【連載・ロマンス・和風ファンタジー小説(オマージュ)】あなただけ見つめている……。 第二部 次代の姫 第十二話 前編・残る四神の二人、白影と冬玄の奥さん捜し
前話
「あー。南国ねー。ひめちゃん。暑くない?」
「ちーとあーは?」
ここは南国、パルヴァール国である。步夢は何千年も前の古の女王としてこの地にいた。そして大陸を沈めた。今ある陸地は奇跡的に残った大陸と言われている。
「ペット専用機でくるわよ。あ。あの可愛い飛行機ね。優衣おばちゃんも乗っているわよ」
表向きに来れば国賓扱いにでもなる步夢の身分。こっそり、吉野家自家用ジェットで身内もろもろつれてきた。この後、步夢はドレスの試着がある。あの連行された後、着ぐるみ引っぺがされてあちこち計られてエリスのデザイン画を見てウェディングドレスを決めた。そのドレスがようやくできあがり、沙夜もようやく緋影と結婚式をしようという気になった。しかし、吉野家には成婚の儀というものがあり、そこではしきたりに従って行われる。自由に娘達とウェディングを楽しみたいと言っていた沙夜の願いで步夢が一肌脱いだのだ。
「ちー! あー!」
ハーネスにつながれた二匹が係員につれられてきた。女性だ。步夢はその女性を見て一声、あ、と言った。それに、敏感な冬玄である。
「見つかったのか?」
「それらしき人なだけよ」
「どうしてそんな曖昧なんだ。とっとと会わせろ」
「って、記憶なかったら不審に思うわよ。いきなり、あなたはこの人と結婚しますなんて。私が言い出したら、止まらないわよ」
そう。この国においては步夢は古の女王として君臨することとなり、なんでも叶うのだ。
「青の女王達もいるのかしら」
うろ覚えな仲間を思い出して步夢は言う。
係員の女性はつかつかと歩いてくると步夢に一礼する。そして千輝のリードを步夢に渡すと、暁輝の方を優衣に渡す。
「あなた、見分けが付くの?」
「はい。昔からペットに関しては得意分野なんです。陛下」
「陛下はよして。ししよーだけでいいわ。ここ最近の動向を深く知っている人はししょーの他にいるの?」
「そこにおられる、フィリップ殿下が宰相をなさっています」
宰相?
「え。冬玄ってそんなに偉かったの?」
「悪いか」
「そーじゃないけれど、それならそーと言ってくれればいいのに。じゃ、後で詳細をきかせてちょうだい」
步夢がテキパキと動くのを見て冬玄が苦笑いする。
「この国ではえらく賢いんだな」
「ふふん。今までの私とはひと味違うのよ」
「ままだっこー」
「ひめちゃーん。だっこはパパにしてもらいましょう。ちーのリード持っていられないから」
さっきの政治家雰囲気から親馬鹿になっているのを見て冬玄は苦笑いする。どっちが本来の步夢なんだか。
「どっちもよ」
「読めるのか?」
「いいえ、その顔見ればわかるわよ。親馬鹿って」
そして当騎に抱かれている姫夏に言う。
「さ。ひめちゃん、自動ジェットコースターに乗りましょうか。ししょー。車出して」
「はい。もちろん」
一度、車の運転を始めると人格が変わるししょー。その運転について行ける者はかなりすくない。
姫夏はまだ三歳を超えていないため車酔いもない。当騎と步夢は慣れっこだ。なので、率先してししょーの車に乗り込んでいた。そこに冬玄が割り込む。
「ちょっと。何しに来たのよ」
「妻が見つかるまではついていかせてもらう」
「わかった。じゃ、ししょー、我が家までひとっ走りお願い」
「はい、陛下」
そしてジェットコースタが始まった。
