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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子第十四話 花園の中の墓所

前話

 アイシャードに着いていくといきなり草が生い茂った所にでた。その中をわさわさ進んで行く。やがて視界が開け、綺麗な花があふれるところに出た。まるで花園に舞い込んだ気がした。
 そしてアイシャードは言う。
「ここがデボラの墓所だ。さらわれたときに切られた父親、そなたにとっては祖父、ハインリヒも眠っている。手を合わせてあげなさい」
「母上……。お祖父様……」
 まるでくずおれるように跪いてレオポルトは手を合わせる。その頬には一筋の涙があった。
「おにいちゃん。泣いているの? アデーレが痛い痛いのとんでけーしてあげる」
 アデーレが背中にくっついてくる。憎き、祖父と母を死に至らしめた人間の娘であるが、振り払う気はなかった。アデーレも被害者だ。大事な妹に変わりはなかった。
「アデーレ。今はリリアーナだろ? 今日はお兄ちゃんが受け継いだ剣舞をユレーネの舞と一緒に見せるから覚えておいてくれ。この日を。この事実が日の目を見た日を……」
「お兄ちゃん?」
 アデーレのにはあの話も現実味がなかったらしい。可愛い妹をきゅっと抱きしめると、悲しげなユレーネに託す。
「グループデートなんだろ? どうしてアデーレの相手作らなかったんだ?」
 茶目っ気を交えてレオポルトは言う。
「強いのね」
「何が?」
「もう。しらない!」
「おにいちゃん、おねえちゃん。めっ!」
「ごめーん」
「ごめんなさいー」
 まるで娘を持つ長年連れ添った夫婦の痴話げんかにしか見えないやりとりに一同、にこやかである。
「何見てんだ? 行くぞ」
「って。帰り方わかるの?」
 うっ、と詰まるレオポルトの手をアデーレがつかむ。
「あ、いや、リリアーナ。帰り道わかるのか?」
「ここにいる妖精さんが教えてくれるよ」
 アデーレの答えに不思議そうにする一同だが、アイシャードだけは納得している。
「リリアーナといったかの? そなたにはここにいる妖精がみえるようだな。この国に、ワシの跡目に一番近い人間だ。また、兄につれてもらって遊びに来るが良い」
「うん! お爺ちゃん、リリアーナまたくる! お兄ちゃん、お姉ちゃん。舞見せて」
「あ。ああ……」
「ええ。それは良いけれど……」
 いきなり跡目指名を受けた少女の素直な行動に気を抜かれる一行である。リリアーナとなったアデーレはアドルフの血を継いでいる。素質は十分にある。だが、それとは別の何かがあるようにレオポルトには感じられた。
 この小さな胸が未来に真実を知って痛まないといいのだが、とレオポルトもユレーネも視線で無言の会話を交わしていた。


あとがき

延長に入った阪神戦をラジオで追いかけ、村神様のホームランが見たかったと嘆きながら夜食を食べてようやく掲載です。なんで、映像が見られるときに打たないの。打って欲しくはないけれど見たいという気もしている。昨年は野球はほぼ見ていないので村神様のホームランを知らないのです。

段々上がってきているのかしら、と思いつつ。脅威です。スリーランHRでなくてよかった。土地柄必然と阪神戦を追いかけてますが、明日からは巨人。また試合終了まで見せてくれないのね、とがっかり。まだ、中継チャンネルを調べてませんが。

で、氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子、かなり進みつつあります。ストックがあと三話ぐらいあります。その間に本ネームの連載を作ろうと漢検放り出してやってます。模擬試験をこなしていると自然と正解率も上がってきます。やっと一発で150点台を確保できるようになりました。復習でのテストでは180点台。今は四文字熟語がネックです。って漢検の話はいいや。

設定から大きく離れつつあるこの二作品。(一作品は本ネームでNOVEL DAYSに入れてます)さっさと進みすぎ。また、長いのをつらつらと続けないと。こちらはネタ不足。またChatGPTにあらすじを出してもらうか。でも、結局、それに沿うことはない。どんどん離れて行きます。名前も安易だし、なぜかChatGPTは影とか闇の勢力との戦いがお好み。ユングの要素を入れるように指定すると、影が必ずでる。降下の場合はまた離れるけれど。それは私が降下や無意識の事を指定してのこと。この話のように自己実現や自己成長がメインになります。それがまた難しい。また設定詰めようかな。あと一つはあるけれど、降下で転生転移の要素がでてくる。それは本ネームで極めたいので、さっき眠前を飲んだばかりなので遊んできます。何かいい話ができれば、作りますねー。

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