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40手前のバツイチイケメン@恵比寿

2対2で会いましょうということで、友達と二人で向かったのは、人気のおしゃれ焼き鳥屋さん。

が、しかし、このお店、入り口に看板ひとつ出てなくて、お客を呼ぶ気がないのではと疑うほど不親切な門構えだった。大人の隠れ家ってこういうこと?


店内を見回すと、シミズさんと思しき人を発見。近づいて「こんにちは」と声を掛ける。

シミズさんは実年齢よりかなり若く見えた。20代後半でも通用する外見。
シワのない整った顔立ちとカジュアルなファッションがそう思わせるのだろうか?私が知っている39歳とは、別次元に生きている感じがした。

「もう少しで俺の友達も来るから」とのこと。飲み物を頼んで軽く自己紹介を交わす。

すると、真っ黒な服に全身を包んだ男性が入って来た。「いやぁ、迷っちゃったよ」とこちらへやって来る。
黒縁メガネをかけたその顔を覗くと、芸能人かと思うほどの美形。同時に、ミステリアスな雰囲気が漂う。

彼はイシグロさん。シミズさんの高校の同級生らしい。

きっと遊び慣れてるんだろうなあ この人達、というのが第一印象。

会話のなかで、だんだんと二人のプロフィールが分かってきた。

【シミズさん】
・39歳バツイチ、フリープランナー、中目黒在住
・180㎝、頭の回転が速い、少し早口

【イシグロさん】
・39歳バツイチ(子あり)、元モデル、映画プロデューサー
・178くらい、掠れ声が素敵、超天然

二人の共通点は、バツイチ、39歳、独立して仕事をしているということ。

一方で、性格はまるっきり正反対だった。

シミズさんはその場を仕切る、いわゆる学級委員タイプ。何でもそつなく80点が取れて、生きるのが上手いひと。それゆえ自分に自信もある。

イシグロさんは、質問されると斜め上を見つめてゆらゆら話す。掴みどころのない不思議ちゃん。でも、その独特な魅力の虜になる人はきっと多い。

こんなに真逆の二人なのに、なんで20年近くも友達なんだろうと思う。不思議だなあ。

イシグロさんのゆっくりマイペースで、たまに要領を得ない(でもなぜか憎めない)話し方に、シミズさんはイライラしているのでは?と感じる瞬間さえあった。


そんな二人から学んだ、この日一番の発見は、「40歳バツイチイケメンは恋愛対象になり得る」ということ(結婚は別にして)。

正直最初は、単なる興味本位で会ってみようと思っただけだったし、やっぱりおじさんだなあ…でおしまいだと思っていた。

けれどこの二人とは、まるで2.3個上の先輩と接しているような感覚で話せるし、会話も楽しい。その上、同世代の男性にはない大人の余裕があって魅力的。
ただ目の奥に、触れてはいけない闇を感じたけれど。

もうひとつ発見があって、それは第一印象ほど遊んではなさそうということ。年齢と離婚歴からくる諦めの念もあって、踏み出すのは慎重なのだ。でも飼い猫には、きっと惜しみなく餌とおもちゃを与えて甘やかす。

なるほど、41歳バツイチ彼氏(その人も20代でも通用するイケメン)と付き合っている同い年の友達の気持ちがちょっと理解できた気がした。

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