
源
懐かしさに返る。
海はいつも無にする、自分を。
自分なんてないのに、
持ってしまっている自分を。
波の荒々しさの中に、
夜の森の静けさに、
空の広大さに、
自然の本質を視る。
それは美しさだけではなく、
解明できないわからないもの。
黒く、暗く、想像できない存在。
彼らはそのわからないを抱えたまま生きているし、そこをわかろうともしない。
あるがままで生きるから、
美しいのだと。
そのわからないが、
自分のほとんどを成す。
だから定義できないくらい、
自分なんかわからない。
毎瞬ごとに変わる自分と周りの世界。
宇宙誕生から、
一度として同じことなどない全ての存在。
"自分はこう"と定義した瞬間に、
もう違う自分。
だからこう!と決めても意味がないほど。
決める必要が無い。
溶け合うように、
全てが自分なのだと。
海を眺めれば、
全てがドロドロに混ざり合っていた液体の時代を思い出すような、
激しさの中に、
美しさと、柔らかさと、しなやかさを感じる一体感。
私達の身体には、
固体、気体、液体が存在し、
その移ろいゆくハーモニーを、
心ゆくまで堪能する。
自分も周りも境目なく自分なのだと、
概念と思い込みが世界を作っていると、
改めて、全て在るけれど無いを体感する海との対話。
全ては自分が作り出している、
描いている、
思い込んでいる。
"私の此処は美しい、怖い、イヤな部分"と
決めるのはいつだって自分自身。
そう思い込むことで、そうなっていく不思議。
だから、いいんだよ、いいんだよ。
そのままで、わからないままで。
定義など必要ないままで。
決めつけたらそれにしかなれなくなる。
私は全てでいたいのさ。
もうそこに在る自分で、
今日も生きてみる。
また新たな自分と世界の始まり☀
そして、終わり、始まりを、
瞬間ごとに繰り返していく。