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【徹底考察】たまご3つで220円問題
ブリーフ&トランクスというフォークデュオが『コンビニ』と言う楽曲をリリースしてから25年の時が流れました。紆余曲折を経て、ニコ動黎明期に手描きMADを大量生産させた功績は、今を生きるニコ厨たちの心に刻み込まれています。曲の内容をざっと説明すると、親が寝ている隙にコンビニへ足を運んだ中坊のお話ですね。
そんな本楽曲ですが、四半世紀を過ぎても尚解明に至っていない謎があるんですね。それは中坊がおでんのたまごを3つ買った部分。無表情の店員が何故か3で割り切れない220円を中坊に請求してくるのです。石丸信二ならすぐに突っかかってきそうな矛盾が生じています。何故たまご3つで220円になってしまったのか、その理由を徹底的に考察していきたいと思います。
仮説① まとめて買ったことにより、消費税の小数点以下の価格を切り上げされて請求されることになったため。
恐らく、今回紹介する仮説の中では最も理にかなっているとお考えの方は多いでしょう。たまご1つが70円ですので、発売された当時の税率5%を適用すると73.5円になり、3つ買ったので3倍すると、220.5円。よって中坊に220円請求する行為に正当性が生じます。
しかし、商品の値札などで消費税額の表記を義務化されたのは2004年。それまでは端数の処理方法を法令で明文化されてなかったため、各企業によって端数を残すか切り捨てかは各々の方針のもとで決められていたのです。この仮説通りならば、端数を残して消費税を計算していたことになります。
正直、この店舗では値札に小数点以下の値段を明記していたとは思えないんですよね。無口で無表情で舐めた態度のアルバイトしかいない点から、その杜撰な管理体制が透けて見えます。故に、値札には70円としか表記されていなかったということが窺えますね。
そこへ釣り銭の渡し方一つでいちいち突っかかってくる厄介中坊が来るわけです。こいつが220円の請求を素直に受け入れて万札を差し出してくるはずがありません。支払いの前に値札の額と違うじゃないかとか、値札に税込価格を表記しろだとか、カスハラじみた言い掛かりを付けてくるに決まってます。
本編中で、そのようなやり取りは残念ながら見受けられませんでした。よって、消費税の小数点以下切り上げ説の可能性は低いと考えられます。
仮説② キャンペーン中につき、たまごをまとめて買うと割引きになったため。
元々1個80円で売っていたたまごを3つまとめて購入すると、20円引きになるみたいなキャンペーンだったという可能性はどうでしょう。冷静に考えて、コンビニのおでんが深夜まで1種類当たり3つも残ってるのは不自然だと思うんですよね。あんまんなんて1個もないのに。夜遅くにもなれば日中に仕込んだおでんの具材は廃棄・交換になり、深夜の売れ行きを見越してせいぜい2個までしか店頭に並ばないはずです。
その疑念を解消するのがこの仮説。キャンペーン中ならば、店頭にたまごを3つ以上並べておく可能性がぐんとあがります。なんならニワトリごと出汁に浸ってる可能性すらあります。
しかし、忘れちゃいけないのがたまご3つ注文した際のバイトの反応。たまごだけを購入する中坊をやや不審視しているんですね。やたらたまごが店頭に残っていることへの説明はつきますが、バイトの反応を見るにキャンペーン説立証の根拠には至らないと考えられます。
仮説③ シンプルにバイトのミス。
本楽曲から推察されるアルバイトの仕事ぶりは、無口で無表情というふうに言及されております。さらに言えばトイレの貸し出しを問答無用で断るなど、相手がイキりたがりな中坊とはいえ、客に対して少々舐めた態度をとっていると形容せざるを得ない点も見受けられます。
以上より、ここの店舗のアルバイトは仕事ぶりがおざなりであり、それ故のレジの打ちミスなどで220円になってしまった。と、考察される方も多いでしょう。
ですが私の考えですと、このアルバイトはあくまでマニュアル対応しかできないだけであって、レジ打ちなどで初歩的なミスをするタイプではないと思います。
マニュアル人間であるという根拠としては、入り口でヤンキーに絡まれる女児をスルー。深夜に中坊が一人で来店しているのに、普通にレジ対応。おでんの具をレジが混むまで決めかねる中坊に対して、おすすめを教えるとか一切しない。などなど。
これだけ聞くと、仕事ができないだけな様にも見えますが、中坊のつゆ多めだのからし付けろだのと言った要求への対応力の高さが窺えます。その上、レジが混んでもこれといって焦ることなく冷静に対処できている点を鑑みると、一概に仕事ができないだけとは言い難いことがわかると思います。
ですので、マニュアルに沿ってなら滞りなく接客できるこのアルバイトが打ちミスをしたとは思えないんですよね。まあ今の時代だったら真っ先にAIに仕事を取られてそうですが。
仮説④ 厚かましい中坊に腹の立ったアルバイトがぼったくろうとしたため。
冷静沈着なアルバイトも、この厚かましいカスハラ予備軍のいうことに黙って付き従っていてはいられなかったのでしょう。
思い返せばこの中坊、深夜に一人で夜の街に繰り出す行動力、ヤンキーと打ち解けるまでのスピード、無駄に大人に食いかかろうとする反抗的な態度。もう絶対尾崎豊の影響を真に受けた不良かぶれじゃないですか。ぶっちゃけ、こういうタイプのガキんちょが一番数字に弱いはずです。そんな奴が、深夜のコンビニに何を買いに来たわけじゃないのにも関わらず、万札をぶら下げて並んでくるわけですよ。こんなん絶好のカモじゃないですか。
恐らくアルバイト側も最初は真摯に対応するつもりだったとは思うんですが、小銭を文鎮替わりにレシートを置いたくらいで突っかかってきたことに腹が立ち、密かに報復を行ったわけです。
この場合、相手がたまたま数弱だったから切り抜けられたけど、3の倍数じゃないことを指摘されたらどうする気だったのでしょうか。思い返してみてください。中坊が値段を訊ねる前に、自らおつゆ多めにと要求していたことを。アルバイト側としては、それを引き合いに出してサービス料だと言い張れば220円が曲がり通ると判断したんじゃないでしょうか。さらに、直前の文鎮うんぬんの一悶着から、今度はレシートを要求しないだろうと予見しており、見事その通りになったわけです。トイレの貸し出しの件で言い負かした気になっていた中坊でしたが、やっぱりアルバイトの方が一枚上手でしたね。
以上が私の立てた仮説の全てとなります。たまご3つで220円問題の答えとして、総合的に考えて、厚かましい中坊に腹の立ったアルバイトがぼったくろうとしたためなんじゃないかと判断させていただきました。
ここまでね、長々と書き連ねていてなんですが、コンビニという曲の楽しみ方を完全に履き違えてますよね。皆さんがコミックソングを聴くときは、頭の中を空っぽにしてから聴いてください。