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【新連載・ロマンス・和風ファンタジー小説(オマージュ)】あなただけを見つめている……。 第一部 クロスロード 第十八話 覚醒

前話

 步夢と優衣姉妹、そして、千輝をキャリーバックに入れて当騎が沙夜の病室へ来た。医者同伴の方がいいと日史もきた。それなら全員来てしまえーと、仲間達暖と征一も加わった。宝珠の力も必要なのかもしれない。
 準備万端でやってきた。
 沙夜は普通の病室で眠っていた。自発呼吸もしている。昏睡とは言えないところだ。脳死などほど遠い。ただ、目が覚めないのだ。起きていても体が動かないのかもしれない。そういう例はある。だが、沙夜は睡眠状態が長らくつづいていると見るしかなかった。まるで、そこで時を止めたまま。
「お母さん」
 步夢はぎゅっと拳を握る。
「私にちゃんとした当主の力があれば……」
「それはここで発揮できるよ」
「日史?」
 なんだか訳を知っていそうな日史にいぶかる步夢である。
「優衣。箱から朝日の滴を出して」
 步夢の問いには答えず、優衣に指示する。智也から何か聞いているのかもしれない。この日を待っていたのか。
「はい」
 桐の箱からそっと優衣は朝日の滴を出す。最初にできあがったときより強い光が震えている。
「それから、步夢と優衣がその石を持って沙夜様の額にかざしてごらん」
「日史?」
「僕は智也の代わり。頼まれていたんだ。最後まで役目を果たすことを」
「智也……」
 步夢の瞳から一粒の涙が石に落ちた。すると急に光が拡大し、步夢が光に包まれた。
「姉様!」
 名を呼ぶ前に優衣も光に包まれる。光が収まると姫巫女の装束を着けて頭上に冠を頂いた、当主の正式の姿になっていた。
「え、ちょっと。髪の毛のびのび!!」
「そこか。突っ込みどころ」
 当騎があきれる。
「だって、まだ伸ばしかけなのに。これじゃ学校いけないー」
「はいはい。切ればいいでしょ。切ってあげるから。はい。次の役目だよ。お母さんを目覚めさせて」
 步夢と優衣は顔を見合わすと二人で石を持って額に向けた。まっすぐ白い光が沙夜の額に当る。仲間達も宝珠を握りしめ祈る。祈りの力が最大になるとことさら強い光が部屋にあふれた。
「お母さん!」
「母様!」
 姉妹の声が重なる。
「ダメだったの?」
 光が収まって母親を見るが、目が開いてない。が、落胆したところにぱちり、と沙夜が目を覚ました。
「お母さん!」
「母様!」
「沙夜様!」
 日史も加わって目覚めた沙夜にかじりつく。
「すばらしい当主の装束ね。步夢。優衣。どこにお嫁に出しても恥ずかしくないわ」
「気にするとこ、そこ? お母さんもう何年も目が覚めてなかったのよ」
「あの人は、亡くなったのね」
「ええ。お父さんはそのまま。でも、緋影じゃなかった。今ならわかる」
「これから出会うんですわ。步夢と当騎のように」
「そうなの? それよりこの髪の毛~~~~」
 長く伸びた髪をつまんで步夢が嘆く。
「大学行けない~」
「今更何言ってんの。それぐらい変わったことじゃないだろう。ウィッグつけてるって言えばいいじゃないか。肩甲骨ぐらいで切ってあげるから」
「日史~。お願い~」
 そこへ当騎が割り居る、当騎も当主の姿をしていた。当騎は元々闇の巫でもある。步夢と対で存在する存在なのだ。長い吉野家の歴史の中で正式に天にも認められた巫はあともさきにも前世の步夢と当騎以外居ない。
「俺がお前の専属美容師だったんじゃないか」
「それは乾かすだけでしょー? 綺麗にシャギー入れて切れる?」
「う」
「ちょっと、すかしとか○○カットとか言わないよ。端をそろえるぐらいしかできないよ」
「え~。イメチェンしたかったのいぃ~」
 現金な步夢の言葉に沙夜も小さく笑う。
「いい娘に育ったのね。步夢」
「うん。智也はなくなってしまったけれど当騎が来てくれたの。千輝ちゃん連れて。ねーちき……。ちきちゃん!」
 步夢の驚きの声に全員、注意が千輝に向く。そこには姿を変えた千輝のはずのモノがいた。


あとがき
 やっとファンタジーぽく。でも第二部でほのぼの親子がつづく。早く脱したいこの子育て。あと一人に嫁さん見つけたらあとどうしようか迷ってる所です。暁輝と優衣の話もしたいし。猫の成長の仕方が猫を飼っていたのにわまり想像できない。犬の方が今はやりやすい。あちこちにストーリーが転がっていてまとまらない。一部はまとまったけれど二部が大変。十二話目で苦しんでます。あとは結婚式とかいろいろ恋人いちゃいちゃというのがはいってる。白影の身分があまりにも不釣り合いになる今の頭の中。こんなにえらくなっていーの? です。あとは、三行日記ぐらいにしておきます。よく寝ました。まだ、眠い。あ。配信の時間だ。見てから考えようっと。


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