【連載小説】ファンタジー恋愛小説:煌星の使命と運命の絆~星の恋人達 第十話 新たなる目的地
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前話
「それなら、シャドウヴェイルの渓谷へ行って闇の力の事を知った方がいいわね」
あらぬ方向から聞き覚えのない女性の声がしていた。皆でばっと入り口を見ると銀白色の髪に褐色の肌をした神秘的ななんともいえない雰囲気を醸し出している女性がいた。
「私はリリス。これからあなた達に幾度かは会うでしょう。今はこの地で出会ったわね。アステリアは闇の力があることを知ったわ。でもそれが何の力かどうやって自分の中でバランスを取れば良いのかわからない。放っておけばまた力が暴発するわ。その前にメリッサ・ナイトシェイドに会って闇の力の事を知っておきなさい。悪の巨星のことはいずれわかるわ。それじゃ、楽しい旅をね。アステリア」
気づくともうそこには残り香を残してリリスは消えていた。
「リリス? どこかで聞いたような名前ね」
レイナがアルカイオスからアステリアを奪い取って言う。
「じゃ、行ってみるか? シャドウゲイルの渓谷に」
「いいの? 危ないかもしれないわよ?」
アステリアの言葉にアルカイオスは言う。
「折角道を教えてくれたんだ。目的地ができたなら行った方がいい。このまま帰るのはいやなんだろう?」
「うん。まぁ……」
ソレンティアが囚われていると知っても助けられなかった。どうやって助ければ良いかわからなかった。あの悪の巨星という悪が怖かった。でもその力をコントロールする道があるのなら知りたい。アステリアは自分の中の異端の力に戸惑っていた。だが、戸惑っていても確実に存在する。消すことができるのなら消してしまいたかった。この力は人を傷つける。アステリアにはそれがわかった。そんな力はいらない。
「大丈夫。アスティにはもうひとつの力があるから」
「レイナ?」
アルカイオスの腕の中からレイナを見上げる。
「アステリアの中には二つの力が宿っているの。純粋な光と闇が。この力を知ることから始めてもいいと思うわよ」
「レイナ?」
あなたは一体誰なの? 言いかけて止まる。ただの美少女魔術師と言われるとわかるからだ。。
「アスティ~。あなたはなんてお利口な女の子なの~。食べて良い?」
「だめだ。アスティは食べ物じゃない」
「そ~う?」
残念そうに言うレイナとアルカイオスのやりとりがおかしくなってきた。クスクス笑う。
「アスティが笑った!」
二人してアステリアの元に身を乗り出す。
「私だって笑うわよ。あなた達お似合いね」
「誰が!」
二人してそっぽを向く。それがまた面白くてくすくす笑う。
「行きましょう。シャドウゲイルの渓谷へ」
アステリアは言う。
次の目的地はシャドウゲイルの渓谷に決まった。
自分の中にある闇の力を知りたい。切実にアステリアは思っていた。
あとがき
新作の設定を見ていてそういや、星に関した物語があった。いつのまにどこへ、と調べれば七月で切れていました。これも難しいタイプの話で……。15話まであるので時折載せていきます。続きが書けるかはわからないのですが。いや、完結させる予定なのですが、どういった形にしようかと。きっと設定に載ってるはず。あるいは星彩と似通ってるかもしれない。どちらかを優先して消す必要もあるかもしれません。今のうちは進めていく方向で。でも、現在は三つを回すのに必死。過去作で稼いでるので。これはこれでキャラが面白いんですけどね。突然の再開のお話でした。ここまで読んで下さってありがとうございました。
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