いつもの所に我が家はバージョンアップして残っていた。常に、古の女王として生まれる步夢はこの国の女王の樹の花が咲くとお生まれになったということでパルヴァール滞在しているときの自宅だったところがまたリフォームされて新居同様になる。前回は別居から始まったため二人の家とその間に大邸宅が建っていた。大邸宅の方が元々、家族の家である。
暴走するししょーの車の中で姫夏はきゃっきゃと喜んでいた。さすがは闇の神から預かった姫だ。怖いものがない。步夢と当騎は慣れたものでキャーキャー言って遊んでいた。それに姫夏がまた喜ぶ。幼いなり、步夢の苦労を察知しているかのようだった。
「未来ってすごい……」
「ああ」
最先端のリフォームされた新居に步夢と当騎は口をあんぐり開けて見上げている。
「これが、鍵です。お二人に」
「あ、ありがとう。簡単に使い方いろいろ教えて」
「もちろんですとも。ここに陛下がおられるのは大きな喜びです。お帰りなさいませ。陛下」
「ただいま。ししょー」
ここにも懐かしい家族の名残があった。私は恵まれているのね、と步夢はしみじみ思っていた。さぁ、これから、白影にも会って冬玄と一緒にお嫁さん探ししなくちゃ。その前に腹が減っては戦は出来ぬ。
「ししょー。なんか作ってー」
「はいはい」
甘々のししょーにやれやれとため息をつく冬玄だった。果たして嫁さんは見つかるのか?
確か姫夏はイギリスと言っていたが……。ここはパルヴァール。白影でも拾うつもりか?
冬玄は頭の中で考えを巡らせていた。
「あー。南国ねー。ひめちゃん。暑くない?」
「ちーとあーは?」
ここは南国、パルヴァール国である。步夢は何千年も前の古の女王としてこの地にいた。そして大陸を沈めた。今ある陸地は奇跡的に残った大陸と言われている。
「ペット専用機でくるわよ。あ。あの可愛い飛行機ね。優衣おばちゃんも乗っているわよ」
表向きに来れば国賓扱いにでもなる步夢の身分。こっそり、吉野家自家用ジェットで身内もろもろつれてきた。この後、步夢はドレスの試着がある。あの連行された後、着ぐるみ引っぺがされてあちこち計られてエリスのデザイン画を見てウェディングドレスを決めた。そのドレスがようやくできあがり、沙夜もようやく緋影と結婚式をしようという気になった。しかし、吉野家には成婚の儀というものがあり、そこではしきたりに従って行われる。自由に娘達とウェディングを楽しみたいと言っていた沙夜の願いで步夢が一肌脱いだのだ。
「ちー! あー!」
ハーネスにつながれた二匹が係員につれられてきた。女性だ。步夢はその女性を見て一声、あ、と言った。それに、敏感な冬玄である。
「見つかったのか?」
「それらしき人なだけよ」
「どうしてそんな曖昧なんだ。とっとと会わせろ」
「って、記憶なかったら不審に思うわよ。いきなり、あなたはこの人と結婚しますなんて。私が言い出したら、止まらないわよ」
そう。この国においては步夢は古の女王として君臨することとなり、なんでも叶うのだ。
「青の女王達もいるのかしら」
うろ覚えな仲間を思い出して步夢は言う。
係員の女性はつかつかと歩いてくると步夢に一礼する。そして千輝のリードを步夢に渡すと、暁輝の方を優衣に渡す。
「あなた、見分けが付くの?」
「はい。昔からペットに関しては得意分野なんです。陛下」
「陛下はよして。ししよーだけでいいわ。ここ最近の動向を深く知っている人はししょーの他にいるの?」
「そこにおられる、フィリップ殿下が宰相をなさっています」
宰相?
