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世界ランク最高2位のアルゴリズムエンジニアが、ALGO ARTISに入社した理由

最適化AI(アルゴリズム)に特化した技術で、「社会基盤の最適化」を目指す私たち ALGO ARTIS は、設立から3年というまだ歴史の浅い企業でありながらも、配船計画、生産計画、運行計画などの分野で、現場で使えるソリューションを提供し、着実に実績を積み上げています。

この実績の背景には、卓越した技術力とともに、志高いエンジニアたちの存在が欠かせません。

前回の記事でも触れた競技プログラミングコンテスト「AtCoder」で、世界ランク最高2位を獲得するなど、ヒューリスティック最適化の分野でトップレベルのスキルを持つアルゴリズムエンジニア 松尾が、どのようにしてこの業界に進み、ALGO ARTIS への入社を決意したのか。彼のキャリアと情熱に迫るインタビューをお届けします。

松尾の挑戦の軌跡と、今後の展望について、ぜひご覧ください。


松尾の経歴

2010年4月 九州大学工学部機械工学科に入学
2014年4月 九州大学大学院工学府機械工学専攻に入学
2016年4月 株式会社IHI航空宇宙事業本部(当時)に入社。戦闘機用ジェットエンジンの開発に従事
2021年4月 株式会社IHI高度情報マネジメント統括本部に異動。組合せ最適化の研究に従事
2022年1月 株式会社ALGO ARTISにアルゴリズムエンジニアとして入社

コロナ流行が転機となり、ヒューリスティックアルゴリズムにのめり込む

まず松尾が ALGO ARTIS に入社するまでの経緯を、時系列で紹介します。
大学時代からずっと機械工学に携わっていた松尾に転機が訪れたのは2020年春、新型コロナウイルスが流行し、外出することも難しくなってしまった頃でした。暇を持て余していた(笑・本人談)松尾は、暇つぶしに競技プログラミングのコンテストに参加するようになり、その中で「最適解を出すのが困難な問題に対して、できるだけ良い解を返す」ヒューリスティックアルゴリズムに興味を抱くようになりました。

もともとプログラミングが好きだった松尾は、気づけば競技プログラミングの世界にすっかりのめり込んでいたそう。
「ヒューリスティックコンテストは「正解」が決まっておらず、同じ問題に対して様々なアプローチが考えられるのが特徴です。ときに問題作成者の想像を超えた解法が生み出されることもあります。私はヒューリスティックコンテストのこの性質が好きで、休日はより強いプログラムを作るために寝る間も惜しんで取り組んでしまいます。最初は人間の足下にも及ばない解しか出せなかったプログラムがだんだんと育っていって、あるとき人間を遙かに超えた解を出すようになったときの喜びは筆舌に尽くしがたいものがありますね。」

社会に大きなインパクトを与えたい

ヒューリスティックコンテストへの参加を続けていた松尾は、だんだんと良い成績が取れるようになり、やがてこの能力を何かに活かせないか?と考えるようになってきました。

「当時の仕事も面白かったですし、貴重な体験もさせて頂いていたのですが、やっぱり日頃磨いてきた自分の得意な部分を武器に、社会に何か大きなインパクトを与えてみたくなったんです。」

そんな想いがあって慣れ親しんだ機械工学から離れて、アルゴリズムエンジニアとしての一歩を踏み出しました。
では何故、ALGO ARTISに関心を抱くようになったのでしょうか?

入社のきっかけは「技術」の尖り

「2021年の秋頃だったと思うのですが、SNSの競技プログラミング界隈がやたらとざわついたんですよね」

競技プログラミングのコンテストサイト「AtCoder」の求人サイトで、松尾は ALGO ARTIS の存在を初めて知りました。その第一印象は、他とは一線を画す“尖った企業”だったと言います。

「ヒューリスティック最適化技術を活用している企業は他にもあったのですが、それ一本に絞って戦う会社というものは聞いたことがありませんでした。この企業なら自分の強みを存分に活かせるだろうと感じると同時に、大企業にいる自分がスタートアップの世界に飛び込んでやっていけるのかという不安もありました。」

ALGO ARTIS に強い魅力を感じつつも、当時株式会社IHIの高度情報マネジメント統括本部に在籍していた松尾は、スタートアップという未知の世界に飛び込むことへの不安も抱えていました。そんなとき、ALGO ARTIS のリードアルゴリズムエンジニアである門脇から直接声をかけられ、カジュアルな面談を提案されます。

