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放課後カルテから読み解く不登校
前回、放課後カルテから読み解く発達障害では、れいかのアスペルガー特性について触れてみましたが、彼女の場合、ADHDの衝動性特性もあるのだと思います。
思ったことがポンポンと出てしまうところがまさにそう。
彼女はよく私に似ているなぁ、と見ていて思いました。
さて、今回は男児・聡(渡邉斗翔)の不登校についてです。
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担任の藤岡先生(平岡祐太)と牧野先生が家庭訪問をします。
健康状態を訊ねると母親(市川由衣)は「顔を合わせていないから、よく分からない」と答えます。
色々な書籍等で「不登校は親の責任ではない」と語られていますが、ハッキリ言って親の責任だと思っています。
というのも、我が子も「学校へ行きたくない…」と頭にハゲを作って口にしたことがあります。
聡はドアノブをロープで縛り付け、外から開けられないようにしています。
この時点で親を拒絶しているわけですから、親子間に何か問題があるのだと察する必要があるのです。
返事してくれないから仕方ない
ドアを開けてくれないから仕方ない
その「仕方ない」は逃げ口上でしかないと思います。
人生はとても長いです。
嫌なことは避けて通れる物ならそれが1番ですが、外部を遮断するのはその方法ではないことを教えなければなりません。
我が子にも「学校へ行きたくない!」問題が勃発した事があります。
通級制度が変わったため、基本的に1年しか通うことが出来なくなり(最長2年)、親としては卒級するにはまだ早いと懸念していたのですが、担任が大丈夫だとゴリ押ししたため、制度が変わった一学期で強制的に卒級となってしまいました(変更前は2年通いました)。
二学期は運動会やらなんやらと行事が沢山あり、キャパが段々限界に達し、徐々に卒級したことに対しても本人も後悔し始めていました。
学校、家、放課後等デイサービス、と娘は場所で気持ちを切り替えるタイプなので、学校家以外のことは自分から発することは基本的にはありません。
私からもあまり執拗に聞き出すことはしないのですが(本人の自主性に任せています)、時々「最近何か問題あった?」的なざっくばらんとした質問をすることはありましたが、大抵は「特にないよ」と返ってきます。
ですが、そこはやはり親と子。
特にないと言ったり、何も言って来なくてもどことなく表情や言動に違和感を抱き、そう感じたときは切り込みます。
すると、卒級したけどやはり不安があるので「困ったことノート」なるものをつけ始め、通級の先生や放課後等デイサービスの指導員、そして私と連携して色々な人の意見を聴いて解決していこう!という方法を私から提案してご協力頂くこととなりました。
なので、休み時間とかにひっそりとノートに書き込んでいたりすると(娘は割と後ろの方の席になることが多い)、教卓から大声で「何書いてるの?何か困ってるの?」と言い放ったそうです。
もし友達に「何書いてるの?」と訊かれた時に当時の娘の言語能力では上手く説明することが出来なかったため(言葉の表出力が乏しい)、「ちょっと考えてることを書いて、後でお母さんに相談するんだ」と答えるように伝えてありました。
でも周りに人が多い時は、そのように訊かれる可能性が高くなるので、図書室に移動したりして書いてみたら?という提案もしてありました。
娘はそれをきっちり守ってノートに綴っていたのに、教室中に響き渡るではなかろうか?という声で、ノートについて触れられ、案の定、友達に「何してるの?」と突っ込まれてしまったそうです。
普段から何か質問をしても娘が知りたい回答が返ってきたことは一度もなかった、とも言っていました。
それは私が担任と話していても同じだったので、さぞや辛かっただろうに…と心を痛めました。
学校が嫌いじゃないなら、学校へ行かないのはつまらないのでは?
担任と話したくないから学校へ行きたくないのでは?
担任と話さないために保健室登校という方法もある。
最悪、学校も変えてしまえばいい!
