる場所だ。私達はMadinaをそこに放した。探検をしだす、土の香りを愛おしく感じている。木の隙間を行ったり来たり。雨だけど大丈夫と信じよう、しばらく眺めて元気に走り回っているMadinaを後に私は一足早く家に戻った。
帰りは空のリュック、いやマジでキツいわこれ🥹しかもこの間爆弾テロがあったばかりだし監視カメラだらけのイスタンブールで行きはバッグ抱えて帰りは空なんて、不審な女状態に写ってるのではないかと変な心配にもなった。家に着き複雑な気持ちで餌の皿やオモチャなどを片付けた。
1時間くらいしてか彼からの電話。Madinaを再び店に連れてきたそうだ。ちょうど店から見渡せる所にいたそうだが気になって仕方なかったのもあるだろうし大きい猫も威嚇していたらしく少しこの場所は危ないと思ったそうだ。再びダンボールだ😿
いや明らかにデカくなったと思う。
そう、放った場所では確かにデッカい猫が1匹いた、人通りも多いがほぼ観光客のガラタ塔目当てで猫にかまう人は少ない。そして意外とここに猫は少ない。何故か、ガラタ塔付近にはデッカい外犬が数頭居着いているからだ。とりあえず仕事が終わるまで店に居てもらい新たな場所を探してみると言っていた。いやぁ彼も切ない役割だが仕方がないのだ。
Madinaもすっかり頼りにしてるんだろう。
そしてそして、とても良い場所を見つけた。
この辺りのことはこの辺りのトルコ人に聞いてみるものだ。彼の友人ショップもこの付近、最適な場所を教えてもらった。
おお、立派な猫ハウス。そして静かな1本裏通り。ここはホテル前らしく餌もあって小屋にもなっていて人もいるから大丈夫そう。かくして泣く泣く彼はここへMadinaの新たな家として放ってきたのでした。
数日後、やっぱり気になる捨て親気分の私は
様子を見に行ってきました🥲
ハウスは空、意外にこれ落ち着かないかもなと思った。あーいないな、もう会えないかなと思ってちょっと行くと、植木鉢のかたまり付近に仔猫を発見🧿やだーMadina!
頭なでなでさせてくれた。鉢の土をほりほりおトイレ、土が気持ち良いよね😹
私が不審者のごとく仔猫ウォッチをしていると、向かいのカフェ兄さん現る。割と簡単にMadinaキャッチで私に見せてくれた。保護してたとは言い出せない、なんだか美妙な後ろめたさ🥲連れていって欲しかったのだろうか。。それでもあーMadina、きっとカフェ前で様子を伺い兄さんを手なづけたなとわかった😹流石、女の子だ。
程よく人馴れもしているお陰でこの子は自立もしつつ生きていけると確信した。大きめの猫も居たがシュシュっと鉢の間に上手く逃げている。ハム買って戻ったら帰りは見かけずで少しガッカリ。彼に会ったことを伝えると本当かと凄く喜んでいた。飼いたいけど飼ってあげられない我々、良い場所で自由に自立して生きていってもらいたいしMadinaにはその力がある。
翌日、懲りもせずにまた通ってみる私。
バックにはハム😹カフェ前で足が止まる。
お外の席だが暖房付き、ヌクヌク寝ていたMadina♥️あんた良いとこ見つけたぜ、これは君の力だぞ。すっかり店のクィーン状態でお客さんにも撫でてもらい過ごしておられました。ウチにいるよりずっといい、自由に外も行き来できるし疲れたら暖房付きカフェソファー😹
嫌な思いもさせたし、またこれからも色々あると思うが丁度良い場所に巡り逢えていっときの保護者としては大変安心しております。
何よりここにMadinaがいつもいるのでまた会える🥹胸はキュンとしますが。
猫って大人でも2歳児くらいの頭脳と聞いたけど、もう覚えちゃいないかもなー。まぁそれでも良し。次はカフェしに行こうっと。