「話を聞いていく中で、今までコンテストでしか発揮できなかった最適化技術が実際に現場で人の役に立っている事実に興奮を覚えました。スタートアップという未知の領域に飛び込むことへの不安は正直まだ残っていましたが、自分の得意とするヒューリスティック最適化技術で社会に大きな影響を与えられるという面白さ、そしてこの機会を逃したら次はまず巡ってこないであろうという想いから、入社を決意しました。」

ALGO ARTIS ならではのアルゴリズムエンジニアの魅力

「ALGO ARTISのアルゴリズムエンジニアの仕事は、単に最適化問題を解くだけに留まりません。最初期の顧客ヒアリングから、問題の定義、アルゴリズムの実装、ブラッシュアップを経て運用に乗せるまで、一気通貫でプロジェクトを進めていきます。」

多くの企業では、問題を定義する人と解決する人が分業されていることが一般的です。しかし、ALGO ARTIS では、アルゴリズムエンジニアがビジネスメンバーやプロダクトメンバーと協力しながら、両方を手掛けます。

顧客の課題を最適化問題に落とし込むためには、顧客業務の理解とアルゴリズムの深い知識の両方が必要です。最適化プロジェクトは本質的に非常にチャレンジングな難易度の高いプロジェクトであり、高度な技術力がないと実際の運用に繋がらない、絵に描いた餅になってしまうためです。顧客のビジネスを深く理解した上で、技術的な実現性も考慮しつつ、時には別の方針を提案することも含めて、最適な形で最適化問題へと落とし込むことが重要なのです。

「お客様のやりたいことと技術的な限界を両方とも理解した上で、ときにはこちらから新たな提案をしつつ運用イメージと解法イメージの両輪を作り上げていきます。そういった実務と技術の橋渡し的な役割は、普段のコンテストでは味わえない領域で、非常に解き応えがあるなと感じています。」

優秀なメンバーとのチーム仕事は面白い!

ヒューリスティック最適化技術は ALGO ARTIS のコアとなる技術ですが、当然ながらそれだけでは顧客に価値として届けることはできません。ビジネス側の業務フロー設計、お客様が使いやすいUI/UX設計、さらにはセキュリティやインフラの整備など、多岐にわたる要素が必要です。

特に、ALGO ARTIS のソリューションを採用いただいている企業は、社会インフラを支える重要な役割を担うケースが多く、システムがダウンして業務が停止したり、セキュリティインシデントが発生したりすれば、重大な損害につながります。

「全ての要素を一人で組み上げるのは不可能ですが、優秀なチームメンバーが完璧に仕事をこなしてくれますので、安心して背中を預けられるなと常々感じています。各分野の職人(Artisan)が集まることでレバレッジが効くといいますか、個人では絶対に成し遂げられない大きなことが実現できるのは非常に面白いところですし、ALGO ARTIS に入社して良かったなと感じる瞬間でもあります。」

これからやっていきたい2つのこと

「今後私がやっていきたいことは2つあります。1つは私を育ててくれた競技プログラミングに恩返しをすること、もう1つはより幅広い企業に ALGO ARTIS の最適化ソリューションを使って頂き、社会を変えていくことです。」

松尾の誠実さと野心を感じる言葉に興味を引かれ、さらに詳しく話を聞いてみました。

「まず1点目ですが、あのとき競技プログラミングに出会っていなかったら今の自分は存在しないといっても過言ではありません。日々面白いコンテストを開催頂いているAtCoderさんに加え、それ以外にも競技プログラミングを趣味とする多くの方々に影響されて今の私が形作られています。そして今  ALGO ARTIS に在籍する優秀なメンバーも、もし競技プログラミングがなければ集まることはなかったでしょう。そんな競技プログラミングに、今度は私が恩返しをする番かなと思っています。微力ではありますが、少しでも競技プログラミングというジャンルの盛り上がりに貢献できれば嬉しいなと思います。」

「2点目ですが、やはりもっと多くの企業に変革を起こしたいという想いがあります。徐々に一般企業にも浸透しつつあるのかなとは感じていますが、まだまだ機械学習系の技術に比べると最適化はマイナーな分野なのかなと思っています。ポテンシャルは十分あると考えていますし、「業務のDX化・機械学習による予測でデータは用意できた。さあ次は最適化で意思決定だ」という流れを作っていきたいです。」

アルゴリズムエンジニアチーム 2023年9月合宿での集合写真

現在も積極的に競技プログラミングコンテストに参加し、好成績を収めている松尾は、後輩たちにも良い刺激を与えています。また時には作問者などの形で運営に携わることで、恩返しを具体的に形にしています。業務ではプロジェクトメンバーと協力しながら、お客様と共に課題を解決し、着実に実績を積み重ねています。

有言実行を続ける松尾の歩みは、これからもさらなる高みを目指します。


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