色々な切り口で説明や提案をしていきました。
最終的にたどりついたのは
・クラス全体での指導以外では担任から話しかけないでもらう
・本人が教室にいることが辛いと感じたら、通級や保健室、スクールカウンセラーの元へ移動する
・来年は担任に当たらないクラスにして欲しい(毎年クラス替えがあるのですが、1-2年の時は同じ担任になるようにお願いしました)
この案でした。
通級の元担任、教頭先生、スクールカウンセラー、保健室の先生、それぞれ全てお話しました。
話をする前とした後、ちゃんと娘にも報告し、本人が「1人でも大丈夫!」と言うまで、学校まで送っていきました。
なので、我が家は週末に話し合ったため、学校を休むことはありませんでしたが、平日だったら数日は休んでいたかもしれません。
先にも書いたように娘は表出力が乏しかったため、困っていることを聞き出すのも一苦労です。
そのうち貝のよう口を閉ざすと、再び開くまではとても長い時間を要します。
それでも
何度も訊かれて嫌かもしれない。
答えられないことにイライラするかもしれない。
もし私が言ってしまったら、先生が傷つくかもしれないと思って言わないのかもしれない(口を閉ざした一番の原因はこれ)。
それぞれに対して更に説明を付け加えて、最終的に「ここで話したことは先生は聴くことはできないから、傷つかないし、それは悪口でもなんでもないよ」という説明でやっと口を開きました。
ほんとにね、どっちもしんどいです。
でも親が根負けしたら、そこで終わってしまうんですよね。
聡の母親は母親なりの考えがあったのかもしれません。
でもそれをもし伝えたなら、あんなにドアノブをロープでグルグル巻きにしないだろうし、直接話すことが無理だと感じたなら、手紙でやり取りするという提案も出来たはずです。
娘は別にお互いが帰ってきてから話しても遅くは無いのにwということでもメモ書きを残して放課後等デイサービスへ行くようになりました。
それは学校へ行きたくない!問題のときに色々と話していた中で取り入れた方がいいと思った一案だったのだと思います。
「引きこもった方も悪いけど、そのままにしてしまった方も悪い」的なストレートな物言いをするれいか、流石だなと思いました。
そうなんです。
よく反抗期の子供が「言っても分かんないよ!」などと言いますが、はっきり言って言わなかったらもっと分かんないですw
言っても分かんない、これもある意味投げやりで、分かってもらえるまで言えばいいだけでは?と。
言われた側も喰らいつけばいいわけで。
学校へ行かなくても勉強はできます。
だけど、部屋に引きこもるのは違います。
だけど社会に出てからの方が、ずっとずっと理不尽なことは多いです。
今回は学校側には問題なく、夫婦関係が破綻したのは聡の発言のせいだと負い目を感じて母親に合わす顔がなくひきこもりました。
夫婦喧嘩は子供に聞かせるものではありません。
はい、うちはそうなる前に離婚しました。
両親がいても喧嘩ばかりしているなら、家庭環境劣悪です。
だったら母親だけど父親もやればいいじゃない!と。
実際、保育園の運動会のときはお父さんたちに混じって参加してブッチギリですw
DIYで靴箱作ったり、家電の修理もこなします。
入学式のスーツは型紙から起こして作りました(その為にわざわざロックミシンを買った程ですw)。
自分が教えられるものは金の力で解決しない!(他人に習いに行かせない)と習字だけは教えるスキルがなかったため、毛筆は初等師範(初段)、硬筆は現在四段まで取得しています。
子供産んだんですから。
身を粉にしてやれよ!って話です。
よく母親だけど女でもありたい的なこと言う人いますけどね、別にそれは個人の自由ですけど、私は人ひとり育てるって覚悟がないなら産むなよって思ってしまうタイプです。
いや、そんなカッコイイこと言ってるけど、日々悩んだり自己嫌悪に陥ったりはしますよ、当然。
でも悩まなかったらそれはそれで問題ありでしょ。
子供があやつり人形なっちゃうじゃない?
とまぁ、子供が部屋にひきこもったら!学校へ行きたくないと言ったら!どんなに拒否されても守れるのは親しかいないのです。
ドアを開けてくれるまで、話してくれるまで寄り添いましょうよ。
お金なんてなきゃないなりにどうとでもなります。
だけど世界の中心に子供と自分がいられる時間なんて一生のうちほんの数年でしかないですよ。
私はそう思うタイプなので、子供のために仕事しないで家にいた時間の方が長かったと思います(生活保護ではないですw)。
9-17時で働くようになったのはここ1年ほどですから。
それでも子供を朝「いってらっしゃい」と見送って、放課後等デイサービスから帰ってくる前に帰宅して「おかえり」と言っています。
学校へ行きたくないと言った2年前に出来た円形脱毛症、小さくなった&数が減ったけど未だ完治していません。
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