La Belle au bois dormant第一章Pas de Six➁
第二節:犬猿の仲
紅茶の香りが鼻を掠めて、クロエは目を閉じ、首を振る。目の前には国賓預言師が神妙な面持ちでこちらを見つめており、又隣には顰め面をした男が自分と同じように紅茶を啜っている。
状況は昨日と何も変わっていない。一晩開けてこの邸に再び集合し、そうして今は更なる詳細を聞いているところだ。
「カドーがアストゥリアス国出身の人達で、インヴィッテがネルーダ国の人たちだって話だけど…」
「ええ」
そうですね、と穏やかに肯定するセリーヌは、今日も薄いヴェール