【長編連載小説】恋愛ファンタジー小説:気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました(85)
前話
子供たちがあらかた帰って、そろそろお暇しようとすると、ウルガーは新しい医学の本を片手にアルポおじいさんと熱心に話し込んでいた。そこで近くの絵本を眺めていた。一冊一冊手に取ってみる。そして無意識に手に取った本の重さにびっくりしてみると、私の持っている本とよく似た本だった。中をパラパラめくる。そこには私とウルガーの体験してきた出来事が書かれていた。
「これ……。いったい誰が」
ただ、私の本と違う点は未来が書き込まれていない。過去の出来事が実に客観的に書かれていた。
「おや。見つかってしまったか」
「大神官様!」
「隅のほうに隠してあったんだが」
「あ。すみません」
「よいよい。ウルガー殿は医学に熱中しておられるからゼルマ様には昔話を話そうかね……」
「昔話?」
持っている本をじっと見つめて小さくつぶやく。
「昔、この世界の人々は皆、このような本を持ち、自分の物語を紡いでいた。だが、時が経つにつれ、人々は本を忘れていった。一部の使うことのできる人々が集まり、物語師と呼ばれるようになった。その物語師も次第に畏敬の念をもって共存していたが、異端視されるようになり、つい五十年ごろに排除された。物語師たちは散り散りになり、やがて闇の一族と光の一族がまとまった。どちらが、正真正銘の物語師達などわけられない。二つそろって初めて物語師となる。その筆頭の長が遠い異国からやってきたそなた、ということだ。排斥しようとする動きと長として仕えようとする動きに分かれておる。そなたの物語師の本には多数の手が伸びて争いになっている。いつまで続くのかはわからない。その邪魔者に屈することなく、役目を遂行されよ。その先にレテ姫の解放がある。と。少し話過ぎたようじゃな。ゼルマ姫を独り占めしてウルガー殿が睨んで居る。私はこのアルポと幼馴染でな。少し、神殿には帰る時刻が遅くなる。夕食の時間に遅れる前にウルガー様と帰宅なさるほうがいい。欠食児童が発生しておるじゃろう」
欠食児童というところでタピオの顔がぽん、と浮かんだ。
「いけない。大暴動が起きるわ。ウルガー帰りましょ」
手をつかんで出ていこうとすると急に抱きしめられる。
「ウルガー?」
「ゼルマは俺の奥さん」
「って。そっちが話に夢中だったからたまたまこうなったのよ」
「うー」
「吠えないの。またお休みのちゅーしてよ。夕食後は二人でカードゲームでもしましょ」
「わかった。ゼルマがそういうなら……。アルポおじいさん、大神官様、旧交を温めていてください。俺たちはそっこーで帰ります」
まだ、棘のある声を聞いてしかたなく私は頬にちゅーする。単純婚約者の頭には即お花が咲き乱れた。
「さぁ。帰りましょ」
「ん」
私はウルガーの手を引いてキンモクセイの宮に帰ったのだった。普通、手を引いてもらう立場だけど、やきもち焼の婚約者をまともに城に返す役割があった。ここで家出などされたら困る。今のウルガーならやけくそで何をするかわからない。手に負えないのがウルガーなのだ。こういう時はさっさと帰るに限る。
私たちはいつもの八百屋によって城に帰った。
物語師の本。誰もが持っていた。この世界、無意識の世界では当たり前だったのだろう。それがいつの間にか恐怖の対象になった。私にできるだろうか。新しい物語師の系譜を作ること。
「できるよ。俺のゼルマだから」
「ウルガー……」
「さぁ。タピオが騒いでいる。帰ろう」
そうね。いつものように葡萄と桃を手にして帰った私たちだった。
あとがき
本拠地を放り出して現を抜かしていた罰なのかしら。この扱いは。これでおこもりもなくなる。集中して動画を見る必要がないから。今は音楽を聴くためだけに使っています。YouTube。効果のほどはわからないんですが、ヒーリング曲が心地いいので。
この話も続きを考えなくちゃ。明日は水草買って、店にも用事あるんだけどねー。歩くか。明日こそスムージー飲むぞ。
ソロキャンプしたいよー。凍死してもいい。一晩あかしたい。一人で考えたい。一日キャンプって荷物が重くて帰りにくい。映像とかテロップの入れ方とか聞きたいことは山ほどあった。会って話したかった。でもその価値もない方々なんだと思う。親身になってやられるのが嫌なら最初から言えばいいのに。
と、また悪口。一粒万倍日には言っちゃいけない。倍になって帰ってくるから。私にワンコかにゃんこの画像を見させてください。飢えてます。インフルエンサーでなくて少ないフォロワーの方の。うさぎでもリスでもいい。そっと見る動画をください。あなたは見てはいけないと、言われているのかな?
これから真宮彩蓮としてまた連載を続けていきます。ストックが尽きたら頭を悩ませながら執筆していきます。書きかけではあるのですが。
長い間執筆してないので内容忘れています。最後まで載せながら読まないとかけない。
澄川も考えていたのだけど。
どこかへ飛んでいったー。
浦島太郎状態。
どんだけここきていないのやら。サーバーも落ち着かせよう。
あー。愚痴が飛び出そうになる。ここ一年縛られていたからね。
一年持たなかった。悲しい。
でも。ゼルマなら泣いても乗り越える。親としては乗り越えないと。もう、十二月から新しい年が始まっているのだと思うようにしよう。カレンダーも買ったけれど、意味なかった。捨てよう。ワンコには罪はないけれど。
その売り上げもあちらに行ってるんだから悔しい。寄付したおカネ返金してほしい。せめて印を飛ばした千円でも。血のにじむ思いの千円なのに。働くことが難しい人間にとって千円でも貴重。必死で働いた給料からでている。
そこが悔しい。ま、日にち薬で忘れていくでしょう。
ぉっと、阪神のテレビが始まる。自室へ戻ります。