【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱~プロローグ~
あらすじ
「時は満ちた。絶望の大地に少女は降り立つ。それは……一縷の光」
薄暗い部屋で女が水晶玉を見ている。
その水晶玉に映り込むのは魔法使い一家に生まれた一人の少女。銀白の美しい長い髪を背中に流し、碧色の目をしたリアナ、だった。肩にフェアリードラゴンを乗せている。
女、シェイラはすっと立ち上がると旅の支度を始めたのだった。
残された水晶玉にはリアナが無邪気な笑みを浮かべていた。これから、起きることを何も知らず。
この世界を、ステラノヴァという。大地は荒廃し、わずかな食料で人々は生き繋いでいた。リアナの住んでいる町はエーテリアと言って古代魔法の一大聖地だった。その護法魔法のおかげか荒廃ぶりはまだましだった。貧しいと言ってもまだましなリアナの家庭では無事魔法使い学校にリアナを通わせることができていた。
世界の荒廃も何も知らないリアナには毎日が冒険だった。なんの疑問も持たず、級友のフィオラと楽しい魔法の勉強に励んでいた。
そんな普通な日々を送っているリアナに大きな転機がやってきた。旅立っていたシェイラがリアナの家を訪ねてきたのだ。
「あなたね。リアナ、は……。美しい髪」
さらさらの髪をシェイラは手に取る。リアナは戸惑っている。家族はさらに戸惑っている。こんな下流の魔法使いの娘になにがあるのか、と。
「リアナ。これから旅にでなさい。あなたには果たさなければいけない使命があります。目を背けてはなりません。世界の全てを見、そして救うのです。この荒廃したステラノヴァを……」
不思議な雰囲気を醸し出しているシェイラに戸惑いながら、言われた事を頭で文字化していた。やっと言われたことを頭に入れると、不思議そうな視線を向ける。
「どうして私なんですか? 優秀な魔法使いならたくさんいるわ。こんなヒヨコの魔法使いに何ができるのですか?」
リアナは聡明だった。素直に疑問をぶつけてきた。確かに会った途端、旅に出て世界を救えと言われて納得する人間などいない。力もたいしてないまだ学校に通っているだけの人間なら。
「言い伝えがあったことは確かですが、それだけでなく、あなたの膨大な水のエレメントがこの世界と人を癒やすのです。ですが、それもここにいるだけではできません。世界を見て、何ができるか考え、仲間の助けを得て、大きく成長しなさい。そうすれば、自ずと自分が選ばれた理由がわかります。すべては始めてからなのです」
シェイラの言葉にリアナは不満そうだった。
「そんな賭けのようなこと一人じゃできないわ。この町から一歩も外に出たことがないのに」
「だからこそ。仲の良い、フィオラと共に旅に出なさい。はじめて出会う男性があなたの運命の人。恋が待っています。熱い情熱にも出会えます。夢見ていた恋人よ?」
シェイラが少し面白げにリアナの目をのぞき込む。うっ、とリアナが詰まる。恋の話は夢見る少女には絶好の話だ。
「お母さん」
リアナは困ったように母親を見た。恋はしたい。でも世界なんて救えない。葛藤する心が見え隠れしていた。
「行ってきなさい。シェイラ様と言えば、王室付きの魔術師。その先見の明の高さはこの町まで伝わってるわ。そのお方がこうして訪ねてこられたのも何かの縁。お父さんとお姉ちゃんにはちゃんとお母さんから言っておくから……」
戸惑っていた母もシェイラの言葉を信じてしまったらしい。味方がいなくなった。父と姉は戸外だ。
「おくからって……。今から?!」
リアナの目が丸く見開かれた。その時、フィオナが入ってきてリアナに後ろから抱きついた。
「フィオナ!」
「王都に行くんでしょ? シェイラ様と。私も仲間に入れて!」
「王都って……」
シェイラから聞いた話と百八十度違う。
「旅の初めは私も付き合いますよ。道々旅のコツを教えます」
「ええ-!!」
こうしてリアナの恋と冒険が始まったのだった。
あとがき
体調不良で欠勤したもののまたAIと小説のネタを詰めてました。途中から両方が交錯して一作がぶっつぶれてしまい、新たに設定をつめたのがこの作品。なんとなく、いろいろ決めてイメージしたプロローグを今日はお届けしました。また、次回、「氷晶の森の舞姫と灼熱の大地の王子」も掲載しますね。お待ちください。
通年企画にスキを入れて頂いてありがとうございます。コメントを入れられないためこちらに。すでにフォロワーさまなので、手続きはとりませんが、これからもよろしくお願いします。
と、あと一球コールを見ながらの記事です。なかなかゲームセットにならない。ねばられてる。やった。締めの岩崎さんだー。湯浅選手も戻ってきた。めでたい。ギリギリでした。放送、きっちり試合終了で終わりました。民放、容赦なしに切るからあとはラジオなんですよね。頼れるの。それがなくてよかった。ということでこの新連載もよろしくお願いします。相当難産しそうな作品ですが。まだまだ行き当たりばったりです。
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