「え。冬玄ってそんなに偉かったの?」
「悪いか」
「そーじゃないけれど、それならそーと言ってくれればいいのに。じゃ、後で詳細をきかせてちょうだい」
步夢がテキパキと動くのを見て冬玄が苦笑いする。
「この国ではえらく賢いんだな」
「ふふん。今までの私とはひと味違うのよ」
「ままだっこー」
「ひめちゃーん。だっこはパパにしてもらいましょう。ちーのリード持っていられないから」
さっきの政治家雰囲気から親馬鹿になっているのを見て冬玄は苦笑いする。どっちが本来の步夢なんだか。
「どっちもよ」
「読めるのか?」
「いいえ、その顔見ればわかるわよ。親馬鹿って」
そして当騎に抱かれている姫夏に言う。
「さ。ひめちゃん、自動ジェットコースターに乗りましょうか。ししょー。車出して」
「はい。もちろん」
一度、車の運転を始めると人格が変わるししょー。その運転について行ける者はかなりすくない。
姫夏はまだ三歳を超えていないため車酔いもない。当騎と步夢は慣れっこだ。なので、率先してししょーの車に乗り込んでいた。そこに冬玄が割り込む。
「ちょっと。何しに来たのよ」
「妻が見つかるまではついていかせてもらう」
「わかった。じゃ、ししょー、我が家までひとっ走りお願い」
「はい、陛下」
そしてジェットコースタが始まった。
いつもの所に我が家はバージョンアップして残っていた。常に、古の女王として生まれる步夢はこの国の女王の樹の花が咲くとお生まれになったということでパルヴァール滞在しているときの自宅だったところがまたリフォームされて新居同様になる。前回は別居から始まったため二人の家とその間に大邸宅が建っていた。大邸宅の方が元々、家族の家である。
暴走するししょーの車の中で姫夏はきゃっきゃと喜んでいた。さすがは闇の神から預かった姫だ。怖いものがない。步夢と当騎は慣れたものでキャーキャー言って遊んでいた。それに姫夏がまた喜ぶ。幼いなり、步夢の苦労を察知しているかのようだった。
「未来ってすごい……」
「ああ」
最先端のリフォームされた新居に步夢と当騎は口をあんぐり開けて見上げている。
「これが、鍵です。お二人に」
「あ、ありがとう。簡単に使い方いろいろ教えて」
「もちろんですとも。ここに陛下がおられるのは大きな喜びです。お帰りなさいませ。陛下」
「ただいま。ししょー」
ここにも懐かしい家族の名残があった。私は恵まれているのね、と步夢はしみじみ思っていた。さぁ、これから、白影にも会って冬玄と一緒にお嫁さん探ししなくちゃ。その前に腹が減っては戦は出来ぬ。
「ししょー。なんか作ってー」
「はいはい」
甘々のししょーにやれやれとため息をつく冬玄だった。果たして嫁さんは見つかるのか?
確か姫夏はイギリスと言っていたが……。ここはパルヴァール。白影でも拾うつもりか?
冬玄は頭の中で考えを巡らせていた。
あとがき
野球がー。久々に見たのにもうだめだ。あと三点いれてくれ。ここも、登場人物の名前がでるけど、結局でない人たちがいっぱい。主はメンバーと呼ぶ、戦士達。そこに集中して発見するいきさつを書いてるのですがあと一人とスーパーねぇちゃんがみつからないので。それを三部で。地震が完投でもありました。こちらは南海トラフの方が怖いんですが、関東に逃げても向こうも大きいモノがきそうなので怖いです。豆柴さんはショック受けてました。いざ、災害に遭ったら私はこの子達を放っておくしかない。魚さん達を。早く切りつけないと。増やしちゃったー。コリドラス。あと五年はある。連れて行ける場合とそうでない場合。考えさせられました。連れて行っても嫌いな方もいるしね。ペットオッケーの避難場所が必要だなあと思います。まぁ、アクアリウムは無理ですが。なんだかメランコリックです。
登販ー。明日朝起きてしよう。今日は執筆のための夢想を。魚に注視しすぎてて気が向かないんですよ。明日はパンダの所掃除しよ。ここまで呼んでくださってありがとうございました。
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