第七十回 Gt 虎|MOVIE TORAVIA 「キアヌ・リーブス論」
今回はなんでこの人なのかというと、いまちょっときてるんですよ。キアヌ・リーブスが。去年もっとも話題なったゲームで『サイバーパンク2077』っていうのがあるんだけど。それに(ジョニー・シフヴァーハンド役で)出てるんですよ。キアヌ。あと『マトリックス4(仮)』も撮ってて、今年とか来年に公開されるみたいじゃないですか?それを踏まえると、「キアヌ・リーブス、最近推されてんな」って俺とか思う訳ですよ。一時期廃れてましたけど、見事に復活しましたよね。この人は。
キアヌって、性格がまず特殊なんですよ。スターなのに身なりに気をつかわない人で、ボロい洋服とかを普通に着て、外出歩いてるの。そういうところはすごい共感できて。いわゆるザ・ハリウッドスター、セレブリティのような富裕層にはなりたくない、みたいな気持ちが彼のなかにあるからだと思うんですよね。たぶん。だって、気疲れするじゃないですか?そういう人たちとばかりつるんでると。でも、だからといってね、浮浪者と話してる姿をパパラッチに撮られるのは、いくらなんでもやりすぎだろうとは思うけど。彼の精神のなかには、人を差別しない仏の心みたいなものがあるんだろうね。それは、宗教上のものなのかどうかは知らないですけど。だから、自分より上の人であろうが下の人であろうが、平等に見てるんですよ。きっと。そういう精神が強すぎるんだと思う。この人は。
だから、例えば日本でキアヌ・リーブスがブレイクしたのって『スピード』でしょ?
『スピード』(1994)
みんなも憶えてると思うけど、あのとき、日本ではめちゃめちゃ激推されてたじゃないですか?若手俳優のなかからイケメンの新しいスーパースターが出てきたって感じで。坊主でイケメンってところも新しかった。なのに、その激推し感は続かなかった。彼はそこからイケメンとしてちやほやされるような映画よりも、俳優として自分がやりたいなと思う作品を選んでいったのか、パッとしない映画とかにどんどん出ていく。そういう印象が俺のなかでは強いんですよ。だからこの人、前回のディカプリオなんかよりもすごい本数の作品に出演してるんですけど。その作品リストの一覧を見ると、それがよく分かるんですよ。日本では『スピード』のあと、あの『マトリックス』のシリーズがあったでしょ?だけど、そのシリーズで盛り返したあと、ここからまたパッとした作品がないんですよ。
『マトリックス』(1999)
『マトリックス リローデッド』(2003)
『マトリックス レボリューションズ』(2003)
そうして、あの『ジョン・ウィック』がくる。
『ジョン・ウィック』(2014)
キアヌは人気俳優といっても、そのピークが途切れ途切れなんですよね。しかも、『スピード』のときはイケメンをアピールして推してのに、『マトリックス』ではすでにイケメン推しではなくなってる、とかね。非常に特殊なタイプの俳優なんですよ。この人は。たぶんね、それはこの人のこだわりというか、“生き方”が反映されてるんだと思う。特に『マトリックス』シリーズ以降の作品って、悪い言い方をすると、やることなすこと、スベりにスベりまくってるんですよ。だから、一時期日本で話題になるキアヌの情報といえば、最初に話した浮浪者と話してるようなパパラッチネタぐらいだった。そこからね、年齢も50歳近くなってからですよ。今度は本格的なアクション俳優となって、あの『ジョン・ウィック』でまたピークを作るの。この人は。「ついに見つけたじゃん!キアヌ・リーブスが魅せられる映画が」って俺は思いましたね。これを観たときに。
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限りなく2次元に近い2.5Dロックバンド、アリス九號.のオフィシャルnoteです。 毎週メンバーがリレー形式でオフィシャルnoteだけの…
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