RanA

歌うこと、書くことが好きです。よろしくお願いします。

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  • La Belle au bois dormant

    ファンタジー小説です。 盗賊の少女は、大陸を救う為の『鍵』だった――。

  • Singing

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La Belle au bois dormant第一章Pas de Six➁

第二節:犬猿の仲 紅茶の香りが鼻を掠めて、クロエは目を閉じ、首を振る。目の前には国賓預言師が神妙な面持ちでこちらを見つめており、又隣には顰め面をした男が自分と同じように紅茶を啜っている。  状況は昨日と何も変わっていない。一晩開けてこの邸に再び集合し、そうして今は更なる詳細を聞いているところだ。 「カドーがアストゥリアス国出身の人達で、インヴィッテがネルーダ国の人たちだって話だけど…」 「ええ」  そうですね、と穏やかに肯定するセリーヌは、今日も薄いヴェール

    • Ashes of Dreams②

      Neir ReplicantよりAshes of Dreams2番以降です。

      • Ashes of Dreams ①

        Neir Replicantより、Ashes of Dreams の1番です。(5分以上の為分割)

        • La Belle au bois dormant 第一章 Pas de Six➀

          第一節:夢に見たもの    何も無い、真っ暗闇の中。  見えるのは『黒』、聞こえるのは『静』ばかり。 「――――」  誰かに呼ばれた気がして振り返っても、そこに広がっているのは無限の闇。  クロエは1人で、周囲を見渡し溜息を吐いた。 「また、この夢なの?」  最近この夢ばかりで、正直うんざりしているのだ。  夢を夢だと認識している時点でおかしなものだが、それ以前にこのような夢を見ている自分の頭に問いたい。  一体、何を望んでいるのかと。 「―――ロ――」

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          2本
        • La Belle au bois dormant
          3本

        記事

          La belle au bois dormant~序~

           その昔。  世界は、女神によって平和に保たれていた。  女神はその地に生きとし生けるもの全てを愛し、育み、そして守ってくれる存在だった。  けれど女神に愛されるためには、自分たちから女神を愛さなければならない。  そうして厳しい戒律を守り、信仰を貫いた者たちだけが『至上の幸福』を手に入れることができるのだ。  その大陸に住む人々は、そう教えられて育った。    けれど、非理性的な信仰は、科学の進歩と共に廃れてゆくもの。  そして、戦いを生むものだ。  平和

          La belle au bois dormant~序~