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【再掲載小説】恋愛ファンタジー小説:最後の眠り姫(43)

前話

「で。カロリーネお姉様の恋のお相手は?」
 私はベッドの上でアイスのアールグレイを飲みながら聞き出し始める。
「お相手?」
 カロリーネお姉様がきょとん、とする。
「あれだけのお見合い画像があるなら一人や二人は好みの相手がいるでしょうに。それを振ってまでの方がいるのでしょ?」
 カロリーネお姉様には図星だったようだ。真っ赤になっている。
「誰にも言わない?」
「今更な。ねぇ、フリーデ」
「じゃ、耳貸して」
 カロリーネお姉様が私とフリーデに初恋の相手を告げる。
「え-!!」
 私はびっくり仰天した。あの城の門兵の一人にカロリーネお姉様は恋していた。
「まだ若そうなのに……」
 思わずこぼした言葉をお姉様が拾う。
「私が行かず後家って?」
 鬼面のお姉様が顔を近づけるのを両手で遮る。
「そういう……わけでは……」
「カロリーネ様、エミーリエ様はまだ本調子ではございません」
 フリーデがかばってくれる。確かに、この連続はつらいものがある。ヴィーの事件を解決したあと目を回して倒れてその後にはもう縁談事件だもの。いくら、お母様のワンクッションがあったとしても、よ。
「ええ。そうね。私も急ぐわけでもないし、今日は帰るわ」
「って、お姉様。夕食は?」
「両親と食べるわ。クルトがあなたを独り占めしたいでしょうしね。フリーデはヴィーを食べてなさい」
「それはいいわね。フリーデ自由時間を上げるからヴィーと夕食食べてなさい。場所がないならこの宮殿の一室貸してあげる」
「そんな!」
 フリーデが断ろうとしたとき、ヴィルヘルムが乱入してきた。
「エミーリエ! 大好き!」
「恋人の前で言う言葉じゃないわよ」
 すぐさま、突っ込む。あ、と言ってヴィルヘルムが固まる。
「ごめんなさい、でしょ」
「エミーリエ様!」
 フリーデもあたふたとする。恋人とその姉の仕える主を区別するのはどうしても出来かねない、といったところか。
「いいのよ。ヴィーにはびしばし恋愛教室しないと」
「きょ……教室?」
 二人とも顔が強張っている。
「私とクルトをくっつけたんだから、簡単でしょ?」
「姉上!」
「エミーリエ様!」
 二人が嘆いて叫ぶ。ほとぼりが冷めたかとクルトが戻ってきた。そこへ私はすかさず言う。
「クルト。この二人の恋人達にロマンティックは夕食会を手配してあげて」
 にっこりと言う。クルトもにっこり笑って答える。
「お安いご用だよ。フリーデはドレスを着せてもらって。あとで迎えをよこすよ」
「兄上! 姉上! 興が過ぎます!」
私とクルトは顔を見合わせてから二人に言う。
「どこが~」
「意地悪ー!」
 ヴィルヘルムの声が宮殿を走り抜けた。


あとがき
この魚の療養機関についに最後の眠り姫の新作を書き始めたところなんですが、なかなかつまらない。まともに時間取ってないからですが。一日寝てますから。か。水槽眺めてたり……。手は入れなくなったものの、やっぱり部屋が暗いとすぐ寝る。一応明かりはあるのでデスク辺りとベッド周りにはつけられるようにしてあります。新作は47から。おまちあれ。どうせ、まだたいそうなことにはならないので。いろいろ書きたいのですが、漢検が近づいております。先程、最後の模試13回目をすれば送り仮名で破滅しました。あとは取れている。部首は満点も。なので総合はいい点数なんですけどね。しばらく漢検と向き合う二週間になりそうです。でも。書く。

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