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【人間観察】一生に一度、ノーベル賞博士とのランチ

仕事でノーベル賞を受賞したとある先生と会う機会があった。

当初は先生が来る予定はなかったのだけれど、ちょうどその日予定が合うからランチでもご一緒しましょうと連絡があったのが前日。

よもや自分の人生で、ノーベル賞博士とお話できる機会が来るなんて思ってもみなかった私。さすがに慌てふためいた。

受験の前日のドキドキ感と、遠足の前日のソワソワ感が混ざったような気持ちで、とりあえず先生の生い立ちと研究内容をネットで漁る前夜。博士が発見した呪文のような名前の物質名を覚えてみたりして。



そして当日。先生の隣に座ることになった私。

小学生みたいに緊張したけれど、先生はとても親しみやすく、優しかった。近所のおじいちゃんみたいに気さくで、笑顔がチャーミング。
80代には見えないほど元気で、よく食べよくしゃべる。
この歳にして、年間100回以上公演をしているというからびっくりだ。

そして私が一番驚いたのは、先生には、傲慢さや横柄さのかけらもなかったこと。

様々な特許を取得して凡人からは想像もつかないような収入があり、出身地では市や村をあげて称えられているのに、先生には嫌味なところが一つもなかった。
周りに惑わされない、自分をしっかり持ってる人だった。


研究者としてはもちろんのもちろん、人としても素晴らしい方なんだと。
蕎麦を啜りながら、隣で一緒にお食事できただけで私の人生に輝く光栄な出来事です、一生忘れられないランチです、と心の中で唱えずにはいられなかった。

先生のその頭脳と人柄をひとりでも多くの人に知ってもらうために、いつまでも長生きしてほしいな。
きっと亡くなった後の世界でも幸福に満ちた生活が待っているんだろうな。と、死後の世界を信じているわけでもないのに思ったのでした。

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