【再掲掲載:連載創作群】 澄川市物語 命の交錯 「序」「第一節:春の花霞」+「エッセイの勉強中」
序
この物語は日本のどこかにあるとする架空の都市、「澄川市」の物語である。似通ったあるいは同じ名前の街があったとしても全く関係はない。
あくまでも架空の舞台と物語である。
老若男女の悲喜こもごもを描く一節千字足らずの創作群である。
この物語は春から始まるが、どこへ行き着くかもしれない物語である。悲劇で終わるのか喜劇で終わるのかまったく未知数である。
無論、各公共団体ともなんら関係していない。
澄川市物語 命の交錯 第一節 春の霞
「良かったわねぇ。花霞ちゃん。お空がこんなに綺麗よ」
花霞はキャッキャとはしゃいで上機嫌だ。花はこんな日が来るとは思えなかった。
花と浩一はゼロ日婚で家庭を持ったが、お互い年齢が高いと言うことで子供は諦めていた。
それが、ある日突然、授かった。
花は高齢妊娠だ。
命の危険を伴う出産に周りは諦めるように説得した。
だが、花は命と引き換えにしても産むと頑固に言い張り、超高齢出産となった。
穏やかな妊娠生活を送っていた。
しかし、やはりそれは突然やってきた。月齢も満たないのに産気づいたのだ。花霞は低出生体重で産まれた。昔なら命はないが、今ではNICUという乳幼児用の集中治療室がある。花は浩一の大学の付属病院の産科にかかっており、幸いにも最先端の医術で花霞は命拾いをした花霞は専用の保育器野中で、長い時間を過ごした。
花はその手にすぐ我が子を抱くこともできず、こんな状態で外の世界に生み出したことを後悔して泣いていた。浩一はそんな花を勇気づけ、母乳を毎日持って行くように目標づけた。
つながったチューブから母乳が送り込まれる。じっと花はそれを見ていた。
毎日毎日見ていて、花は強くなった。笑顔が戻った。子供は医者に「春には退院できますよ」と言われていたことを願掛けとして娘を「春霞」と書いて「かすみ」と名付けた。
浩一は名前付け辞典をもって姓名判断の本をうじゃじゃ持っていたのにあっという間に決められて本が手に余ったのをぶつぶつ言っていた。
だが、本当に春に退院でき、その空は春霞だった。うっすら雲のかかったあわい空色。サクラの薄紅色も相まってこれから花霞の新い世界が明るいものだと告げてくれているような気がした。
「花霞。これからパパと毎年桜を見ような」
「あら。ママは?」
「父と娘の秘密の時間。聞くとすぐに父親は嫌われるらしいからな」
「耳だけは達者なのね。ねー。花霞。花霞はママが大好きよねー」
「なにをー」
「ふんぎゃー!」
両親がベビーカーを挟んですわ夫婦けんかというときに花霞が止めるように泣き出した。
「かすみちゃんー」
「かすみー」
一斉に我が子に手を差し伸べて顔を見合わす。
「親孝行な子ね。花霞ちゃんは」
「ほんとうだ。親の顔が見たい。って私たちか」
「そうよ。パパ。花霞がパパ大好きって言ってもらえるようにしましょ」
「ママもね」
そんな春の公園の中で別の乳幼児がギャン泣きしていた。
「あら。たくましい泣き声ね。いつかお友達になれたらいいわね」
「世間は狭い。いつか会うさ。さ。花霞にはまだ風が寒い。家に帰ろう」
「花霞ちゃん。おうちに帰るわよ。白い建物じゃないからね。よかったわねー」
家族の形を今日からまともに始める花と浩一は、花霞に見せたいと言っては集めたおもちゃの国に連れて帰っていった。
ここから一人の赤子の人生が始まった。
春霞はまるで花霞これからの未来の明るさを示しているかのようだった。
【エッセイの勉強中】
久しぶりに起きました。昨日はほぼ寝てばかり。一度更新が切れたらまぁ、続けなくてもいいかということで毎日更新の3度目の挑戦はやめておきます。そして、今日は野球がない日。明日の日程を確認して衝撃な事実が。なんとあのサンテレビが五時半から生中継。ってそれうちの食事開始時間です。今まで六時だったのでそれで四時頃風呂に入って五時半から食べて六時に中継をつけるというルーティンが崩れる。夕食時にもつけてもらおう。
で、今日は、いろいろ振り込みに行ったのですが、財布をぶちまけてしまい拾って帰ってきたら千円足りなかった。どこに行ったのやら。千円だし、なんとか諦めのつくものの、お金を大事にしないのはなんとなく困ったさん。やっぱり気になるけれど、もう2時間近く経ってるので回収無理かと。
これが気になってさらにあたりめが食べたいのだけど、買いに行くのはどうしようと迷っていたら枝豆の冷凍を思い出し、解凍して持ってきてます。イカ、おいしいけど歯につまる。でもあのおいしい燻製チーズも食べたい。行ってこようかな。目の前のスーパー。冷たいお茶やら買いたいものはあるので、二節をあげたら行ってきます。やっぱり、誘惑には勝てないものですね。で、副題をしょうしょう難しげな言葉にしておきました。不思議な女の子になる花霞ちゃんなんですが、それだけでなくとっくんもそういう子になっているのでしかたなくなんとか小説っぽい名前ないかしらと探して再掲に至りました。序もつけているのでよろしくお願いします。
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