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【ショートショート連載群】ちっちゃな天気の神様との恋物語(3)

「ねぇ。今日も雨?」
 未悠はちっちゃな神様に文句を言う。
「梅雨なんだからしかたない」
「そーいう問題?」
「そーいう問題。未悠の恋の方はどうなってるの?」
「知らない! 神様がズルいから!」
 そう言ってベッドにぽふ、と顔を沈める。
「ねぇ。未悠。明日は晴れにしてもらうからデートしようよ」
「できればね。お休み」
 未悠は勝手に朝寝を決め込む。うーむ、と神様は悩む。
「未悠。交渉してくるからね」
 そう言ってちっちゃな神様は消えた。気配がなくて未悠は顔を上げる。本当に神様なんだ。意外とそんな事実がすとん、と心に落ちた。窓の外を見る。曇天の雨降り。ちっちゃな神様は能力が低いのか笹野家の当たりは毎日豪雨だ。地盤が緩んで土砂崩れになればどうすうるのよ。手に持っていたクッションを投げる。ちょうど、戻ってきた神様に直撃する。
「みゆう~」
「しーらない」
「また雨にするよ?」
「え? ホントに晴れるの?」
「ほんと疑り深いな。晴れると言ったら晴れるの。明日デートだからね。ちょっとそこらの神様の寄り合いに行ってくるからデートの服決めてて」
 そう言ってちっちゃな神様はまた消えた。ふっと寂しくなる。隣にいて欲しい、そんな気持ちが生まれた。恋は着実に育っている。未悠の恋は実るのだろうか。初恋は実らないという。少し悲しい。やっぱり神様と人間じゃだめなのかも。未悠は心細い思いを抱いて神様が消えた外を見つめていた。


あとがき
ストックはここまでです。どうしようかなー。このあと。冴木が打たれすぎている。信じられない現象が……。戸郷はあたりまえ。これはさっさと交代かも。継投だな。と野球のはなしよりこの話の続き。考えようっと。その前にあらすじがー。長過ぎて整理のしようがない。まぁ。やってみるしかない。ここまで読んでくださってありがとうございました。

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